期待と不安が入り混じった退団後の今。
ワクワクが止まらない瀬戸かずやさんのこれからの道
今年7月に、18年に及ぶ宝塚歌劇団の男役に別れを告げた瀬戸かずやさんが登場。“花男”の上級生のひとりとして花組を引っ張り、2020年に花組トップスターに就任した柚香 光(ゆずか・れい)さんを支えた頼もしい花組のアニキ。花組男役としてタカラヅカ生活をともに過ごした鳳 真由さんからのご紹介です。
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――鳳さんから、「繊細でありながら熱い方で、とっても尊敬しています。とってもきちんとされていて厳しいイメージだったのですが、ある日を境に天然ボケが炸裂されて…1期上さんなのですが今は愛をもって“せとぱん”と呼ばせていただいています」とのお言葉をいただきました。
瀬戸さん(以下敬称略):あははは、そうなんです…(笑)。
――「お互いに切磋琢磨して頑張ってきて、本当に感謝しかないです」と鳳さんはおっしゃっていましたが、エピソードがあれば教えてください。
瀬戸:私こそ、彼女がいなければ花組で頑張り続けることはできなかったかもしれません。近い学年に、お互いを鼓舞しあえる存在がいてくれるのはとてもありがたいことでした。1期上に望海風斗(のぞみ・ふうと)さんがいて、2期上には朝夏まなとさんがいて、その上にも錚々たるスターさんがいて。1期下には鳳が、その下にもまだまだたくさん…と、まるで戦国時代のようでしたね。
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瀬戸:花組下級生時代はとにかくカッコいい男役になりたいとがむしゃらに突っ走っていましたが、まだなにもかも未熟でうまくいかず凹むこともありました。自分はどんなふうに進むべきなのかと悩む中で、望海さんのあとを必死でついていったり鳳がぐんぐん力をつけてきて刺激を受けたり…。悔しい思いや葛藤もありましたが、でも周りのみんなが力いっぱい走っていてくれるから「ここで自分がへこたれちゃダメだな、自分なりの男役を極めないと」と気持ちを奮い立たせることができたのだと思います。
特に鳳は1期下だったので、うーん…、ライバルでもありました。お互いにいろいろなことを考えていたと思うのですが、ある時から深い話もするようになって。彼女ってかわいらしいキャラじゃないですか? 憎めなくてほっとけないところがあるし、私も彼女が言うようにちょっとすっとぼけたところがあると自覚し始めて(笑)、それで肩肘を張るのをやめてみたんですよね。私はいたって普通のつもりで過ごしているのにそれがちょっとズレているみたいで、周りのみんなが「まったくもう、瀬戸さんてば〜(笑)」みたいに受け止めてくれたから甘えられたのかもと思っています。