「白粉花」とはオシロイバナ科の多年草
「白粉花」はオシロイバナ科の多年草で、赤・白・ピンク・黄・紫・絞りなど、さまざまな色の花を咲かせます。
【白粉花:おしろいばな】
オシロイバナ科の多年草。園芸上は一年草としても扱われる。高さ約1メートル。葉は広卵形で、対生する。花は夏から秋にかけて咲き続け、色は紅・白色や絞りなどがあり、らっぱ状で、夕方に開く。江戸時代、種子の白い粉をおしろいの代用にした。南アメリカの原産。夕化粧。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「白粉花」は南アフリカが原産で、江戸時代に日本に渡来して観賞用の花として親しまれてきました。夏から秋にかけての夕方に花を咲かせるため、夜に観賞する花である点が特徴です。茎は約80センチで、花はラッパの形に似ています。
「白粉花」の読み方は2つある
「白粉花」は一般的には「おしろいばな」と読みます。この他にも「おしろいのはな」という読み方をする場合もあります。この読み方は俗称です。俳句で詠われる時に「おしろいのはな」という言葉が用いられることが多いようです。
英語名は「Four o’clock(フォー・オクロック)」で、午後4時ごろに花を咲かせることから、この名前がつきました。「白粉花」という名前の由来については次の文章でご説明しましょう。
「白粉花」の名前の由来
「白粉花」という名前は、花が咲いたあとにできる黒い種子の中の胚乳が、おしろいの粉に似た白い粉状であることからつけられました。「白粉花」は夕方から花が咲き始めるため、「夕化粧(ゆうげしょう)」という名前で呼ばれることもあります。
この他にも「飯炊き花(めしたきばな)」と呼ばれることもあります。「白粉花」が咲くと、そろそろ食事の支度をする時間であることから、この呼び方が生まれたとのことです。
「白粉花」の花言葉は「臆病」
「白粉花」の花言葉は「臆病」です。日中は閉じていて、夕方になると花を咲かせることから、この花言葉がつきました。同じ理由から「内気」「恥じらい」も「白粉花」の花言葉となっています。
この他にも「恋を疑う」という花言葉もあります。同じ株から違う色の花が咲く「白粉花」独特の特徴から、この花言葉がついたとされているようです。
「白粉花」の特徴
「白粉花」にはさまざまな特徴があります。花を咲かせる時間帯が夕方からであること、花の色がさまざまで、しかも同じ株から違う色の花が咲くことなどです。
もっとも大きな特徴は、名前の由来にもなっている種の中の白い粉でしょう。この粉は子どもの遊びに使われたり、おしろいの代用として使われたりしています。この2つの使用方法について、詳しく見ていきましょう。
子どもの遊びに使われる
「白粉花」は子どもの遊びに使われていました。種を割ってでてくる白い粉をおしろいに見立てて、鼻筋やひたいに塗って遊びます。この他にも「白粉花」はいろいろな遊び方ができる花です。花の汁をつめに塗って、マニキュアの代わりにつめを染める遊び方もあります。
東北地方では赤い色の花をつけた「白粉花」を鼻の先につける「鼻天狗」という遊びもあるようです。この他にも「白粉花」の黒い種子を鼻の穴に入れて、鼻鉄砲としても使う遊び方もあります。花から種まで、こんなにさまざまな遊び方ができる花はそうはないでしょう。