おしろいの代用として使われた
江戸時代には、実際に「白粉花」の黒い種の中の白い粉をおしろいの代わりに使っていました。江戸時代のおしろいの原材料は鉛や水銀であったため、安全性を考えると「白粉花」を使ったほうがよかったと思われます。
しかし、当時は安全性に対する認識はなく、「白粉花」はあくまでも代用品という位置づけでした。「白粉花」の粉の成分は主にでんぷんで、にきびや吹き出物の治療のための薬として患部に塗るという使い方をされていたこともあるようです。
「白粉花」の育て方
「白粉花」は丈夫で繁殖力も強く、比較的簡単に種から育てることができます。さまざまな色の花が咲くため、庭や室内に彩りを添えてくれます。カラフルなので、観賞用の花としておすすめです。
ここでは「白粉花」を育てるのに適した土作りから種まき・受け付け・水やり・肥料のやり方などの育て方からお手入れの仕方まで、詳しく解説しましょう。
土作りと種まきと植えつけ
「白粉花」は水はけの良い土を好みます。元肥が配合された培養土、もしくは赤玉土と腐葉土を混ぜた土を使い、鉢植えにする場合には下に石を敷きつめて、水はけを良くしましょう。「白粉花」の種は20~25度の温度で発芽するため、4月から6月にかけて種まきをします。
育苗ポットを使用する方法もありますが、花壇やプランターに直接まいても問題ありません。種の上に土を1センチほどかぶせて、土が乾燥しないように気を配ります。発芽したら、間引きをしましょう。
植えつけをする目安は、本葉が2枚から4枚くらいついた時期です。この際に根が傷つかないように、注意しましょう。横にも広がるので、複数の株を植える際には30センチから40センチくらい、間隔をあけます。
水やりと肥料
「白粉花」は乾燥した土が苦手なので、花が咲くまでは土が乾燥しないように気をつけることが必要です。ただし、水をやりすぎると株の生育に影響が出るので、適度な水やりを心がけましょう。地面に直接植える場合は、さほど頻繁に水をやる必要はありません。
肥料は植えつけの際に土に緩効性肥料を混ぜておけば、追肥をしなくても大丈夫です。花に元気がない場合は液体肥料を使うのもいいでしょう。「白粉花」は日当たりのいい場所で育つと花の色が鮮やかになるため、日当たりのいいところを選びます。
真夏の直射日光は強すぎるので、位置を変えたり、日よけを使ったりして調節しましょう。「白粉花」は多年草なので、暖地ならば、翌シーズンも楽しむことができます。
読み方や特徴を知って「白粉花」に親しもう
「白粉花」はオシロイバナ科の多年草で、読み方は「おしろいばな」です。黒い種子の中の白い粉がおしろいに似ていることから、この名前がつきました。特徴的なのは赤・白・ピンク・黄・紫など、色とりどりの花が咲くことと、花が開くのが夕方であることです。
「白粉花」は丈夫なので、お手入れも簡単です。多年草であるため、丁寧に育てると、長く楽しむことができます。「白粉花」に親しんで、彩りのある暮らしを送るのもいいでしょう。
写真・イラスト/(C) shutterstock.com
▼あわせて読みたい