「雨降って地固まる」の意味や由来とは?
「雨降って地固まる」という言葉を聞いたことがありますか? 日常生活で喧嘩したあとや結婚式のスピーチなどで、使われることの多い言葉です。会話の中で出てきた時のために意味をしっかりと押さえておきたいもの。そこで、今回は「雨降って地固まる」の意味や由来、使い方、類語などを解説します。
意味
「雨降って地固まる」の意味は以下の通りです。
もめごとなど悪いことが起こったあとは、かえって基盤がしっかりしてよい状態になることのたとえ。(<小学館デジタル大辞泉>より)
「雨降って地固まる」とは、喧嘩やトラブルが起きた後の方が、以前より状態が良くなり、結束力が強くなること。
例えば、チーム同士で喧嘩をして言い合いになっている場面があったとします。周囲の人は、「このまま仲間割れするのではないか?」とヒヤヒヤしますが、喧嘩して本音をぶつけ合ったことで、ますますチームの絆が深まった、ということも日常生活では多々あることです。
このように、悪いことが起きたおかげで以前より関係が良くなることを「雨降って地固まる」というのです。
由来
「雨降って地固まる」の由来は、雨が降った後の土の状態にあります。通常雨が降ると、地面がぬかるんで歩きづらく、服も濡れるため面倒なことが多いもの。そのため、雨=嫌なことと思う人も多いのではないでしょうか。
しかし、雨が降った後ほど、土は固まり、しっかりとした地盤ができ上がることもあります。このように、雨や面倒なことが起きた後の方が、かえって良い結果や安定した状態になることから「雨降って地固まる」ということわざができました。
使い方を例文でチェック!
日常生活ではどのような状況を「雨降って地固まる」というのでしょうか。具体的な例文を挙げるので、使い方をチェックしてみましょう。
チーム内で争ってばかりいたが、県大会で優勝したことでより絆は深まったようだ。雨降って地固まるとはこのことだね
「雨降って地固まる」は、主に喧嘩していた人同士の関係が良くなった時に使用されます。大抵は、争いの様子を側で見ていた第三者が「あの時はどうなるかと思ったけれど、無事に仲がよくなってよかったね」という場合が多いでしょう。
雨降って地固まるように二人の絆はより強固なものになっていった
「雨降って地固まる」は、喧嘩やトラブルなどを乗り越えて信頼関係が深まったことが伝わる表現です。喧嘩したカップルなど恋愛関係で使われることが多い傾向にあります。あくまでも関係が良くなった時に使われる言葉なので、喧嘩して仲が悪い状態や、関係がギクシャクしている時には適さないことに注意しましょう。
時には喧嘩ばかりしていた私たちですが、雨降って地固まるというように無事結婚することとなりました
「雨降って地固まる」は、結婚式のスピーチで度々使われます。新郎新婦が今までの自分たちのなれそめを説明し、時には大変な時期もあったと振り返る時に使うことも多いです。
または、その様子をそばで見ていた友人や家族が使うこともあるでしょう。「色々なことがあったおかげで今がある」というニュアンスを含んだ表現です。
類語や言い換え表現とは?
「雨降って地固まる」の類語には、「禍を転じて福となす」「怪我の功名」「塞翁が馬」などがあります。いずれも一度は耳にしたことがあることわざではないでしょうか。それぞれの意味を詳しくみていきましょう。
禍を転じて福となす
「禍を転じて福となす」は「災い転じて福となす」ということもあります。意味は以下の通りです。
わざわいに襲われても、それを逆用して幸せになるように取り計らう。(<小学館デジタル大辞泉>より)
たとえ悪いことが起きても、それをうまく利用して幸せになることを「禍を転じて福となす」といいます。「禍」や「災」は、「病気や天災など悪い結果をもたらすこと」という意味です。
一方「福」は、「運がいいこと、幸運」を表すので、正反対の意味です。不幸なことを幸運なことに逆転させるところが「雨降って地固まる」と共通しています。
《例文》
・喧嘩が絶えない夫婦だったが災い転じて福となす、子供が生まれてからはすっかりおしどり夫婦だ