「雨後の筍」ってどんな言葉?
「雨後の筍(うごのたけのこ)」ということわざがあります。あまり日常的に耳にする言葉ではないかもしれません。しかし、日常的に使えることわざであり、知っておくととても便利です。「雨後の筍」は言葉通り、筍に関する「ある姿」から生まれた言葉です。では筍のどのような姿を元に言葉ができたのか、見ていきましょう。
「雨後の筍」の意味
「雨後の筍」という言葉には、以下のような意味があります。
物事が次々に現れたり、起こったりすることのたとえ
出典元:精選版 日本国語大辞典
トラブルが次々に起こったり、協力者が次々に現れたりする場合に対して「雨後の筍のように〜」と表現できます。筍と聞くとまず「成長が早いこと」を表現するために使われるイメージがあります。しかし、「雨後の筍」ということわざに関しては、成長が早いという意味ではなく、次々に現れるという意味で使われます。「雨後の筍」を用いる際は、注意してください。
「雨後の筍」の語源
そもそも、なぜ「雨後の筍」という言葉が「次々に物事が起こる」といった意味で使われるようになったのでしょうか。このことわざは、筍という植物の「ある性質」が起源となっています。
筍には成長が早いことの他にも「雨上がりに地面から出てくる」といった性質を持っています。雨上がりになると、次々に筍が地面から顔を出す姿を元に「雨後の筍」ということわざが誕生しました。また、同じような筍が現れることから、「雨後の筍」には「似た性質のもの」が次々に現れるといった意味合いで使われます。たとえ物事が次々に起こったとしても、性質の異なるものは「雨後の筍」と表現しません。
「雨後の筍」の使い方は?
では実際に、「雨後の筍」という言葉を日常の中で用いる場合には、どのような使い方をするのでしょうか。言葉というのは意味を知るだけでなく、実際に使ってみることで初めて、習得できるもの。つまり、言葉を深く理解するためには、具体的な使い方までを理解していなければならないということです。本章では「雨後の筍」を会話と文章、それぞれで使う場合の具体例を解説します。
「雨後の筍」の例文
文章のなかで「雨後の筍」を使いたいときには、以下の例文を参考にしてください。
・一人の野球選手が海外リーグに挑戦したことをきっかけに、【雨後の筍】のように他のスポーツ選手も海外進出を始めた
・芸能人のスキャンダルが発覚すると、【雨後の筍】のごとく、他の芸能人のスキャンダルまで発覚する
・コロナウイルスが蔓延してからというもの、まるで【雨後の筍】のように飲食店の閉店ラッシュが始まった
「雨後の筍」の会話例
雨後の筍を会話のなかで使う場合には、以下の会話例を参考にしてください。
Aさん「業務スーパー、行ってみたいんだけど家の近くになくて」
Bさん「うちの周りにはいくつかあるよ。話題になってから、【雨後の筍】みたいに増えたんだ」
Aさん「そうなんだね!今度遊びに行かせて欲しいな」
類義語・言い換え表現は?
「雨後の筍」は、他の言葉に言い換えることもできます。短期間で語彙力を上げるコツは、ひとつの言葉を習得するときに、類義語や対義語なども合わせて覚えてしまうことです。そして、似た意味の言葉をひとつのグループとして理解しておきましょう。「雨後の筍」には、対義語がありませんので、本章では類義語や身近な言い換え表現を解説します。
「雨後の筍」の類義語
「雨後の筍」の類義語としては「矢継ぎ早(やつぎばや)」という言葉が挙げられます。「矢継ぎ早」という表現も、「雨後の筍」と似たように「立て続けに」物事を行うという意味があります。
しかし、両者には微妙なニュアンスの違いがあります。「矢継ぎ早」という言葉は、「雨後の筍」よりも「短期間に物事が起こる」といった意味合いが強くなります。高速で飛ぶ「矢」を用いた表現であることから、このようなニュアンスが含まれると考えられます。