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2022.03.20

親子で学ぶお金の話〜投資はギャンブルではない〜

2022年4月より高校で「金融」が必修科目になります。幼少期から「お金」について学ぶことで、子ども自身が社会や将来について考えるきっかけになるのではないでしょうか。この記事では、生きるために知っておくべきお金のアレコレをお金の専門家に解説いただきます。第3回は、投資の考え方について、さわかみ投信の江藤香織さんに聞きました。

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Kikka
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スキルアップや健康維持も投資のひとつ

–––– 前回は、自分の意志でお金の使い方を選ぶことについて伺いました。お金を消費すること、預貯金すること以外の使い道として、最近では投資も身近になってきましたよね。とはいえ、投資というと、株の売買とか、難しそうなイメージを持っている方も多いと思います。

「投資」と聞くと、儲けるためにお金を増やす、というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、そうではなく、理想を実現するために今のお金を使うことが、本来の投資です。例えば語学を勉強すること、習い事をすること。技術を身に着けるだけでなく、健康に気をつけた生活をすることも将来の自分のための投資です。

–––– スキルが上がれば将来的な収入アップも見込めますし、健康でいれば医療費も減りますね。

目先の利益のため、お金のためだけではなく、未来のリターンという目線が投資には必要です。投資は子育てにとても似ています。例えばお子様の塾にお金を払うのは、短期目線ではないですよね。学校進学だけではなく、その先大人になっていい人生を歩んで欲しいと願っているからではないでしょうか。

前回お話しした、自分のお金の使い道を選ぶ、というのも投資の一つの形です。自分が何にお金を使うのか、それによってどんな社会をつくりたいのか。未来を考えてお金を使うことは立派な投資です。

企業に投資をする場合は、その企業の資金が増え、社会のためになる商品やサービスを開発したり提供することができます。投資をすることでその企業の活動に関与し、また社会貢献になるのです。

投資=ギャンブル?

–––– 自己投資や社会貢献の一つという考えなんですね。ただ、習い事の先にある未来を、と言っても子どもが理解するのは難しそうです。

そうですね。いまやっている勉強や習い事の先の未来の話をされてもあまりピンと来ないかもしれませんね。それよりもやはり、日常生活でお金だけでなく社会の仕組みを教えてあげることが大事だと思います。例えばスーパーに買い物に行って、レジでお礼を言うこと。これは礼儀の話だけでなく、「私たちが欲しい物を買うことができるのは、それをつくってくれる人や売ってくれる人がいるからなんだよ」という構図を教えることができます。

スポーツをやっている子には、なぜこの大会が開催できるのかを一緒に考えてもいいかも知れません。小さな試合は大人が手弁当で行うことがありますが、大きな大会などには企業がスポンサーにつくことがあります。企業がお金を出してくれることによって、大きな会場が借りられて、ときには交通費を出してもらえて、子どもたちに大きな試合という経験を積ませることができています。

また、どんな大会を支援しているかによって、その企業の価値観や理念に触れることもできます。日頃からそういった会話を家庭でしていると、自然と子どもが社会を見る視点が変わってくると思いますよ。

–––– 「お客様は神様」という言葉がありますが、お客様の前に、みんなが必要とするものをつくってくれた人や企業があるからこそですね。

これまで話してきたように、お金を使うことは社会をつくることです。例えば私たちさわかみ投信でも、10〜20年後の将来、どのような社会にしたいのかを考え、それに必要な企業に投資をしています。私たちは自分の親世代より豊かな社会に生きています。自分の子どもたち世代にも、より豊かで安全な社会を残したいと思っています。そのためにも環境問題や人口問題を解決するような研究、製品開発に取り組んでいる企業。これからの生活に必要なものを作っていたり、社会にとってより良いもの、環境負荷の少ない活動をしている企業を選ぶようにしています。これは、親が子どもに対してどんな社会を残したいのかを考えることと同じだと思います。

–––– 子どもや孫の未来のため、と思うと投資もイメージが変わりますね。

投資に限らず、リスクは何にでもあります。まずは知らずに怖がるのではなく、少しずつ経験を積んで学ぶことが大事ですね。(江藤さん)

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教えてくれたのは

江藤 香織さん

さわかみ投信株式会社
1996年3月国立宇部工業高等専門学校卒業。1996年4月中国テクシス株式会社(現 株式会社NTTデータ中国)入社。同社にて金融機関の大規模システム構築に携わったのち、2006年8月さわかみ投信に入社。運用調査部、直販部を経て2019年10月情報システム部長に就任。

ライター

Kikka

アラフォーのママライター。貯金ができない夫の代わりに老後の資金づくり担当をかってでる。まずはやってみる精神で投資歴10年。

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