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LIFESTYLE お金

2022.03.19

親子で学ぶお金の話〜お金の使い方で社会が変わる〜

 

2022年4月より高校で「金融」が必修科目になります。幼少期から「お金」について学ぶことで、子ども自身が社会や将来について考えるきっかけになるのではないでしょうか。この記事では、生きるために知っておくべきお金のアレコレをお金の専門家に解説いただきます。第2回は、お金の使い方について、さわかみ投信の江藤香織さんに聞きました。

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Kikka
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なぜ日本人は貯金が好きなの?

–––– 最近親とも介護費や教育費などについて話す機会が増えました。そのたびに「ちゃんと貯金しなさい」と言われます。

世代で預貯金についての考え方も違いますよね。日本人は預貯金をする文化とよく言われるのですが、昔はそんなことはありませんでした。江戸時代には「宵越しの金は持たない」という言葉があるように、貯める文化はなかったのです。

預貯金という文化が根付いたきっかけは第二次世界大戦です。

戦争中は、国が戦争の資金を集めるために銀行にお金を預けさせようとしていました。終戦後も、銀行にお金があることで道路やダムなどのインフラ整備の資金ができ、日本の高度経済成長に繋がりました。そんな時代に育ち、幼少期から「お金は貯金するもの」という教育を受けた私たちの親世代が、預貯金を良しとする文化を生んだのです。

関連記事:親子で学ぶお金の話 vol.1 〜子どもへのお金の教育、何から始める?〜

–––– 「お金は銀行に」というのが当たり前でしたよね。私たちが銀行に預けたお金は何に使われているんですか?

銀行の役割はお金を流通させることです。銀行は預かったお金を、資金を必要とする企業や個人に貸し出します。銀行から資金を借りた企業がものを作ったりサービスを届けることで、社会が発展します。

ですが今は銀行に預けられた預金の約4割が眠ったままの状態にあります。高度経済成長期には社会を整備するために必要な仕事がたくさんあり、企業は銀行からどんどんお金を借りていました。ところがバブル崩壊時、たくさんの会社が倒産して、銀行は貸し出したお金を回収できなくなりました。貸し出しは大きなリスクを伴うものとなり、銀行は以前ほど積極的に企業にお金を貸し出さなくなりました。

日本を運営するために約100兆円必要なのですが、現在個人が銀行に預けているお金はその10倍、およそ1000兆円もあります。銀行にお金が眠ったままだと社会は動かないので、私たち一人一人が自分の意志でお金を動かす(使う)ことが必要です。

一人一人のお金の使い方で社会が変わる

–––– 今でも「これが欲しい」「ここに行きたい」など、自分の意思でお金を使っていると思うのですが・・。

前回お伝えした通り、お金が回ることで社会は成り立っています。つまり、私たちが何にお金を使うかによって、社会が変わるということです。例えば有機野菜を選ぶ人が増えれば増えるほど、そこにお金が集まり、有機野菜を育てる農家も増え、スーパーや八百屋など売られる有機野菜が増えます。逆にいくら社会的に意味のある商品やサービスだとしても、私たちがそれにお金を使わなければ、その商品やサービスが残ることはありません。このように、自分のお金の使い方次第で社会を変えることができるのです。

–––– 自分たちのお金の使い方で社会が変わると考えると責任重大ですね。節約という概念だけでなく、一人一人がお金の使い道を考えなければいけませんね。

これからのキーワードは「節約」ではなく「循環」です。例えばスーパーでにんじんを一本買うにしても、なぜそのにんじんを選ぶのかということを子どもに説明してあげると良いですね。お金を使う理由や使い道を子どもに伝えることで、お金の使い方を考えるきっかけになります。常日頃からそういった会話をして、お金と接する場を増やしてみてください。(江藤さん)

一人一人がお金の使い方を考え、変えることが社会貢献の一歩。次回は、お金の使い方・置き場所のひとつ、「投資」について紹介します。

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教えてくれたのは

江藤 香織さん

さわかみ投信株式会社
1996年3月国立宇部工業高等専門学校卒業。1996年4月中国テクシス株式会社(現 株式会社NTTデータ中国)入社。同社にて金融機関の大規模システム構築に携わったのち、2006年8月さわかみ投信に入社。運用調査部、直販部を経て2019年10月情報システム部長に就任。

ライター

Kikka

アラフォーのママライター。貯金ができない夫の代わりに老後の資金づくり担当をかってでる。「まずはやってみる」精神で投資歴10年。

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