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LIFESTYLE お金

2022.03.18

親子で学ぶお金の話〜子どもへのお金の教育、何から始める?〜

 

2022年4月より高校で「金融」が必修科目になります。幼少期から「お金」について学ぶことで、子ども自身が社会や将来について考えるきっかけになるのではないでしょうか。この記事では、生きるために知っておくべきお金のアレコレをお金の専門家に解説いただきます。第1回は、お金の流れについて、さわかみ投信の江藤香織さんに聞きました。

Text:
Kikka

お金が人の手を渡り歩くことで経済は回っている

––––  ついに高校での金融教育が始まりますね!それ以外でも、最近NISAやiDeCoなど、お金の話を耳にする機会が増えたように感じます。私自身、結婚するまで将来のお金のことなんてまるで考えてこなかったので、子どもとは早くからお金について話す・考える機会を作りたいなと思っています。

良いことですね。そもそもお金ってなぜ必要なのでしょうか。お金の役割を考えるために、お金のない世界を想像してみましょう。明日の朝起きて、もし世界からお金が消えていたら、どうなると思いますか?何に困るでしょうか。

–––– お金がないと物が買えません。食べ物も洋服も。

そうですね。生きていくのに食べ物はなくてはなりません。少しの間なら家にある食べ物で食いつなぐことはできるかと思いますが、それらがなくなったらどうしますか?米農家や野菜農家のところへ行って食料を分けてもらおうと考えるかもしれませんね。

お金が誕生したのは大昔。「お金」という存在がない頃は、物々交換をしていました。米を作る人や野菜を作る人などがいて、それぞれの食料を分け合っていましたが、作物は採れる時期が限られていたり、不作の年もあります。そこで「お金」という道具を使って、自分が欲しい時に欲しいものと交換できるようにしたのです。

昔は自分で畑を耕し野菜を作り、家を建てることもできました。ですが今は自分だけで全てをやるのではなく、自分の「できること」や「得意なこと」で仕事が分業されています。その仕事の対価として「お金」を得て、食べ物だけでなく、ガスや電気や、生活に必要なものと交換しています。

–––– お金がないと物が買えないというのは理解していても、社会の中でお金がどのように動いているかまで考えている子どもは少ないかもしれませんね。

お年玉やお小遣いとしてお金をもらったり、欲しいものを買う(買ってもらう)だけでは、お金について理解するのは難しいですよね。何かを買うにはお金が必要だというのは知っていたとして、そのお金が次にどこへ渡って行くのか、お金の流れを一緒に想像してみると良いかもしれません。
これは私が書いた「500円玉の旅」という絵本です。

男の子がパン屋さんでパンを買うのに渡した500円は、パン屋さんから小麦粉屋さんに渡り、小麦粉屋さんからは従業員に渡され、従業員がスーパーでお弁当を買うのに渡され、そこで働くお母さんの元に戻ってくる。お金が人の手を渡り、それと交換で色々なものを手にしていくことで社会が成り立っている、という物語です。
ご家庭でも、この食べ物を買うのに使ったお金は、その先どこにいくのだろう?と話してみることからでも、お金について考えるきっかけになりますよ。

お金の勉強は電子マネーよりも現金で

–––– 最近では多くのお店でキャッシュレスで決済ができるので現金で買い物をすることが少なくなりました。「お金を持ってないから買えないよ」と言ったら、子どもから「お母さんの携帯電話があれば買えるでしょ」と言われてしまいました。現金でなくなるとお金の動きや価値が伝わりづらいように感じます。

そうですね。子どもにお金の価値を教えるのには電子マネーはあまり向いていません。デジタルの数字を見るだけでは、お金の役割が伝わりにくいからです。ぜひ現金を子どもと一緒にじっくり見て、紙幣に書いてある人は誰なのか?お金はどこで作られているのか?なぜ模様が入っているのか?そういったことから学んでほしいと思います。そして、「この現金を便利にしたのが電子マネーだよ」という風に伝えてみてください。

もちろんお金の選択肢が増えると、利便性の他にもいい面があります。現物のお金は物理的に動かされるものなので、その移動にはコストが発生しています。電子化された通貨にはそのコストがかかりません。

–––– 今は割り勘も手数料なしでアプリでできるし、便利ですよね。最近では「仮想通貨」や「○○ポイント」など、新しいお金の形も増えてきましたね。そもそもなぜ国や地域ごとに使うお金の種類が異なるのでしょうか?

国や地域によって物の価値が違うので、その価値に合わせてお金の価値も変動するのです。昔は日本国内でも地域によって違う通貨が使われていたんですよ。それが徐々に統合されて、日本という国で一つの通貨を使うようになりました。いつかは全世界で一つの通貨に統合されることもあるかもしれませんね。(江藤さん)

この10年でお金の価値も決済方法も大きく変わりました。子どもが成人する頃には、さらに大きな変化が起こっているかもしれませんね。次回は銀行に預けたお金は何に使われるのか?私たちが考えるべきお金の使い方について紹介します。

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教えてくれたのは

江藤 香織さん

さわかみ投信株式会社
1996年3月国立宇部工業高等専門学校卒業。1996年4月中国テクシス株式会社(現 株式会社NTTデータ中国)入社。同社にて金融機関の大規模システム構築に携わったのち、2006年8月さわかみ投信に入社。運用調査部、直販部を経て2019年10月情報システム部長に就任。

ライター

Kikka

アラフォーのママライター。貯金ができない夫の代わりに老後の資金づくり担当をかってでる。「まずはやってみる」精神で投資歴10年。

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