家庭に比重を置くために、33歳でライフ重視の転職。子育てにひと区切りついた40歳で、国家公務員に再転職。目下、挑戦の毎日です。
今月の母:山﨑祐子さん
国土交通省 観光庁
国際観光課 係長・42歳
雲の外にはいつだって青空がある。つらくても出口は必ずあるんです
仕事と子育てはどのような配分で両立するのが正解なのか。そのヒントの一端を、40歳で国家公務員に転職した山﨑さんの〝今、ここ〟に集中する仕事人生に見ることができる。
「振り返れば独身時代、結婚後、子供が成長してからと、ライフステージによって働き方を変えてきました。自分の中で、たぶん今がいちばん充実しているかなと思います」
学生時代から旅行が大好きで、新卒で旅行代理店に就職。中国文学を専攻していたことから中国に魅力を感じ、20代後半は北京に駐在。現地で旅行会社立ち上げを成功させ、充実していたが残業も多く、30歳の結婚後は夫の転勤で週末婚に。家族の時間を大切にしようと公務員を目ざし、33歳で区役所に転職。出産して子供が3歳になり、子育てが落ち着いたときに、はたとわれに返ったという。
「区役所時代は、毎日が平穏でした。でもいざ39歳になってみて、〝あれ? もうすぐ40代。私、このまま子育てと区役所の仕事の毎日でいいのかな?〟と悩み始めたんです」
おりしも時代は中国からのインバウンドが加速。観光が好きで中国に関する仕事をやりたい気持ちを夫に打ちあけると快く応援してくれた。観光庁の経験者採用の情報を見て受験勉強を開始し、難関を突破した。
「現在は、念願の訪日中国人旅行者拡大に向けたプロモーションの管理や企画を担当しています。直近の課題は、東京五輪に向けた訪日外国人旅行者数の拡大と受け入れ体制の整備。課題は山積みです。〝雲外蒼天(うんがいそうてん)〟という言葉が好きで、行き詰まったときの支えにしています。出口は必ずあると信じて〝日本のファン〟が少しでも増えてくれるように頑張ります」
Profile
やまざき・ゆうこ/1976年、東京都生まれ。お茶の水女子大学文教育学部外国文学科卒業後、旅行会社に新卒入社。25歳から29歳まで中国・北京に駐在。帰国後、30歳で結婚。しかし1年後に夫が関西転勤となり、その後3年間は週末婚に。生活を変えるために33歳で退職して区役所に転職。36歳で出産、1年で復職。39歳になった1月に転職を思いたち、秋に国家公務員試験に挑戦、合格。40歳で観光庁に入庁し、現在に至る。
Domani2018年5月号『女[独身]、妻[既婚子供なし]、母[子供あり]Catch! 働くいい女の「月曜13時』より
本誌撮影時スタッフ:撮影/真板由起(NOSTY) ヘア&メーク/今関梨華(P-cott) 構成/谷畑まゆみ