モラハラ夫との愛のない生活。「子どものため」と今は耐える日々
結婚9年目の悠香さん(仮名)は、3歳年上の夫と娘との3人暮らし。娘が生まれた直後から夫の「モラハラ」の本性が現れ、今では暴君のように自己中心的な夫を「腫れ物に触るような感覚」で扱いながら結婚生活を送っているとのこと…。
「いずれは離婚するつもりです。でもまだ娘の受験もあるので、それまでは我慢しようと決めていて、夫とは家庭内でもなるべく接点を持たないようにしながら生活をしています。私が将来的に離婚をしたいことは、過去に何度も話し合いをしてきましたので、夫もよく理解しているはずです。
だから今では以前よりも夫婦で過ごす時間も少ないですし、一緒にいる時間が減っているのでモラハラをされる機会も数年前に比べれば減っています。私が今一番イヤだなと感じているのは、そんな夫婦仲なのに、夫から夜の生活を求められることが度々あること。すでに愛情のカケラもないような関係性なのに、夫は“妻なら応じて当たり前”とばかりに求めてくるのが苦痛でしかありません」
愛のない夫婦仲でも応じるのが妻の義務?
「以前、夫に『そういう気持ちにはとてもじゃないけれどなれないから、やめてもらいたい』と話したことがあるんです。だけど夫からは『気分とか関係ない。夫が求めれば妻には応じる義務がある』の一点張り。正直、気乗りしていない相手とそういうことをしても、ちっとも楽しくないんじゃないのって気がしますが、それでも夫は深酒をしたあとには必ずと言っていいほど求めてきますし、長期休暇で家にいる時間が長いときにも求めてくることが多いんです」
今や夫との夜の営みが苦痛でしかないと感じている悠香さんは、なんとかして夫からの夜の要求をやめさせたいのだそう。しかしはっきりと拒絶をしようとすると「離婚のときに慰謝料を請求するぞ」と言われるので、面倒で応じるしかないとため息をつきます。
「実際にそれで慰謝料が取れるとか取れないとかの話よりも、いちいちそういうモラハラ口調で強制してくるのが本当にストレス。いかにもモラハラ夫のやり方だなと思います。なんとかして夜の生活をゼロにしたいのですが、夫と直談判して解決するのが難しいので、どんなやり方があるのか…、いろいろ考えていますが“これ”という解決策が見つけられないままでいます」
モラハラを繰り返す夫との生活は、想像以上に過酷を極めます。悠香さんのように冷静に対処できているケースは稀かもしれません。夫がモラハラ体質だとしても、夫婦である以上は夜の営みの問題が出ても不思議ではありませんが、妻が応じたくない心情になっても無理はないでしょう。モラハラ夫は「夫婦間の課題を話し合いで解決する」という当たり前のことができない人が少なくないので、寝室を別にしたり生活時間帯を露骨に変えたりなどして、今よりも物理的に距離を置くようにできれば、状況の改善に役立つかもしれません。
取材・文/並木まき