40代からの肌の命運を分けるカギは“代謝アップ”! 忙しい時も“朝にきちんと与える”を守ると調子のいい肌が続く
30〜40代よりも今の方が肌の調子が良く、透明感があるという天野佳代子さん。肌が変わるきっかけとなったのが「肌の代謝を上げるケア」。すると透明感もツヤもどんどん増し、いつの間にかテレビや雑誌などで「奇跡の65歳」として注目されるように。天野流の代謝アップについて、そして忙しい40代のための効率的なスキンケア方法について伺いました。
天野佳代子さんってどんな人?
▲写真/美的GRAND冬号より
美容評論家・ジャーナリスト
1957年生まれ。20代で美容ライターとしてスタートし、小説の執筆や音楽業界での執筆活動を経て、美容エディターへ。2001年に美容雑誌『美的」の創刊メンバーとして活躍し“丁寧でわかりやすく、かつ美しく大胆な誌面作り”をモットーにした企画は次々とヒット。2018年に40代からの大人女性を対象とした美容雑誌『美的GRAND』を創刊し、編集長に就任。現在は、同誌のエグゼクティブ・ビューティ・ディレクターを務めながら、美容評論家・ジャーナリストとしてさまざまなメディアでも取材を受ける。
天野さんの肌を変えたケアについて教えてください
「いま思い返すと、周囲から肌を褒めらるようになった少し前から毎朝、酵素洗顔を使っていたんです。20代30代の頃も酵素洗顔はあったけれどたまに使う程度で、毎日の習慣にし始めた40歳頃から『肌がキレイ』『どんなことやってるの?』と度々言われるようになりました。肌の構造的には与えるよりも落とすことが大事と頭ではわかっていましたが、当時はエイジングが気になり始めた頃で与えるケアに目が向きがちでした。そんな頃に小分けの酵素洗顔が30個くらい入った製品が発売されて、使ってみたら肌がみるみる変わりました。使ってすぐ感じたのは、肌がつるつるする感覚でした。しばらく使い続けると化粧水や乳液の入り方がすごくよくなって…、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)の滞りがなくなったことでこんなに変わるものなのか、と驚きました」
落とすケア、イコール代謝アップなのでしょうか?
「そうですね。メイクや皮脂、古い角質などの不要なものをしっかり落とすと、”新しい細胞を生み出そう”という肌のスイッチが入り、代謝アップの歯車が回りだします。代謝が上がれば肌は新しい細胞で満たされるので、透明感とツヤ、いきいきした印象が手に入ります。
酵素洗顔がきっかけとなり、“落とすケア”をスキンケアでもっとも大切にするようになりました。なかでも夜のクレンジングはとくに丁寧にします。朝にメイクをしてから夜にクレンジングするまでの間、肌の上ではメイクと皮脂、肌の汚れが絡み合った状態になるので簡単には落ちません。忙しいとついパパッとメイクオフしがちですが、それだと汚れが落としきれなかったり、肌をつい強くこすってしまいます。私のおすすめはクリームタイプのクレンジングで、規定量よりも少し多めの量を使い、顔全体にゆったりとやさしくなじませてからぬるま湯ですすぎます。高価なものでなくてもいいので量をケチらずたっぷり使うことがポイントです。その後、肌に残ったクレンジングの油分を洗顔料で落とします。クレンジングと洗顔は入浴時でも構いませんが、38℃くらいのぬるま湯ですすぎましょう。それ以上の湯温では肌が乾燥しやすくなります」
“天野肌”の土台を作るクレンジングのポイント
POINT1_クレンジングの量はたっぷり使う
クレンジングクリームの使う量は、全顔でマスカット粒程度の大きさ。ただし、ウォータープルーフなどのポイントメイクは先にリムーバーで落とすことが前提。落ちにくいメイクまで1度で落とそうとするのはNG。
POINT2_ゆったりやさしくメイクとなじませる
クレンジングクリームを手にとり、焦らずにゆっくりクルクルとやさしくなじませます。頰→Tゾーンや額、口元やあご→目元、とひと通りなじませたらOK。同じところを繰り返し何度もクルクルする必要はなく、一度なじませる程度でいいのでゆっくり行います。その後、ぬるま湯でぬるつきがなくなるまで5〜6回ほどすすいだら洗顔をします。洗顔はたっぷり泡立ててから肌にのせて洗います。その後、ぬるま湯で髪の生え際などの泡残りがなくなるまでしっかりすすぐことも美肌の秘訣。泡残りがあるとニキビや肌荒れのもとになるのでご用心を。
忙しい40代におすすめ!泡で出る炭酸洗顔料
▲ソフィーナiP リニュー ムース ウォッシュ 200g ¥3,630〈編集部調べ〉
クリーミーな濃密炭酸の泡がワンプッシュで出るタイプ。「花王の炭酸技術について以前、研究所で取材をしましたが本当に素晴らしい! 汚れを落とすだけではなく、血行もアップしてくれる。すると代謝がよくなるので肌が持っている潤う力も上がります。くすみや乾燥に悩まされがちな40代はぜひ使ってみてください」(天野さん)
落とすケア以外で、代謝アップできるケアはありますか?
「もちろん、あります。40代以降になると、肌が新しく生まれ変わるターンオーバーというサイクルが遅くなって不要な角層細胞がいつまでも肌表面に残りやすくなります。古い細胞が残ったままだと化粧水などの浸透が悪くなりますし、乾燥やゴワつき、くすみが定着してメイクのノリも、いまいちに。そこで夜のケアに角質ケア美容液を使います。寝ている間にじっくり不要な角層細胞をほぐして剥がれやすい状態にし、朝の酵素洗顔で洗い落とすことでターンオーバーが整う、というわけです。もうひとつの代謝アップケアは、夜の美白です。睡眠中は肌代謝が高まる時間なので、夜に美白美容液を使うと代謝の高まりとともに効率よくメラニンケアができ、透明感を育むことができます」
肌質を問わず、毎日使える角質ケア美容液
▲タカミ タカミスキンピール 30mL ¥5,280
洗顔直後の肌に使う角質美容水。「肌が薄い、肌が弱いという人でも使えるのがこちら。水のように刺激のない化粧液です。なじませてから3分待ってから化粧水や美容液をつけます。この“3分待つ”というのがしっかり効果を感じるための大事なポイント」(天野さん)
Domani世代は仕事・子育て・家事に忙しなく自分をケアする余裕がないのに、肌の悩みは増える一方。どんなスキンケアをすればいいでしょうか?
「エイジング悩みが出てくると『アレもコレも使わないと…』と思いがちですが、そんなことはありません。忙しい40代こそ効率的で毎日ストレスなく続けられるお手入れをしましょう。大抵の40代が自分の肌を見てガクッとなるのは夕方頃ではないでしょうか? 日中の肌は紫外線や乾燥、大気汚染物質などたくさんの外敵にさらされているので、ダメージを受け続けた夕方頃になるとハリがなくなり、くすみやシワっぽさが顕在化してきます。そこで朝は与えるケアをしっかりして日中の防御力を蓄えることが肝心です。“しっかりケア”といっても化粧品をいくつも使う必要はなく、化粧水と乳液のみでOK!ただし規定量をきちんと使うことが大切です。化粧水を顔全体になじませたら少し時間を置き、肌表面の水っぽさがなくなったら乳液をつけます。特に乾燥しやすい冬は、洗顔後の肌に、まず乳液をなじませてから化粧水、そしてもう一度乳液という“乳液サンドイッチ”がおすすめです。1回目の乳液は規定量の半分くらいで構いません。肌がふくふくと柔らかい状態になり、化粧水の浸透がよくなります。2回目の乳液は潤いの蓋をする役割。この時の乳液の量は肌状態に合わせて加減しましょう。乳液サンドイッチをすると冬でも乾燥しにくくなります。朝は朝食の支度や片付けなどもあると思いますので、化粧水をなじませている間に家事をするという“ながらケア”でも構いません。そして夜のお手入れは先ほども話した通り、丁寧なクレンジングと洗顔で代謝アップをすればスキンケアはほぼOK。あとは与えるケア1〜2品でも構いません。朝と夜それぞれで目的をしっかり捉えたお手入れすることが40代からの美肌のカギとなります」
天野さんが40代におすすめする化粧水&乳液
▲眠っている美しさを目覚めさせ、生命力に溢れるハリ肌へと導く、ポーラの「B.A」シリーズ。(右)B.A ローション 120mL ¥20,900、B.A ミルク 80mL ¥22,000
「化粧水はみずみずしくてスッとなじむ感触なのに、とても濃密な潤いで満たれた感じに。乳液もなじみがよく、ふくふくとした柔らかな肌にしてくれます」(天野さん)
“天野肌”の夜ケアに欠かせないクリーム
▲コスメデコルテ リポソーム アドバンスト リペアクリーム 50g ¥11,000
1回の使用量に1兆個の美肌カプセルを詰め込んだ夜用クリーム。「夜の洗顔後はこれだけでも十分と思えるほどのスキンケア効果で、寝ている間に美容成分がじっくり入っていくので翌朝は熟睡した後のようなツヤ肌に。コクのある感触ですが浸透がとてもよく、クリームが苦手という人にこそ使ってほしい!」(天野さん)
天野佳代子さんが表紙を飾った最新号の『美的GRAND』では、天野メソッドをさらに詳しく紹介しています。ぜひチェックしてみてください!
▲『美的GRAND』2022年 秋号 ¥1,260
●この特集に使用した商品の価格はすべて、総額(税込)価格です。
構成/片山幸代
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