レンジの汚れを放置しておくと、こびりついて発火の恐れも
電子レンジ庫内の汚れは、すぐに水ぶきすれば簡単に落とせますが、放置すると電子レンジの中で繰り返し加熱され焦げついたりして、落としにくいガンコな汚れになってしまいます。イヤなニオイも残ってしまうことに。
また、汚れやニオイだけではなく、電子レンジを使っているときに、庫内に残っている食品のカスや汚れから発煙したり、発火したりする事故も発生しています。特に、ターンテーブルがあるタイプの電子レンジでは、庫内側面にあるマイクロ波の出口カバーに汚れがついていると、発火するおそれ*¹ があるようです。
そこで今回は、正しい電子レンジの掃除方法について、ライオン株式会社 リビングケアマイスターの杉本美穂さんに教えていただきました。
*¹ 平成27年3月19日 独立行政法人国民生活センター 報道資料「電子レンジ庫内の発煙・発火 ―庫内の汚れの付着や食品の加熱しすぎに注意―」より
お手入れ前に、まず電子レンジの「取扱説明書」を確認
「電子レンジは機種によって中の構造も材質も違うので、注意事項が異なります。必ず取扱説明書を確認してから行いましょう。手元に取扱説明書がないときは、家電メーカー各社のホームページに取扱説明書をダウンロードできるサイトがあるので、そこで確認してください。最近の電子レンジには、お手入れのためのコースが設定されているものもあるので、ぜひ活用しましょう」(杉本さん 以下同)
電子レンジのがんこな汚れは、ふやかして落とす
1.マグカップに水を入れて、蒸気が出るまであたためる
「自動あたため機能では、沸騰する前に止まってしまいます。十分に蒸気を出すために、自動あたためを2回ほど繰り返し、沸騰するまで水をあたためます。外部から見て、水蒸気で扉がくもっていたらOK。ヤケドをするおそれがあるので、途中で扉を開けたり、マグカップに触ったり覗き込んだりするのはやめましょう」
2.電源プラグを抜き、扉を閉めたまま20分ほどおく
「蒸気が庫内のこびりついた汚れをふやかすように、そのまましばらくおいておきます。こうすることで、あたためられた汚れがゆるみ、落としやすくなりますよ」
3.やわらかい布で水ぶきする
「あとは、底面、側面、天井面に浮き出た汚れを、やわらかい布でふき取るだけで終了」
「この電子レンジの庫内は、こんなに汚れていました!」
外せる「回転トレイ」などは外して洗う
「『回転トレイ』などの外せる部品は、食器用洗剤とやわらかいスポンジで洗います。スポンジは硬い面を使うと傷がついてしまうので、やわらかい面を使うようにしましょう」
「トレイの焦げつきは、クリームクレンザーと丸めたラップを使って、やさしくこすって落とします。ラップは金属たわしなどよりやわらかく、傷がつく心配が少ないうえ、クレンザーの中の研磨成分を効率的に活用してみがけるのでおすすめ。すすいだあとは、よく水気をふき、乾かしてからセットしましょう」
ドアの外側やハンドル部は、水拭き+キッチン用アルコール除菌スプレーで清潔に
「やわらかい布で水ぶきします。ハンドル部などは、乾いたキレイなやわらかい布にキッチン用アルコール除菌剤をスプレーしてふき取ると、ベタつき汚れもすっきり落とせます」
汚れは放置するほど、こびりついてしまうので、普段から、使用後の「サッとひとふき」を心がけて、電子レンジを清潔にしておけると良いですね。調理で蒸気が充満したあとにサッとふいておく「ついで掃除」も、汚れをためないひと工夫だそうです!
ライオン株式会社 リビングケアマイスター
杉本美穂
家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験。毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすく伝えている。