Q:老後破産ってなんですか? 気をつけることは?
答える人/井戸美枝さん(ファイナンシャルプランナー)
A:定年後の自己破産。気軽な借金と病気治療が2大要因です
定年退職してから自己破産すること。多くの場合、原因はお金に関する知識不足が招いています。
パターンはふたつ。ひとつは、収入が減って(なくなって)いるのに、借金をしてしまうパターン。簡単なカードローンやリボ払いなど、気軽に手を出したものがだんだん回数を重ねて大きくなり、返せなくなってしまう老人が多いのです。これは、住宅ローンが支払えないという人よりも、多いのが事実です。
もうひとつは、病気の治療による破産のパターン。保険適用の治療ならまだよくて、高額療養費制度(自己負担の限度を超えた場合に、お金が戻ってくる)もあるし、そこまで高額にならないはず。危険なのは、民間療法にハマって高額な金額を払わされるケースです。これもきちんと知識を得て、情報を確認すればわかることなのに、被害は後を絶ちません。
人が生きていくうえで、税金と社会保険の知識は絶対に必要です。せっかくお金を貯めても、無知が原因で、老後に失ってしまうことがないようにしたいものです。
ファイナンシャルプランナー
井戸美枝
CFP®、社会保険労務士。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題をわかりやすく解説。社会保障審議会企業年金部会委員。「難しいことでもわかりやすく」をモットーに数々の雑誌や新聞で執筆。近著に『100歳までお金に苦労しない定年夫婦になる!』(集英社)、『 大図解 届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)
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