「能動的」とは?基礎知識を簡単に解説
能動的の読み方は「のうどうてき」です。「みずから他へとはたらきかけるさま」を指します。使い方は、「能動的な行動」「能動的に取り組む」「能動的な人」などです。
はじめに、能動的とはどのような言葉かを簡単に解説します。詳しい意味や能動的になるメリット、反対の意味の言葉である「受動的」の意味とメリット、使い方・例文を確認していきましょう。
■意味は「自分から他へはたらきかけるさま」
【のうどう‐てき能動的】
(形動)自分から他へはたらきかけるさま。「―な人」「―に振る舞う」⇔受動的。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
能動的とは、「自分から他へはたらきかけるさま」のことです。能動的な人は、他人からいわれて行動するのではなく、自分で考えて物事に取り組みます。
もしも相手から誘われてから「行きたい」と思って参加した場合には、能動的とは表現しません。あくまでも、他人からではなく自分からの行動である場合に使います。
ビジネスシーンでは、能動的に取り組む人のことを、仕事ができる人だとして評価されることがあるものです。能動的な人は、問題や課題を考え発見し、解決へと導いたり、やるべきことを探しててきぱきと業務をこなしたりします。
■能動的になるメリット
能動的になるメリットは、以下のとおりです。
・自己成長を促進できる
・問題解決能力が向上する
・時間を最大限に活用できる
・周囲から期待されやすいため、チャンスが巡ってくる機会が多い
・自然とリーダーシップを発揮しやすい
・将来に向けて、しっかりした基盤づくりができる
能動的であることで、どのようにすればうまくいくのかをしっかりと考えられます。自分の立ち回りや行動を試行錯誤しつつ、自己成長を促進できるのがメリットです。また、問題に対して柔軟にアプローチできるようになり、問題解決能力の向上が期待できます。
能動的に考えた結果の最適化によって、時間を最大限に活用できるようになるため、高いパフォーマンスを発揮しやすいことなどもメリットです。
■反対の意味の言葉は「受動的」
能動的の反対の意味を持つ対義語表現は「受動的(じゅどうてき)」です。受動的とは、「自分の意志からでなく、他からはたらきかけられて行動するさま」を指します。また、「受動」とは「他からのはたらきかけを受けること」です。
能動的との大きな違いは、自分と他とのはたらきかけの方向性です。自分からはたらきかけることを能動的、他からはたらきかけを受けることを受動的といいます。
■受動的な思考にもメリットがある?
ビジネスシーンなどでは、能動的であることを評価されやすいです。しかし、受動的な思考にもメリットがあるといわれます。
受動的な思考や行動とは、何かをいわれたり何かが起こったりしたとき、それに対応することを指します。たとえば、顧客の苦情にすぐ対応することなどです。
受動的思考を取り入れることで、以下のメリットがあります。
・問題をそのつど解決できる
・将来起こるかもしれないことよりも、目の前の仕事に集中できる
・他者のニーズに応えられる
このように、能動的であることだけではなく、受動的であることにも、また異なるメリットがあるのです。
■能動的や受動的の使い方・例文
能動的や受動的の使い方を、簡単な例文で確認していきましょう。
〈能動的を使った例文〉
・今回の採用活動では、能動的に行動できる人を選びたい。
・彼は能動的にボランティア活動をおこなっている。
・転職先の企業では、早く業務を覚えられるように、能動的に行動しようと思う。
〈受動的を使った例文〉
・彼女は受動的な性格で、人にあわせがちである。
・この件に関しては、当社はA社からの指示に従う受動的な立場だ。
能動的と似た意味を持つ2つの類語・言い換え表現
能動的と似た意味を持つ類語・言い換え表現は、以下のとおりです。
・積極的
・主体的
また、「自発的(じはつてき)」や「自主的」も、能動的と似た意味を持つ表現です。自発的とは、「自分から自然に物事をおこなう様子」を指します。他からの指示などによる行動ではないことは能動的と同じですが、能動的とは違って他者にはたらきかける意味はありません。
自主的とは、「なすべきことを自分の意思に基づいておこなうさま」のことです。こちらも、他人からの指図や干渉によらない行動であることが似ています。
それでは、能動的と似た意味を持つ類語・言い換え表現をさらに確認していきましょう。
1.積極的
「積極的(せっきょくてき)」とは、「進んでことをしようとするさま」のことです。「積極」とは、「意欲的に行動すること」「対象に進んではたらきかけること」を意味します。
物事に前向きな姿勢で、他からのはたらきかけに関係なくみずから進んで物事をおこなうときに、積極的だと表現します。また、他者へはたらきかける場合にも使用可能です。
2.主体的
「主体的(しゅたいてき)」とは、「他から強制されるのではなく、自分の意志・判断に基づいて行動する様子」です。他人からの強制以外に、盲従した結果や衝動的なものによる行動も、主体的とはいいません。
また、能動的や積極的と違って、主体的という表現には他者にはたらきかけるという意味はありません。使い方は、「主体的にアプローチする」などです。
能動的という言葉の意味を理解しよう
能動的とは、「自分から他へはたらきかけるさま」のことです。能動的になるメリットには、自己成長を促進できること、問題解決能力が向上すること、時間を最大限に活用できることなどがあります。
また、反対の意味を持つ対義語表現は「受動的(じゅどうてき)」です。能動的との大きな違いは、はたらきかけの方向性が自分と他者のどちらからなのかです。
似た意味で使われる類語・言い換え表現は、積極的や主体的などがあります。ただし、それぞれの言葉で異なる部分もあるため、違いを理解して使い分けるようにしましょう。
意味や使い方・例文、関連語などを確認し、言葉を正しく理解しましょう。
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