「排他的」とは?
排他的とは、「自分や自分につながりのあるもの以外は、しりぞける」という意味の語句です。人の性格を表す場合や、国・企業・組織などの傾向を表す場合などに、よく使われている言葉であるため、正しい意味を把握しておく必要があるでしょう。
デジタル大辞泉では以下のように解説されています。
【排他的】
排他の傾向があるさま。「―な土地柄」
(引用〈小学館デジタル大辞泉〉より)
排他的の意味、読み方、語源をくわしく解説します。
■排他的の意味と読み方
排他的とは、「自分や自分の関係者、自分の所属している組織の人間以外を排斥してしりぞける」という意味の語句です。政治の世界では、「排他的経済水域」、経済の世界では「排他的条件付取引」「独占排他的権利」などの語句が使われることもあります。
ビジネスにおいて、これらの専門用語を覚えておく必要はありませんが、排他的という言葉の意味を理解しておくことは必要でしょう。排他的の読み方は「はいたてき」です。
■排他的の語源
排他的の語源は、「排」と「他」という2つの漢字です。「排」には、「邪魔になるものを押しつけて取り除く」という意味があります。「排除」「排斥」などの熟語も、この「排」という漢字の持っている意味が含まれた言葉といえるでしょう。
「他」は「別のもの」という意味の漢字です。「排」と「他」とが合わさって、「別のものを取り除く」という意味から、排他という言葉が生まれたと考えられます。「的」は「そのような性質を持ったもの」という意味です。
つまり「排他的」は、自分とは関係ないものを排除する性質を表す言葉といえます。
「排他的」を使った例文
排他的は、政治や経済だけでなく、日常会話やビジネスでも登場する言葉です。人や組織の傾向を表す際に使われることもあるため、覚えておくと便利な語句といえるでしょう。
【例文】
・我が社はこの地域のいくつかの製品について、排他的販売権を持っています。
・彼は排他的な性格の持ち主であり、他人を信用しないため、彼の会社の役員を務めているのは、親族と昔からの友達だけです。
・彼が転職して入った会社は、以前勤務していた会社の排他的な雰囲気とはまったく違う、オープンな社風があるため、彼には向いていると思います。
「排他的」の類義語・類似表現3つ
排他的には類義語・類似表現がいくつかあります。おもなものは以下の3つです。
それぞれの語句の意味、読み方、例文を解説します。
1.閉鎖的
閉鎖的とは、「自分や仲間うちの殻にこもって、外に出ないさま」という意味の語句です。自分とは異質な他者との交流を拒絶するという点では、排他的と共通する部分もあります。
排他的が「押してしりぞける」のに対して、閉鎖的は「殻の中に閉じこもる」というニュアンスのあるところが違いといえるでしょう。閉鎖的の読み方は「へいさてき」です。
【例文】
・我が社の社長がいつも言っているのは、「閉鎖的な考え方を持った人間は成長しない」ということです。
・その学校は外部からのアドバイスや情報を一切受け入れず、閉鎖的なカリキュラムを維持しています。
2.独占的
独占的とは、「他を排してひとりじめするさま」という意味の語句です。独占的の読み方は「どくせんてき」です。