「幕間」ってどんな言葉?
普段、演劇や映画と接する機会が少ない方にとって、「幕間」はあまり馴染みのない言葉かもしれません。この「幕間」とは、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか。
また正しい読み方は、何なのでしょうか。本章では「幕間」の意味や読み方、誤読の例としての「まくま」、漢字の由来などを解説します。前提知識として覚えておきましょう。
「幕間」の意味・読み方
「幕間」とは、演劇において1つの幕が終わり、次の幕が始まるまでの間を示す言葉です。つまり演劇の舞台が準備中であり、幕が降りている時間のことです。辞書によると、以下のように解説されています。
演劇で、一幕が終わって、次の一幕が始まるまでの間。舞台に幕が下りている間。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
誤読に注意!
前述したように「幕間」は、「まくあい」と読みます。演劇に関連した言葉であり、一幕が終わって次の幕が開くまでの時間を指します。しかし「間」を「あい」と読む訓は、常用漢字表には載っていない非標準的な読み方です。新聞などでは通常「幕あい」と表記されます。
このことから、幕間を「まくま」と読んでしまうケースがあります。「まくあい」の項目で「まくまと読むのは誤り」と書かれている辞書もあります。
[補説]「まくま」とは読まない。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
漢字の由来
「幕間」という言葉の成り立ちを理解するために、構成要素である漢字を一文字ずつ考察してみましょう。まず「幕」は「芝居の一幕を指す」ものであり、「間」は「時と時のあいだ」を示します。従って「幕間」は「芝居の一幕が終わって、次の幕が始まるまでの時間」を示しています。「幕間」の表現は、「幕の合い間」が省略されて生まれたものです。
慣用句「幕間劇」とは
幕間から派生した言葉に、「幕間劇(まくあいげき)」という言葉があります。これは演劇において、本編とは別に挿入される短編の喜劇のことです。物語の主題とは独立しており、メインストーリーのシリアスな雰囲気を緩和させるための要素です。
演劇で、長い劇の間に挟んで演じる小喜劇。本筋と関係なく、重苦しい気分を緩和するためのもの。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
関連語句「間の手」とは
「幕間」において、「間」は「あい」と発音します。この読み方は、常用漢字表には掲載されていない訓読みです。そのため、馴染みが薄い言葉かもしれません。しかし、この「あい」という読み方を用いた言葉には、別の例も存在します。それが「間の手(あいのて)」です。