「安堵(あんど)」とは?
初めに「安堵(あんど)」という言葉の意味や使い方について、詳しく解説していきます。安堵は日常的に使用される言葉ですが、その本質や文脈によるニュアンスの違いを理解することが重要です。ここでは「安堵」の意味や例文について見ていきましょう。語句とともに、具体的な例文を覚えておくことで、誤用を避けられます。
「安堵」の意味
「安堵(あんど)」という言葉は、安心や安心感など、ほっとしている状態を表す言葉です。不安や心配が解消され、心に安らぎや喜びが生じる状態です。
例えば、試験の結果が発表されて合格したときや、家族の無事が確認できたときなど、思いがけない安心感やほっとした気持ちが湧き上がる場面では「安堵」の感情が生じます。なお「安堵」を辞書で調べてみると、以下のように解説されています。
[名](スル)
1.気がかりなことが除かれ、安心すること。
2.垣根の内の土地で安心して生活すること。また、その場所。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「安堵」の例文
「安堵」の使い方として、以下3つの例文を紹介します。
1.試験の結果が発表され、合格したことを知った彼女は、深い「安堵」のため息をついた
2.激しい嵐が去り、家が無事であることを確認した彼は「安堵」の表情で家族に報告した
3.長い手術が成功裏に終わり、医師からの良い知らせを受けた家族は、医療スタッフに感謝と「安堵」の言葉を述べた
「安堵」の類語・関連語は?
「安堵」のように、安心した気持ちを表現する言葉は、他にもさまざまな表現があります。例えば安心や一安心、気休めといった言葉です。いずれも精神が安定している状態を指す言葉ですが、言葉によってはニュアンスが異なる場合もあります。本章では、安堵の類語・関連語として3つの語句を解説します。安堵と合わせて覚えていってください。
安心(あんしん)
「安心」という言葉は、安堵と同様に、心理的な状態や感情を表す言葉です。一般的に、安心とは内心の不安や緊張が和らぎ、心が落ち着いて安定している状態を指します。安心することで、心地よい感覚や安定感を得られるでしょう。安心感は個人によって異なり、状況や文化によっても変化します。安心感は、精神的な健康や幸福感にとって重要な要素であり、ストレスの軽減や心の安定につながります。
一安心(ひとあんしん)
「一安心(ひとあんしん)」とは、特定の状況や心配事が解決したり、予想通りの結果が得られたりして、安心感が生じたことを表す言葉です。何か不安や心配事があった場合、それが解消されると「一安心」の状態になります。一般的には、一時的な安堵や喜びを表現する際に使われるでしょう。安堵よりも、より一時的な感情であることを強調するニュアンスを含んでいます。
気休(きやす)め
「気休め」とは、人々の心を落ち着かせたり、安心させるための手段や行為を指す表現です。しかし「気休め」と表現する場合、その手段や行為が根本的な解決に至っていない状況を表します。人々を一時的に安心させるだけであり、問題がしっかり解決したことを示す「安堵」とは、ややニュアンスが異なります。
例えば、仕事でのトラブルがあったときに、上司が「大丈夫だ、心配するな」と声をかけるケースです。この場合、上司が大丈夫と発言しても、問題を解決したことにはなりません。部下の心を一時的に安心させるための「気休め」として声をかけていると考えられます。
「安堵」を使った慣用句
安堵を使った慣用句は複数、存在します。例えば「安堵状(あんどじょう)」や「安堵奉行(あんどぶぎょう)」などです。どちらも歴史に関連した言葉であり、前者は領主や幕府が公認した土地を記した文書のことです。後者は幕府の役職名を意味します。いずれも日常生活やビジネスシーンで使われることは少ないものの、覚えておいて損はありません。
安堵状(あんどじょう)
「安堵状(あんどじょう)」とは、中世(鎌倉時代〜室町時代)における文書のことです。安堵状に記載された土地は、幕府・領主によって、土地の所有権や知行権などが公認されていることを示しています。なお辞書で「安堵状」を調べると、以下のように解説されているため、合わせて確認してください。
中世、土地の所有権・領有権・知行権などを幕府・領主が公認したことを記した文書
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)