仕事がはかどり、機嫌もよくなる。ワーママ1年半のお金のかけどころ
子供が生まれたら金がバシバシ出て行くぞというのは覚悟していたのですが、先日去年1年分の使ったお金を確認したら、まじで産む前の1.5倍になっててひっくり返りました。「金が出て行くっていったって、これまで飲み歩いてたお金はぐっと減るからそこまで変わらないのでは」と思っていた私がアホだった。 しかしながらお金を使ったことはさほど後悔していなかったりします。育児が大変な3歳までは、ちょっとでも楽になったりテンション上がったりするものには金を使う、赤字出してでも使う、そのための独身時代の貯金だと妊娠中から決めていたからです。これは20代で人の助けをあまり借りずに介護をした時メンタルが不安定になった経験から生まれたメンタル壊さないための予防法(まあおかげさまで去年だいぶ働いたけど貯金は一切増えませんでした)。
イラスト/犬山紙子
さて、金を使いまくって1年半。振り返ってもっとも有意義な出費は、保育園代、そして週2回、2時間の家事代行サービス(時給1250円!)です。お風呂掃除やトイレ掃除から解放されて、水回りが日々綺麗で、週2で家が片付いている状態があるってほんと精神衛生に良い。その間の私の仕事のはかどりぶりもやばい。今年から週3に増やしたほどです。 そして私が自分で自分の機嫌をとるべくする出費が「外でランチを食べる」。
朝起きた時に「今日はあれをしよう、楽しみだな」ってのがひとつは欲しいんですよ。ワクワクして起きるとその日のパフォーマンスかなり良くなりますし。どうせなかなか夜はおいしいご飯を食べに行けないし、と言い聞かせ、昼に化粧を施してちょっとしたオシャレをしてPC片手に出かけるわけです。これだけで食欲、オシャレ欲(めんどくさい時はTシャツにHYKEのパンツ)、メイク欲(めんどくさい時はすっぴんメガネにケイトのCCリップ)が満たせるんだから最高です。たまに「高いのに量が少ないしあんまおいしくない!」みたいな店にぶち当りテンションが下がりそうになるのですが、そういう日は夜に家でワインを飲むという楽しみに切り替えます。こちとら2年間酒を我慢した身、安ワインでも神の雫に感じられる舌になっとりますから。
でも、ランチに行けない日もある。体調をくずしていることもザラにある。そんな時のストレス解消がネットショッピング。その内訳はGUとプチプラコスメと雑誌の付録。 GUは出産してからデビューしたのですがパンツと靴とインナーが優秀すぎて。特に靴。セールで1000円切ってる白いサンダルをゲットしたのですが、まー歩きやすいわかわいいわ。脱いだ時に「GU」って書いてないとか履く人の気持ちわかっていすぎ! 今さらだけどファーストリテイリング社の株買いたい。 そしてプチプラコスメです。何がいちばんコスパ良く私をワクワクさせるか? と考えたらキャンメイクという解が出たんですよ。70になってもキャンメイク買う自信しかないですもの。 そして雑誌(付録目的で!)。メイクパレットとかそんなに使わないくせにどんどん買っちゃう。ちなみに散々買った結果、雑誌の付録で買いなのはメイクブラシという結論に。今日も今日とてちまちまと散財していますが「買い物依存になるのでは」という恐怖はありません。いつか子育てが楽になったら今我慢しているRPGばっかりするのが目に見えてますから……。
私、子ども欲しいかもしれない。/¥1,300 平凡社「子供は欲しいけど、実際どうなの?」出産前の犬山さんが育児体験者の話を聞いて、〝どうしよう〟をとことん考えた「出産・育児」のリアル。母親の本音が炸裂です!
コラムニスト
犬山紙子
1981年生まれ。『負け美女』(マガジンハウス)でデビュー。人間観察の名手として注目を浴びる。ユーモアあふれる表現で女子の生態をつづった著書多数。2017年1月に出産、一児の母に。オフィシャルLINEブログやインスタグラム@inuyamakamikoでも日常を発信中。
Domani2018年8月号 新Domaniジャーナル「ピッカピカの! ワーキングマザー一年生」 より
本誌取材時スタッフ:イラスト/犬山紙子 構成/佐藤久美子