「量産型」とは大量生産前提の製品のこと
「量産型」の「量産」とは、同一規格の製品を大量に造ることです。製造現場では、主にコスト削減を目的に製品が量産されます。マスプロダクションとも呼ばれ、品質やデザイン、コストなどを確認する「試作」を経た次段階を意味する言葉です。
「量産型」と呼ばれる製品は、初めからこの「量産」を前提に造られます。製造業において重要となるのは、量産型製品に試作時の意図が正確に反映されているかという点です。
試作と量産では、用いる工法や材料に違いがあります。試作で使用できた金型も、大量生産では品質が維持できない可能性があるためです。
モノを造り市場へと流通させる製造現場では、限られたコスト内で品質の良いものを造る「量産型」が可能となることで、初めて製品化が実現するといえます。
「量産型」以外の「量産」を使った語句
「量産」という言葉は、「量産型」以外に以下のように用いられます。それぞれの意味や使い方について詳しくみていきましょう。
量産体制
「体制」とは、物事が統一され、組織された様子を意味する言葉です。持続的な状態を表すことから「量産体制」は量産できる状態が整っていることを意味します。
以下のように、製造現場などで用いられることの多い表現です。
・我が社は、効率的かつ高品質な製品を提供するための量産体制を整えています
「量産体制」と似た言葉には「量産態勢」が挙げられます。
「態勢」とは、物事に対する構えや準備を意味する言葉です。「体制」が持続的な状態を表すのに対し、「態勢」は一時的な構えを意味するという違いがあります。
そのため「量産態勢」は以下のように、一時的な対応として用いられるのが一般的です。
・打者は1試合にホームランを2本打つなど、今年のホームラン王奪還に向けて量産態勢に入った
・このままでは生産が追い付かないため、急遽量産態勢に入らせてもらう
量産品
「量産品」は、「量産型」と似たような意味合いをもつ大量に生産された製品のことです。
「量産品」の多くは、フォードシステムで造られます。フォードシステムとは、1910年代にフォード自動車会社が実施した大量生産方式のことです。製造工程を細分化し、ベルトコンベヤーによる流れ作業で生産することで、生産効率向上とコスト削減を実現しています。
量産化
「量産化」とは、量産できる状態に変えること、変わることを表す言葉です。製品を市場に流通させるには、製品そのものを量産化に適応させる必要があります。
量産化において重要なのは、製品の品質を維持することです。そのために、量産の前段階では試作が繰り返されます。
「量産」の対義語
「量産型」の対義語は「試作型」になります。「試作」とは、本式を制作する前に試しに造った製品や、その行為そのものを指す言葉です。前述したように、試作は量産の前段階に行われます。