Tシャツを洗濯すると、干した後にシワが気になることはありませんか? アイロンがけを避けるためにも、シワを作らない干し方を知ることが肝要です。適切な洗濯の仕方やハンガーの選び方を工夫するだけで、アイロンなしでもスムーズな仕上がりに。この記事では、創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんにシワを防ぐ干し方のコツや、洗濯・収納のポイントまで、忙しい日常でもすぐに実践できる方法をお聞きしました。早速、紹介していきましょう。
なぜ、Tシャツはシワになるのか? 原因を知ろう
Tシャツのシワを防ぐためには、そもそもシワが発生する原因を理解することが肝要です。適切な対策を取るには、どのような仕組みでシワができるのかを知ることが重要になります。
繊維の性質によってシワができやすい素材がある
Tシャツの素材によって、シワのつきやすさは大きく異なります。例えば、綿は吸水性が高いため、洗濯時に水を含むと繊維が膨らみ、乾燥すると縮んでシワができやすくなります。
一方、ポリエステルはシワになりにくい性質を持ちますが、高温で乾燥させるとシワが固定されることもあります。レーヨンなどのデリケートな素材は、濡れると強度が落ち、シワが深くなりやすいです。素材ごとの特性を理解することが、シワを防ぐ第一歩となります。

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洗濯中の摩擦や絡まりがシワを深くする
Tシャツは洗濯機の中で他の衣類と絡み合い、回転時の摩擦によってシワが生じます。特に、洗濯物を詰め込みすぎると衣類同士が押し付け合い、深い折り目がつきやすくなります。洗濯機の容量の7〜8割を目安にし、適切な水量を確保することが、シワの発生を防ぐポイントです。
脱水の強さがシワを作る原因になる
強い脱水をかけると、Tシャツの繊維がぎゅっと縮み、シワが定着しやすくなります。特に、脱水時間が長いと繊維の折れ目が深くなり、そのまま干しても元に戻りにくくなります。シワを防ぐには、「弱脱水」や「短時間脱水」に設定するのが効果的です。
乾燥中の水分バランスがシワの原因に
Tシャツは、濡れているときに形が変わりやすく、乾燥しながらその形が固定されます。シワがついた状態で乾燥すると、そのまま定着してしまうため、洗濯後のタイミングでしっかり形を整えることが大切です。また、干す際に水分が均等に蒸発しないと、部分的に乾きが遅くなり、シワが残りやすくなるため、風通しのいい場所で均等に乾かす工夫が必要です。
シワにならない干し方のコツとは?
正しい干し方を実践することで、Tシャツのシワを防ぐだけでなく、型崩れも防げます。ここでは、簡単にできるシワ防止のコツを詳しく紹介しましょう。
干す前にTシャツをしっかり整えるのが基本
シワを防ぐには、干す前の準備が肝要です。洗濯機から取り出したら、すぐにTシャツを軽く振り、手のひらで叩きながら整えます。特に、縦方向と横方向に軽く引っ張ると、繊維の歪みが取れ、干したときにシワがつきにくくなります。乾燥時にシワが定着するのを防ぐため、このひと手間を省かないようにしましょう。
ハンガーは厚みがあり、肩幅に合ったものを選ぶ
薄いワイヤーハンガーを使うと、Tシャツの肩部分に跡がつきやすくなります。特に、肩幅に合わないハンガーを使用すると、乾いた後に型崩れや折れ跡が残る原因になります。Tシャツの形を綺麗に保つには、厚みがあるハンガーを選ぶことが重要です。木製やクッション付きのハンガーなら、生地に負担をかけず、シワもつきにくくなります。

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風通しを確保し、ムラなく乾燥させる
Tシャツが重なり合っていると、湿気がこもり、乾燥ムラができやすくなります。これがシワの原因になるため、干すときは必ず適度な間隔を空けることが大切です。特に、部屋干しをする場合は、サーキュレーターやエアコンを活用すると、空気の流れができ、ムラなく乾燥できます。速く乾くことで、生地に折り目がつくのを防ぎ、よりシワのない仕上がりになりますよ。
シワを防ぐ洗濯方法も合わせてチェック!
Tシャツのシワは干し方だけでなく、洗濯の段階から防ぐことができます。適切な洗濯方法を取り入れるだけで、シワの発生を大幅に減らすことが可能です。ここでは、実践しやすい洗濯のコツを紹介します。
洗濯機の設定を見直してシワを防ぐ
洗濯コースの選び方によって、Tシャツの仕上がりが大きく変わります。「標準コース」では水流が強く、衣類同士が絡まりやすいため、シワの原因になりがちです。シワを抑えるには、「ドライコース(手洗いモード)」や「おしゃれ着洗い」を選ぶと、優しい水流で繊維が傷みにくくなります。
また、脱水を弱める設定にすることで、繊維の縮みを防ぎ、干した際にシワが伸びやすくなりますよ。