「肩身が狭い」ってどういうこと?
初めに「肩身が狭い」の意味を確認しましょう。何となく知っているけれど正確な意味は調べたことがないという人もいるかもしれません。例文と一緒に、肩身が狭いと感じやすい状況や言い換え表現も紹介します。

「肩身が狭い」の意味
肩身(かたみ)が狭いとは「世間や周囲からの評価が落ちて気後れすること」です。「肩身」はもともと体の一部を指す言葉ですが、「世間や他人に対する面目(めんぼく)」という意味でも使われます。
面目は「社会的な立場や名誉、世間や周囲からの評価」をいうので、肩身が狭いとは「面目が立たない、周囲からの評価が低くて体が縮こまるような気持ち」となります。
たとえば、大きな失敗をして申し訳なさを感じているときや、強い劣等感で気後れしているときに、のびのびと振る舞えない心理のことといえるでしょう。
肩身が狭・い
世間に対して面目が立たず、ひけめを感じる。「お古の制服で―・い思いをした」
引用:小学館 デジタル大辞泉
「肩身が狭い」と感じやすい状況
一般的に「肩身が狭い」と感じるのは、周囲から孤立したときや成果を出せていないときが多いようです。仕事・家族・友達関係でよくあるパターンを例文で紹介します。
肩身が狭いと感じるのは、本人が世間や周囲から低く評価されていると受け取り、申し訳なさや劣等感で自信を失っている状況といえるかもしれません。
「肩身が狭い」の言い換え表現
よく使われる肩身が狭いの言い換え表現として、「恥ずかしい」「身の置きどころがない」の意味と使い方を見ていきます。
「恥ずかしい」は、周囲の評価を気にして自分を責める心理で、相手や周囲に比べて自分が劣っていると感じるときに抱く感情です。「身の置きどころがない」は、その場にいるのがつらくて耐えられない感覚をいいます。
なぜ「肩身が狭い」と感じるの?
誰でも一度や二度は「肩身が狭い」と感じたことがあるかもしれません。劣等感が生み出す自己否定や同調圧力といった、肩身が狭いと感じてしまう理由として代表的とされるものをそれぞれ簡単に見ていきます。

劣等感が強くて自分を肯定できない
肩身が狭いと感じる理由の一つは、その人が持つ劣等感といえるようです。たとえば、収入や社会的地位、プライベートなどについて「他の人と比べて自分は劣っている」と考えている人は、肩身が狭いと感じやすくなるかもしれません。
つまり、同じ状況に置かれても肩身が狭いと感じるかどうかは、その人の価値観や考え方に左右されるであろうということ。
特に、自己肯定感が低かったり人目を気にする性格だったりすると、肩身が狭いと感じる傾向が強いとも考えられています。
同調圧力で自分の意見が言えない
世間や周囲からの同調圧力も、肩身が狭いと感じやすくなる理由として挙げられるといえます。同調圧力とは、集団内で多数派の意見に合わせるよう無言の圧力が働く現象のことです。
一般的に日本文化では「和」を重んじる傾向が強く、同調圧力も強いといわれています。同調圧力がうまく働けば、周囲に迷惑をかけたくないと頑張る姿勢や、互いに配慮し合うチームワークの高さにつながることも珍しくありません。
一方で圧力が強過ぎると、周囲と違う発想や行動を禁止する力や、メンバーが周囲と自分を常に比べて劣等感を持つ傾向を生むといえるでしょう。肩身が狭いと感じるのは本人の考え方というだけでなく、そのグループの価値観が影響している可能性もあります。
「肩身が狭い」ときに心を軽くする方法
肩身が狭い状態が続くのはつらいもの。もし肩身が狭くなってしまったらどうすればよいのか、心を軽くするためのヒントを紹介します。問題解決のための参考にしてみてください。
失敗は誰にでもあると考える
何か失敗して肩身が狭いと感じるときは「完璧な人間はいない」と考えることで心が軽くなる場合もあります。
失敗をして落ち込むのは自然なことですが、自分を責め過ぎても余計に落ち込むだけです。ミスは誰にでもあるので、それを今後に生かす方法を考えると前向きになれるでしょう。
家族でも友人でも身近な信頼できる相手がいるなら、相談する方法もあります。つらい気持ちを分かってくれる相手に話すことで、心が軽くなるかもしれません。
自分と他人を比べ過ぎない
他人と比べて自分がどうであるかばかり気にしていると、しばしば自分の劣っている部分ばかりに目が向いてしまいます。
劣等感をバネに頑張れるならプラスになりますが、比較するのが苦し過ぎてつらいならもう止めた方がよいというサインとも考えられます。
他人との比較を止めるには、他人が持っているものではなく自分にあるものに意識を向けるのがポイントです。現在と過去の自分を比べた方が、成長や変化を実感しやすくなるでしょう。
自分にできることを考える
劣等感の原因はルックスや成績、あるいは何かの失敗で周囲に迷惑をかけたことかもしれません。
いつまでも自分を責めてしまうなら、今の自分にできる行動を考えることで、意識を前向きに切り替えやすくなると考えられます。失敗から学んだことを今後の行動にどう生かせるか、具体的なプランを立てるのがおすすめです。
一方、同調圧力を気にして無理し過ぎているなら、自分のできることの限界を見極めて、それ以上は同調しないか他の人に助けを求めるのがよいでしょう。
まとめ
-
申し訳なさや劣等感で自信を失っているときは、肩身が狭いと感じやすい
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日本の社会は同調圧力が強いとされ、肩身が狭く感じやすい環境ともいえる
- 肩身が狭くてつらい人は、自分にできることを考えて行動してみよう
肩身が狭いと感じているときは視野が狭くなりがちです。もし自分には何もないと感じているなら、まずは信頼できる相手に話を聞いてもらい、自分の長所やできることを教えてもらうとヒントがつかめるかもしれません。
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Domani編集部
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