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2018.11.01

歯科医として「仕事がもっと楽しくなった」そう語る理由は…女・妻・母~今月の女:照山裕子さん

女として、妻として、母として、それぞれのステージで働く女性の生き方をクローズアップ。Domaniで連載中の魅力あふれる女性たちの姿をお届けします!

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口腔がん患者さんから聞いた、涙ながらの言葉に心を突かれて、予防歯科の周知に力を注いでいます。

今月の女:照山裕子さん
歯学博士・高輪オーラルケア院長・43歳

“幸せのものさしは自分で決める”をモットーにしています

「はい、お口を開けて歯を見せてください」優しくも、凜とした口調で患者を促す照山さん。きびきびと手際よく治療を進める彼女は、仕事に対してとことんストイックで、学究肌だ。歯科医として1日20人前後の患者に精力的に診療を行うかたわら、あいた時間で論文に目を通し、休日は時間のゆるす限り学会やセミナーに足を運ぶなど、自己研鑽にも余念がない。そんな彼女が専門としてきたのは、口腔がん手術などで生じた欠損部分を再建する“顎顔面補綴学(がくがんめんほてつがく)”という特殊な分野。

「手術で歯やあごの一部を失った患者さんの、機能回復治療を行う科です。安全域までがんを切除すると、進行によっては眼球や鼻まで取る場合も出てきます。顔の一部を損なうことで、生きる希望を失ってしまう人もいる。そこで、可能な限り手術前の状態に戻すことを目的とした治療の研究が行われているのです」

照山さんの歯科医療の原点は、かつて大学病院勤務時代、口腔がんであごを失った80代の女性患者となにげなく交わした会話にある。

「その患者さんの入れ歯をつくるとき、頼まれて少し明るい色にしたんですね。すると後日完成した入れ歯をつけて涙を流し“こんなにきれいな歯だったら、もっとたくさん笑えたのに。歯を失って苦しい思いをする人がいなくなるよう、私は生きて帰れるかわからないから先生が伝えてほしい”と、その言葉に衝撃を受けて…。80代になっても女性にとって口元の美しさは生きる力になるし、医師は事前にできることをすべきではと自然と疾病予防に関心が向きました。大学病院を退職してこれまでとは180度異なる環境に身を置き、口腔ケアの情報発信も開始しました。口内炎が2週間以上長引いたらほかの病気かもしれないことを、ぜひ広く知ってほしいのです」

いい治療を提供するために技術を磨いたことで、仕事がさらに楽しくなった。30代は“今日の処置はよかったのか”、考えて眠れないこともあったが、最近は治療に対する自分の中の正解がクリアになってきたと、うれしそうに語る。座右の銘は、相田みつをの“しあわせはいつもじぶんのこころがきめる”。

「高校時代、祖母の家のトイレのカレンダーにあった言葉なのですが、年齢を重ねるごとにわかる部分が増えてきています。たとえば仕事の充実感と恋愛で得るものを比較したら、もうどうしても仕事の充実感に向かってしまう世代なんですよ(笑)。晩年に思うことは違うかもしれないですが、でもやっぱり今は自分が置かれた環境で、仕事で精一杯取り組めることがあるのが、私にとってはとても幸せなことで。これからも手を抜くことなく、地道にがんばりたいと思っています」

Profile
てるやま・ゆうこ/1974年、埼玉県生まれ。日本大学歯学部卒業、同大学院で〝顎顔面補綴学〟を専攻し博士課程を修了。30歳で東京医科歯科大学歯学部附属病院回復系診療科に就職する。審美歯科やインプラントなど最先端の治療を学ぶため35歳で都内大手医療法人に転職。口腔ケアに対する意識を変えるべく情報発信も開始。初の著書『歯科医が考案毒出しうがい』(アスコム)は13万部を超えるベストセラーに。

Domani2018年8月号『女[独身]、妻[既婚子供なし]、母[子供あり]Catch! 働くいい女の「水曜15時30分』より
本誌撮影時スタッフ:撮影/真板由起(NOSTY) ヘア&メーク/今関梨華(P-cott) 構成/谷畑まゆみ

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