購入時期、投資する地域や対象による分類も
投資信託は、購入時期によって「追加型(オープン型)」と「単位型(ユニット型)」に分かれます。追加型はいつでも購入でき、単位型は決められた期間のみ購入可能です。
また、投資対象地域は「国内」「海外」「内外」に分類され、海外投資では、先進国は安定、新興国は高収益が期待できます。さらに、不動産や原油、貴金属などに投資するタイプもあります。どのタイプを選ぶかは、自分の投資目的に合わせて選択してくださいね。
投資先の銘柄を選ぶときのポイント
次に、資産をより効率的に増やせる、銘柄選びのコツを見ていきましょう。
販売手数料や運用費用を考慮して選ぶ
投資信託には、販売手数料や信託報酬(ファンドマネージャーへの報酬)、保管料などの運用費用がかかります。たとえ利益が出なくても、手数料や費用が返金されることはありません。
手数料が高いとその分、投資家の利益が減るので、できるだけ安い手数料の投資信託を選ぶのが重要です。信託報酬が安いからといって運用が悪くなる心配はなく、「ノーロード」と呼ばれる販売手数料無料の銘柄も検討してみましょう。
迷ったら市場平均に連動したインデックス型
株式投資信託には、「インデックスファンド」と「アクティブファンド」の2種類があります。
インデックスファンドとは、運用を「日経平均株価」などの市場平均に連動させるもので、ファンドマネージャーがメインとなって運用するアクティブファンドに比べ、信託報酬が安く設定されているのが特徴です。
アクティブファンドは、上手くいけば市場平均以上の利益を得られますが、高い運用費用を考えると、両者の差はそれほどないとされています。そのため投資初心者には、リスクの少ないインデックスファンドをすすめられることが多いでしょう。
初心者におすすめの証券会社
投資信託を始めるには、まず販売企業で専用口座を開設しなければなりません。投資信託は証券会社や銀行など、いろいろな場所で購入できますが、近年は販売手数料の安い「ネット型の証券会社」が人気です。
窓口まで出かける必要がなく、「24時間申し込める」ので、忙しい方や近くに証券会社がない方にも向いています。ただし、会社により取り扱う銘柄の数や得意分野など特徴が大きく異なり、自分に合う証券会社を探すのは容易ではありません。
ここでは安心して取引できる、初心者におすすめの証券会社を紹介します。
商品ラインナップが豊富「SBI証券」
「SBI証券」は数あるネット型証券の中でも、口座開設数トップの人気企業です。商品ラインナップが豊富で、取引ツールや、情報配信などのサービスも充実しており、多くの個人投資家から高い支持を得ています。
投資信託の取扱数も、ネット型証券ではもっとも多く、手数料無料のノーロード型の銘柄もたくさん揃っています。最近は「Tポイント」との連携を開始しており、投資金額に応じてポイントが貯まるほか、ポイントを投資に回すことも可能です。
10万円まで手数料無料「松井証券」
手数料の安さで人気なのが、「松井証券」です。投資信託の場合、購入時の手数料は消費税分を除き全額ポイントで還元してくれるので、実質無料となります。
ポイントはAmazonギフト券や商品と交換したり、投資信託の積立に充てたりできます。また、1日で売買が完結した場合、10万円まで手数料が無料になる「一日信用取引」を採用しており、投資信託以外の株取引を考えている方にもおすすめです。
取引きしながらポイントも貯まる「楽天証券」
楽天市場や楽天銀行を利用している方なら、「楽天証券」が使いやすいでしょう。楽天のアカウントがあれば最短30秒で口座を開設でき、取引額に応じて「楽天スーパーポイント」も貯まります。
楽天銀行の口座から即時入金できるので、ほかの銀行口座を持っていなくても大丈夫です。さらに、楽天銀行の利率が優遇されたり、楽天市場で買い物する際のポイント倍率が高くなったりなど、ほかのネット証券にはないメリットがたくさんあります。
ポイントで投資できるのはもちろん、スマホアプリなど、取引用のツールも充実しており、使いやすいと評判です。
楽天証券 | ネット証券(株・FX・投資信託・確定拠出年金・NISA)
取引手数料が安い「マネックス証券」
マネックス証券は、取引手数料が業界の中でも特に安いことで評判です。取引金額に応じて段階的に設定されているため、少額取引でもコストを抑えられ、初心者にとって安心です。手数料を気にせずに取引を始められる点が大きな魅力と言えるでしょう。
ツールが豊富な「auカブコム証券」
auカブコム証券は、多彩な取引ツールが揃っているのが特徴です。初心者向けのシンプルなツールから、上級者向けの分析機能まで豊富に用意されています。また、auユーザーには特別な優遇サービスがあり、使い勝手の良さが際立っています。
投資信託の取引きの流れ
最後に、口座開設から投資信託購入までの、実際の取引きの流れを確認しておきましょう。
銘柄を選定したら目論見書にしっかり目を通す
証券会社で口座を開設したら、次に投資する銘柄を選びます。証券会社の検索機能を使って、自分が興味を持てるテーマを探しましょう。最近ではAIやロボット、医療、エコロジー分野が注目されています。
テーマに迷ったら、流行の分野に投資するのも一つの方法です。選んだ銘柄の「投資信託説明書(目論見書)」には、投資方針やリスク、手数料、換金方法などが詳しく書かれています。しっかり内容を確認してから申し込みましょう。
口座を開設して購入の申し込みをする
口座開設時には、マイナンバーカードや通知カードなどの本人確認書類が必要です。ネット証券では、書類を画像でアップロードしたり、メールで送信することが一般的ですが、郵送も可能です。
口座開設後は銘柄を選んで代金を入金しましょう。入金にはインターネットバンキングやATMが使えますよ。特にネット証券では、即時入金ができるインターネットバンキングの口座が便利です。その後、取引報告書や残高報告書が定期的に届きます。
投資信託の注意点
投資信託を行う際には、いくつかの注意点があります。事前に把握しておくことでリスクを回避しましょう。
長期投資を意識する
投資信託は短期的な利益を狙うのではなく、長期的な視点で運用することが重要です。相場の変動に一喜一憂せず、時間をかけてじっくりと資産を育てましょう。長期の視点で安定した成長を目指すことが、投資信託の本来の使い方です。
手数料を比較する
投資信託には様々な手数料が発生します。購入時手数料、信託報酬、売却手数料などを事前に確認し、コストをしっかり把握することが大切です。手数料が高いと長期的なリターンに影響が出るため、できるだけ手数料の低い商品を選ぶことをおすすめします。
元本保証がない
投資信託は投資商品であり、元本が保証されるわけではありません。市場の変動によって元本割れのリスクがあるため、投資する際はリスクを理解し、自分のリスク許容度に合った範囲で運用することが重要です。
最後に
投資信託は、初心者でも始めやすい投資方法の一つです。この記事で学んだポイントを参考に、自分に合った証券会社や銘柄を選び、まずは少額からスタートしてみましょう。少しずつ知識を増やしながら、資産運用をしてみてくださいね。
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※2024年9月19日現在、取材時の情報です。