Q:住宅ローンは、頑張って繰上返済するべき?
答える人/丸山 晴美(節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナー・消費生活アドバイザー)
A:低金利の今は、急いで返済の必要はなし!
まずは、ご自身が借りている住宅ローン金利を調べてみましょう。住宅ローン金利が2%以上と高く、完済までの期間が長いほど繰上返済の効果が高いとされています。
これは私自身の経験ですが、18年前に金利2.75%、そこから10年後には4%になる住宅ローンを借りていました。そして、10年目になる前に住宅ローンを完済しました。住宅ローンに縛られない開放感はありましたが、その分貯蓄も減りました。しかし、今ふり返ってみると、高い金利を払うよりもさっさと完済してよかったと思います。
でも現在は、マイナス金利のお陰もあって、住宅ローンの借入金利は下がる一方です。私が借りていた当時には想像もできないくらいの低金利です。変動金利なら0.4%台です。しかも、しばらくはゼロ金利が続くのではと考えると、焦って繰上返済をする必要もないと思います。
その理由としては、子どもの教育資金など他に大事な出費があるのであれば、そちらを優先すべきだと考えるからです。また、団体信用生命に加入をしていれば、ローンを支払っている人に万が一のことがあると、ローンの支払いが免除されます。
注意すべきは、いくら先延ばしにしたとしても、自分がリタイアするまでには完済をさせること。退職金を使っての完済は老後の資金を目減りさせるのでおすすめしません。
節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナー・消費生活アドバイザー
丸山 晴美(まるやま はるみ)
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物取扱主任士(登録)、認定心理士、家庭の省エネエキスパート検定合格、調理師などの資格を持ち、食費や通信費など身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演等で行っている。
著書は「簡単!しっかり貯まる お金の基本」(宝島社)、「定年後に必要なお金「新・基本のキ」」(宝島社)など多数。公式HP「らくらく節約生活。」
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