標準範囲に入っていない場合は?
3~97パーセンタイルの範囲には、赤ちゃんの94%が該当するとされています。したがって、残り6%の赤ちゃんは、この範囲からはみ出すことになります。
赤ちゃんの体重がこの範囲より上だったり、下だったりすると、つい心配になってしまいますが、成長曲線に平行して推移しているようなら、ほぼ問題ありません。
ただし、成長曲線のカーブから大きく離れるように体重が増加したり、逆に減少したりするときは要注意です。定期健診で相談するか、小児科を受診することをおすすめします。
体重増加はどう推移する?
続いて、赤ちゃんの体重はどのように増えていくのか、増え方に個人差はあるのかなど、体重の推移について見ていきましょう。
1日当たりの体重増加目安
赤ちゃんの1日当たりの体重増加の目安は、月齢によって変わります。生後3カ月までは1日に25~30g増えますが、3カ月~半年では15〜20g、半年~1年になると10〜15gと増加量が減っていきます。ただしあくまでも目安なので、毎日体重を測定して、多い少ないと心配する必要はありません。例えば生後2カ月の赤ちゃんでは、20gしか増えない日もあれば35g増えたという日もあります。
体重増加のタイプ
身長や体重など、赤ちゃんの成長ペースには、当然ながら個人差があります。成長曲線のカーブと同じように育つ子もいれば、最初は上や下にはみ出していたのに、気がつくと標準範囲に収まっているという子もいます。
体重増加のペースは、主に以下の3タイプに分類されます。また、母乳やミルクを飲む量、離乳食の開始時期によっても変化するため、長期的な視点で見守ることが大切です。
・一般型:最初は急で、その後緩やかになる
・立ち上がり型:最初はさらに急で、途中から横ばいになる
・追いつき型:最初は緩やかで、途中から急に増える
生理的体重減少は問題なし
生後間もない赤ちゃんは、一時的に体重が減少することがあります。これは「生理的体重減少」と呼ばれ、母乳やミルクを飲む量よりも、おしっこやうんち、汗による排せつ量が多いことが原因です。
生後数日は「生理的体重減少」によって、出生時の体重から3~5%程度減ってしまうこともありますが、母乳やミルクを上手に飲めるようになれば、再び増え始めます。生後2週間くらいで、出生体重を超えていれば心配ありません。
体重の量り方
赤ちゃんの体重はいつ、どのようにして量ればよいのでしょうか?体重測定の頻度や、方法を見ていきましょう。
体重測定の頻度
赤ちゃんの体重は、月に1回程度測定するのが目安です。測定したら、母子手帳の成長曲線の該当月齢のところに印をつけていくと、赤ちゃんの成長を実感できます。母乳が足りているか不安なときなどは、測定頻度を増やしてみましょう。
市区町村の検診を利用する
赤ちゃんの体重を正確に測定するには、寝かせたままで測定できる、専用の体重計が必要です。お住まいの自治体で実施している乳幼児健診や身体測定会、育児相談の会場には体重計が用意されており、無料で測定してもらえます。
生後4カ月頃までの、外出が難しい時期には、保健師が自宅に訪問して、赤ちゃんの発育状況をチェックしてくれるサービスもあります。体重測定だけでなく、専門家から育児についてアドバイスをしてもらえるチャンスでもあるので、有効に活用しましょう。
ベビースケールを使用する
「ベビースケール」は、生後4カ月頃までの赤ちゃん専用の体重計です。自宅にベビースケールがあれば、いつでも体重を量れます。
例えば母乳を飲ませる前と後に量れば、母乳が足りているかどうかの目安にもなります。ちなみにベビースケールは赤ちゃんが大きくなると使えないため、購入よりもレンタルするのがおすすめです。
体重測定するときの注意点
赤ちゃんの体重測定は、発育状況を知るためにも欠かせませんが、気にし過ぎるのもよくありません。赤ちゃんの成長ペースには個人差があること、平均体重や成長曲線の数値はあくまでも目安ということを、しっかり理解しておきましょう。
正しい知識を持っていれば、気持ちにゆとりが生まれますし、いざという時も冷静に対応できますよ。
神経質にならないことが大事
体重に限らず、赤ちゃんの発育状況に関しては、ママは神経質になりがちです。健診などに行くと、周りの赤ちゃんと大きさを比べてしまい、不安に思うこともあります。そんなときは遠慮せずに、医師や保健師に相談してみましょう。
ベビースケールを使って自宅で測定する場合も、ちょっとした体重の変化が気になるものです。母乳をたくさん飲んだはずなのに、思ったより体重が増えていなかったり、前の日よりも減っていたりすると、どこか悪いのではないかと心配になります。
しかし、たくさんおしっこが出たり、汗をかいたりして、たまたま体重が減っただけということもよくあります。いずれにしても、赤ちゃんが元気なら問題ないことがほとんどです。あまり神経質にならず、おおらかな気持ちで見守りましょう。
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