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2019.12.28

離婚したらパパと暮らしたいという子ども。親権は夫に有利になる?【教えて!離婚駆け込み寺】

「離婚したいけど、お金や離婚後の生活のことを考えると動けない。誰に相談すればいいかわからない」―そんなお悩みに弁護士の中川裕一郎先生が答える、ワーママの離婚駆け込み相談室。今回は、離婚したら息子たちがパパと暮らしたいというお悩みをご紹介します。

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離婚検討中ですが、息子たちはパパについて行くと言っていて、親権が取れるか不安です

Q.離婚検討中です。夫はモラハラ気味で育児を何も手伝わないくせに、ふたりの息子を叱ることなく甘やかし、休日だけ一緒に遊びに出かけています。その上、どうやら息子たちに「離婚したらパパと暮らそうな」と言いくるめているようです。息子たちも、しつけに厳しい私より、何も言わない夫と暮らしたいと思っているようですが、夫にきちんとした育児ができるとはとても思えません。こういうケースでは、親権は息子たちの意思によって決まってしまうのでしょうか? (栃木県・38歳・14歳と5歳の息子のママ)

A.「親権決定には、子供達の意見だけでなく、当然、ありとあらゆる要素が考慮されます。子供達がパパの方がいいと言っても、その子たちが放置されてしまうような環境であれば、子供を育てる環境には望ましくないと判断されるでしょう。

親権には一応は母子優先の原則というものがあり、一般的には母親が有利だとされていますが、お子さんが意思表示できる年齢に達していればそのお子さんの意思も重要ですし、もちろん、ほかのありとあらゆる要素も加味された上で決定がなされます。

大前提として、子供への愛情があり、当該親が子供に安心できる生活環境を与えられるかという条件が必須となりますが、この親子の関係や生活環境を調べるため、親権を巡る調停では裁判所調査官が調査をおこなう事となります。調査内容としては親や子供に対するヒヤリングはもちろん、例えば部屋で父親と母親とそれぞれに子供達と遊んでいる様子をみたり、家に訪問し、一緒に過ごしている親子の一挙手一投足を観察する、などという調査が行われることもあります。

また、親権における子供の意思の尊重度合いは子供達の年齢が上がるにつれて大きくなりますが、子供が成長すればするほど、親に対しての忖度をするようにもなるので、それが本心かどうかまではわかりません。そのため、子供の意思も尊重されつつも,養育環境としてどういう環境を与えられるかどうかという点の方が、通常は重視されています。

このときチェックされる内容としては、

・子供を引き取った後の1日の看護予定
・面会交流についての意見
・生活歴や職歴、婚姻歴や就労状況
・無職の場合は今後の終了予定
・親御さんの心身の状況
・住居の状況
・お子さんの心身の状況

といったところでしょうか。

もしもお子さんが父親について行きたいと言った場合、離婚調停で『親権者指定』を申し立てることができます。これには、『子供達はこう言っているけれど、それは易きについているだけで、母親側の方が子供達の健全な養育環境としてよりふさわしい』ということを、裁判所で主張し証明してゆく必要があります。

どう証明するのかという詳細については、信頼できるお近くの弁護士に相談してください。けれど親権については、『この条件が満たされていれば絶対に取れる』というようなものではありません。子供の感情と人生は、そんなに簡単に答えが出る問題ではないということは、どうか心に留めておいてください。子供にとっては、両親の離婚というだけですでにすごく嫌な想いをしているのですから、夫婦間のプライドや意地の張り合いで、それ以上傷つけるようなことだけは、絶対に、絶対にしてはならないのです。おふたりとも、子供にとっては大切な父親であり、母親なのですから」(中川裕一郎先生)

●本連載では離婚に関する慰謝料や養育費など、法律的な悩みや疑問にプロの弁護士が直接回答します!ご相談ごとがあるかたは、domani2@shogakukan.co.jpまたはこちらのフォームより詳細の情報をお寄せください(お子さんの年齢、性別、ご自身の職業などをお知らせください。より詳しい回答ができます)。 メールの場合は件名に「離婚相談」と書いてなるべく具体的な内容をお送りください。すべてのご相談にお答えできるとは限りません。あらかじめご了承ください。

過去の相談はこちら▶︎離婚駆け込み寺

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お悩みに回答してくれたのは・・・

中川裕一郎先生

弁護士。東京中川法律事務所経営。https://tokyo-nakagawa.com
商社勤務時代にバックパッカーとして世界に飛び出し、地球を一周回ってみつけた社会的正義を実現するという生涯の目標のため弁護士に。紛争を未然に防止し、目の前の依頼者を笑顔にすべく日々奮闘中。親身になってアドバイスをくれる人情派弁護士として、依頼者たちからの信頼も厚い。

インタビュー・文

さかいもゆる

出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。Web Domaniの人気連載「バツイチわらしべ長者」で様々なバツイチたちの人生を紹介している。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」では、アラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。

メイン画像(C)ShutterStock.com

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