【目次】
・赤ちゃんに歯磨き粉はいつから使う?
・赤ちゃん用の歯磨き粉選びのポイント
・知っておきたい!正しい歯磨きのポイント
赤ちゃんに歯磨き粉はいつから使う?
赤ちゃんの歯は生まれて6カ月ほどから生え始め、3歳くらいまでには生えそろうケースが多いようですが、赤ちゃんによって個人差があります。生えた歯をきれいにケアするために、歯が1本でも生えてきたら、歯磨きをしてあげましょう。
デリケートな赤ちゃんの口腔ケアは、大人と同じではいけません。そもそも赤ちゃんに歯磨き粉は必要なのか、疑問を持っているママさんも多いのではないでしょうか。赤ちゃんの口腔ケアと歯磨き粉の関係や製品の選び方、歯磨きの仕方を紹介します。
歯の生え始めは歯磨き粉は不要
赤ちゃんの歯は下の前歯から、徐々に生えそろいます。乳歯が1本でも生え始めたら、歯磨きをスタートするのが目安ですが、いきなり歯ブラシを口の中に入れると驚いてしまう赤ちゃんは少なくありません。
最初のころは、濡らしたガーゼや綿棒などで歯の汚れを優しくふき取るくらいで大丈夫です。慣れてきたら、歯ブラシを使ってケアしましょう。歯の生え始めのころは、歯磨き粉を使う必要はありません。水だけでも十分汚れが落ちるので、丁寧にやさしく歯を磨いてあげましょう。
歯磨き粉はうがいが上手になってから
歯磨き粉を使うタイミングは、自分でうがいが上手にできるようになってからです。早ければ1歳で歯磨き粉を使い始める子どももいますが、焦る必要はなく、自分の子どもの成長スピードに合わせてタイミングをみてみましょう。1歳半から2歳ごろが目安ですが、個人差があるので、きちんとうがいができるのか日頃からチェックしましょう。
早めに歯磨き粉を習慣として定着させたいのであれば、うがいが要らないタイプの歯磨き粉も販売されているので、検討してみてはいかがでしょうか。子どもはどうしてもすすぎ残しが起こりやすいので、体内に入っても問題ない成分の歯磨き粉を選んであげるようにします。
赤ちゃん用の歯磨き粉選びのポイント
動く赤ちゃんを相手に歯磨きするのは大変ですね。しかし、丁寧に歯を磨いてあげないと虫歯になってしまう可能性もあります。そんなときに役立つのが、「赤ちゃん用の歯磨き粉」です。安全な赤ちゃん用の歯磨き粉を選ぶときのポイントを紹介しましょう。
発泡剤や研磨剤が入っていないか確認!
よくあるのが、親が使っている歯磨き粉をそのまま赤ちゃんに使うというものです。盲点かもしれませんがこれはあまり良くありません。大人用の歯磨き粉は、泡立ちを良くするための「発泡剤」のほか、「研磨剤」「着色料」が含まれていることがあります。デリケートな赤ちゃんにとって、これらは刺激が強すぎるため、よく注意しましょう。
赤ちゃん用の歯磨き粉としてジェル状のものが多く販売されていますが、配合成分は製品により異なるため、体内に入る可能性も考慮して成分を確認してから購入するのがおすすめです。
赤ちゃん用やフッ素入りのものを選ぶ
赤ちゃんが歯磨き粉を誤飲したときのことを考えて、赤ちゃん用の安全な成分でつくられている歯磨き粉や低濃度のフッ素配合の歯磨き粉を選択するようにしましょう。大人用の歯磨き粉のような高濃度のフッ素が配合された歯磨き粉は、赤ちゃんにとって刺激が強く、誤飲したときに悪い影響を及ぼしかねません。
500ppm以下の低濃度のフッ素配合ならば、誤って飲み込んでしまっても人体に有害な影響を与えることがないため、数値をよく確認してから購入してください。
参考:フッ化物を配合する薬用歯みがき類の使用上の注意について|厚生労働省
赤ちゃん好みのフレーバーをチョイス
赤ちゃんが歯磨きの習慣を嫌わないために、好みのフレーバーの歯磨き粉を探してあげましょう。歯磨きを嫌うと言う赤ちゃんは、歯磨き自体ではなく歯磨き粉のフレーバーを嫌っていたというケースも少なくありません。歯磨きのフレーバーは大人であっても好みが分かれるところなので、今使っている歯磨き粉を嫌がるそぶりを見せたら、別の歯磨き粉に変えてみましょう。
知っておきたい!正しい歯磨きのポイント
赤ちゃんに歯磨きをしてあげる前に、正しい歯磨きができるようにするためのコツを知っておく必要があります。正しく磨かないと虫歯になることもあるので、赤ちゃんの大切な歯を守ってあげるためにも把握しておきましょう。
歯磨き粉は少しだけでOK
歯磨き粉はたっぷりと付けるのではなく、ほんの少しだけで問題ありません。歯磨き粉を付けすぎると、泡立ちが良くなるため洗い心地は良くなりますが、泡が立ちすぎて十分に磨けていないことが多くなってしまいます。特に赤ちゃんの歯はとても小さく、繊細です。泡立ちすぎてしまったり、刺激が強くなりすぎると悪影響を及ぼしかねないため、メーカーが示す用法・用量をしっかり守って使用しましょう。
歯ブラシを濡らすのはNG
歯ブラシを濡らしてから歯磨き粉を付けている人は多く見受けられますが、それは間違いです。歯ブラシを濡らすと歯磨き粉の成分が薄まり、歯磨き粉の効果が十分発揮できなくなってしまうため歯ブラシは濡らさずそのまま使うようにしましょう。
口は軽くゆすげばOK
歯磨きが終わったら、口をゆすぎ、泡を洗い流します。しかし、何回も口をゆすぐのは間違いです。軽く1回だけゆすぐようにしましょう。
口の中に歯磨き粉を残すことで、歯磨き粉の効果を持続させることができます。何度もゆすいでしまっている人は、歯磨き粉に含まれる良い成分も全て洗い流していることになりますので、口の中が気になるからと言ってゆすぎ過ぎには注意しましょう。
歯科医師
蔵田和史
2009年に福岡歯科大学歯学部 卒業。2010年に福岡歯科大学医科歯科総合病院 歯周病学分野医局員に。2014年セントラル歯科 副院長、2018年くらた歯科クリニック 開業。
日本歯周病学会 認定医、日本歯科保存学会 認定医、日本口腔インプラント学会所属、日本糖尿病協会 登録歯科医、アメリカ心臓協会(AHA)認定BLSヘルスプロバイダー、Gikoアライナー 認定医などに所属。HP:https://www.ku-dc.com/
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