公平で人助けを率先して行う
あまり過去の出来事にはとらわれないのも特徴的な要素です。トラブルがあった人だとしても過去のことは水に流し、これまでと同じように接していける人が、懐の深い人と言えます。また、周囲の評判だけで相手を評価し、偏見や思い込みで自分の態度を変える考えはありません。
困っている人がいれば率先して手を差し伸べ、決して見て見ぬふりはしません。自分にできると判断すれば力を貸し、できなければ情報を調べたり、一緒に方法を模索したりします。人助けをしても、見返りを求めたり、借りを作ったなどという恩着せがましい考えはありません。心の底から相手の立場を考え、行動することが懐の深い人の本質と言えるかもしれません。
懐が深い人が好かれる理由
懐が深い人は、なぜ周囲から好かれるのでしょうか。心理的メカニズムとその理由を掘り下げていきましょう。
心の余裕にひかれる
懐が深い人は心に余裕があるため、どのような事態でもパニックを起こさずに受けとめられます。そのため、あらゆる人や動物、物事に優しく接していけるのです。心に余裕のある人は優しさがにじみ出ているため、近づきやすい雰囲気をまとっています。一緒にいて心が落ち着いたり、色々な物事を共有して楽しめるため、周囲の人は行動を共にしたくなるのです。
また、感情的になる場面でも落ち着いた対応ができるため、それを見た周囲からは一目置かれるようになります。一般的にはなかなかできない行動をとるため、周りからは敬われたり、親しまれたりするのです。このように、懐が深い人は多くの人に慕われたり、人気者であることが多いでしょう。
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包容力に憧れる
包容力がある人は、相手の悲しみや怒りといったマイナスの感情を包み込んでくれます。その姿に感動したり、深く感心したりするため、懐の深い人が持つ包容力に憧れるのです。相手の気持ちを常に大切に考えて、暖かく包み込んでくれる対応は、心にゆとりがある人にしかできないため、そのような人になりたいと憧れる場合があります。
懐が深い人は、何事にも動じないため人から頼られる存在になります。常に堂々としているため不思議と人が集まり、年上や年下など年齢に関係なく、人から好かれるのです。
懐が深い女性になるために
懐が深い女性になるためには、どうすればよいのでしょうか。心の持ち方や考え方を紹介します。
サポート役になる
つい前に出て何事も自分がこなしてしまったり、自分だけが利を得てしまったりしがちですが、サポート役に徹して周囲を助けることが大切です。目立ちたい気持ちや自分だけの幸せを考えるのは控えるのが賢明です。縁の下の力持ちをイメージして行動することで、「自分だけ」という自我の強さを抑えられます。自分を前に出す考えよりも、周囲を引き立てる意識が重要です。
他の人と話す場合も、自分から話しかけ周りを盛り上げようと努力しがちですが、聞き役に徹してリアクションをしっかりとるだけでも、人からの信頼が得られます。
責めたり感情的に怒らない
懐が深い人は、過ぎたことをねちねちと怒ったり、責め立てたりはしません。後輩や部下など、一般的に自分より立場が低い人が失敗しても、責めたり感情的に怒ったりしないようにしましょう。
懐が深い人は、怒るのではなく叱ります。怒るとは、感情的に相手を責め立てる行為です。相手のためにという考えではなく、自分の立場を守るためであったり、感情を吐き出すためだったりする行為を指します。叱るとは、相手を思いやり、相手の地位や名誉を守るために注意することです。叱る相手をより良い方向へ導きたいと思う気持ちから、相手の行いや考えを諭す行為になります。人がミスや失敗をしたときは、怒るのではなく叱りましょう。
偏見を持たず比較をしない
懐が深い人は自分と他者を比較しません。比較をすれば、いつまで経っても幸せになれないため、自分が満たされることはありません。比較をすれば、人を包み込むような、心の余裕が持てなくなるのです。心にゆとりが持てないと、懐が深い人からは遠ざかってしまいます。自分と他者を比較せず、人それぞれに違いがあり、よいところがあると認めて、ストレスをため込まないようにしましょう。
また、学歴や地位や名誉で人を判断してはいけません。懐が深い人は、誰とでも分け隔てなく接します。偏見のない人間関係を築けるようになれば、懐の深い人に近づけるのです。
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