【目次】
・ギブアンドテイクの意味とは?
・人は三つのタイプに分けられる
・ギバーとテイカー、成功するのはどっち?
・自分の利益だけを考えるテイカーはダメ
・成功するギバーになるためにできること
ギブアンドテイクの意味とは?
相手と良い関係を築くための考え方に、「ギブアンドテイク」という言葉があります。ビジネスの場でよく使われるので、耳にする機会も多いかもしれません。ギブアンドテイクは英語ということもあり、日本では少し異なるニュアンスで使われていたり、正確に理解していない人もいます。また、ギブアンドテイクという言葉そのものに「ビジネスライクで冷たい印象」を持っている人も多いのです。まずは、ギブアンドテイクの意味や使われ方を知っておきましょう。
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ギブ‐アンド‐テーク
[give-and-take]
相手に利益を与え、自分も相手から利益を得ること。
〈小学館 デジタル大辞泉〉より
ギブアンドテイクには、持ちつ持たれつという意味があります。「互いに借りを作らない」というニュアンスで使う人もいますが、正確には「何かを得るなら先に与えるべし」という意味合いです。
ギブアンドテイクはお互いにメリットがある良好な関係を指しますが、強調されるのはギブの方です。最初から見返りを求めるような打算的なニュアンスで使われるものではありません。お互いに助け合い、公平に与え合う、ポジティブな言葉がギブアンドテイクなのです。
人は三つのタイプに分けられる
人が他人と関わるときの考え方は一つではありません。ペンシルベニア大学教授で組織心理学者でもあるアダム・グラント氏は、著書『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』の中で人を三つのタイプに分けています。他人と関わるとき、人に対して惜しみなく与える「ギバー」、自分の利益を最優先する「テイカー」、損得のバランスを考える「マッチャー」です。それぞれについて見ていきましょう。
惜しみなく与える、ギバー
ギバーの立場の人は、相手に対して「自分に何ができるか」を行動基準とします。自分が与えられるよりも相手に多くを与えようとするのです。例えばビジネスにおいてパートナーと利益を分け合うことになった場合、ギバーは自分よりも相手の取り分を多くしようとします。多くの利益を与えられた相手はギバーに対して好感を持つため、良好な人間関係を築いている人が多いのです。
多くを受け取ろうとする、テイカー
テイカーは、ギバーとは逆に「自分の利益を優先して大きくしよう」と考えます。同じようにビジネスの場でも自分の取り分を多くしようと考えるため、テイカーを相手にする人は多くの場合不満を抱きがちです。多くの人はテイカーを嫌い、離れていきます。
損得のバランスを考える、マッチャー
「人と人は互いに与え合う関係であるべきだ」という考え方がマッチャーであり、まさに大多数の人が考えるギブアンドテイクの思考に当てはまります。マッチャーの特徴は、あくまで相手と自分との間で利益のバランスを取ろうとするところであり、自分の利益が見込めない場合に一方的に与えることはしません。最初から大きな見返りが期待できなければ行動しないのです。
ギバーとテイカー、成功するのはどっち?
相手と自分の利益を平等化しようとするマッチャーは別として、ギバーとテイカーは利益のバランスが偏る傾向のある考え方です。与えることを優先するギバーと、もらうことを優先するテイカーでは、最終的にどちらの方が大きな利益を得るのでしょうか。長期的に見た場合、成功者となる立場はどちらなのかを考えてみましょう。
信頼や助けを得られるギバーは成功する
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相手の利益を優先するギバーは、一見すると損をするように思えます。しかし実は、相手から信頼を得て長期的な成功をおさめるケースが多いのです。短期的にはギバーの利益は小さくなりがちですが、与えられた人々はギバーに好意を抱き、長期的な人間関係を築こうとします。ギバーと一緒にいれば得をするため、今後も継続的に仕事をしたいと考えるのです。
良い評判が次の評判を生み出し、ギバーには自然とチャンスが集まるようになります。ギバーは最初に与えた分よりもずっと多くの利益を得られるのです。
ただし、むやみに与えすぎると失敗する
同じギバーであっても、わが身を省みずに与え続ける人は失敗します。自分のビジネスよりも他人のビジネスを優先したり、自分に余裕がないのにお金を貸したりすることで立ち行かなくなってしまうのです。失敗するギバーは自分に与える余裕がないにもかかわらず、無償の奉仕によって身を滅ぼしてしまいます。自己犠牲型のギバーは成功しないということを覚えておきましょう。
自分の利益だけを考えるテイカーはダメ
自分の得ばかりを追い求めるテイカーは、短期的には大きな利益を得られる立場ですが、最終的には成功できないとされています。利益を得ているにもかかわらず、なぜうまくいかないのでしょうか。また、テイカーは側にいると「自分が損をさせられてしまう厄介な存在」です。どのように回避すればよいのか、その方法についても併せて知っておくことをおすすめします。
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テイカーはとにかく自分の利益が最優先です。人から奪ってでも自分が得をしようと考える自己中心的な考え方だといえます。テイカーと一緒にいると自分が損ばかりをすると気付いた人は、どんどんテイカーから離れていくのです。テイカーの考え方は、人間関係を破壊する考え方であるため、最終的には誰からも相手にされなくなってしまいます。
本来あったはずのビジネスチャンスを失い、テイカーの得られる利益は最終的に小さくなってしまうのです。それどころか、現在得られている利益ですら、人が離れていくことで将来的に無くなってしまうかもしれません。
周りにいるテイカーを見分ける方法
自分がテイカーと出会ってしまった場合は、損をさせられる前に迷わず離れるようにしましょう。テイカーは自分をよりよく見せようとする傾向が強く、普段のふるまいや行動、SNSの投稿などに注目すれば見分けられます。
テイカーは自分さえ良ければいいため、言動に他人への思いやりが見られません。さらに、自分を魅力的に見せて注目を集めた方が与えられるチャンスが多いことを知っているため、自己評価がやたらと高かったり、人を見下すマウンティング行動をしたりします。SNSで実物以上によく見える写真を投稿し、押しつけがましく傲慢な言動を繰り返す人は警戒しましょう。
成功するギバーになるためにできること
ギバーは成功につながることは分かったものの、同時に失敗する可能性も併せ持っていることが分かりました。成功するギバーになるためには、心掛けるべきことが二つあるのです。ギバーとして成功したいと考えている人は、ぜひ取り入れてみましょう。
目標をしっかり持つ
成功するギバーは与える喜びだけを大切にしているわけではありません。目標をしっかりと持ち、そのために何をするべきかを考えているのです。誰彼かまわずに際限なく与えるのではなく、誰に与えれば自分の目標が達成できるかをきちんと見極めています。
自分にとって大切な人に分け与えることで、まわりまわって自分の得になることをちゃんと理解している人こそ成功するギバーです。マッチャーほど対等ではないにせよ、人の利益を大きくしたら、いつか少し利益を分けてもらうという考えを持ちましょう。
自分を犠牲にしない
失敗するギバーにならないためには、自分を犠牲にしてまで人に与えないようにしましょう。たとえ与えることに喜びを見出す人であっても、自分の目標や成長に少しもつながらず、テイカーのような搾取する人を相手にし続けては疲弊してしまいます。人を大切にし、なおかつ自分も大切にできるギバーが成功するのです。
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