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2020.05.01

人の手を借りての育児はよいことだらけ【ワーママ転職/ミホさんの場合・後編】

さまざまな転職の形を体験談でお届けするシリーズ。学生結婚をして19歳で出産したミホさんのケース<後編>です。40歳にして「孫が楽しみ」という心境はいかに?

Text:
南 ゆかり(フリーエディター)
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働きやすい環境を考えつつ独立開業をしたわけは…

●PROFILE
ミホさん・40歳・神奈川県在住
税理士事務所代表
子ども/21歳・14歳(ともに男児)

○前編:19歳で出産。子連れ就職だとわかったとたん、不合格通知が

子どもが寝た後に試験勉強

28歳で税理士事務所に転職したときの決め手は、3つありました。お給料がよくて残業が少ないこと、未経験者でも採用してくれること、そして資格取得を応援してくれること。税理士になるまでに5科目の合格が必要で、10年かかるといわれるくらいですから、勉強は長期戦です。会社と家族の応援がなくては、続きません。

そのころの私は、17時まで税理士事務所で働いて、帰ってから家事を片付けて、22時に子どもが就寝。それから資格取得の勉強をするという毎日でした。疲れているときは1時間勉強して寝てしまうけれど、3~4時間頑張れる日もある。WEB通信講座も受けながら、週末はテストのために専門学校に通っていた時期もありました。

人の手を借りての育児はよいことだらけ

保育園はもちろん、小学生になったら学童や友達、市が運営する子育てサポートなど、使えるサービスはフル活用しました。いろいろな人の手を借りて育った子どもは、物怖じしないし人見知りもしない。いろんな人に褒めて育ててもらったおかげで、自信満々な子に育ちました。そして、いつもは家のことをあまりやらない夫ですが、私がテストで家にいない週末だけは、やらざるを得なくなって。今では、家事も仕事もこなすスーパー夫になりました。

5科目の試験に合格し、税理士としての資格が得られたのは、勉強を始めてから8年後でした。本当は5年で終わらせたかったけれど、仕事をしながらの勉強だとやっぱり難しい。かといって途中で諦めるわけにもいかず、もう合格するしかない! という気持ちでした。

同時に、勤務していた事務所の後継者として、先輩税理士の引き継ぎを始め、38歳で独立。それから現在まで、これまで味わったことのない忙しさと同時に、やりたいことができる楽しさの両方をかみしめています。

今の楽しみは「孫の顔を見ること」!

私の事務所は、女性ばかり4人の小さな所帯。ワーママばかりなので、みんなが働きやすい職場づくりが目標です。子どもの行事などで有休を時間単位で取れるようにしています。そして、クライアントである多くの中小企業を支援しながら、一緒にクライアントの会社をつくっていきたい。そのために、社会保険労務士の資格取得に向けても勉強中です。

そんな私の今の楽しみは「孫の顔を見ること」。ずいぶん気が早いようだけれど、自分が若くて元気なうちに孫の面倒をみることができるのは、早く子どもを生んだからこそ、ですから。きっと息子の家庭も共働きでしょうから、私が孫の送り迎えをしてあげたい。働きやすい環境をつくりながら独立開業をしたのは、こんな私の夢を実現させたいからでもあるんです。

私が子どものころ、母が調理師免許を取るために、夜になると勉強していた姿は、今でもときどき思い出します。そんな母の記憶があるから、私も勉強を続けられたのかもしれません。大変だとか辛いとか、思うこともなく。子どもたちもいつか、そんな私の後ろ姿を思い出してくれるといいけれど…。ただ、「税理士にはならない」と言っています(笑)。(終わり)

写真/Shutterstock.com

●ワーママ転職成功の法則
1、無理して頑張るより「好きなこと」を突き詰める
2、育児は周囲の人に頼る!
3、面接では<できないこと>だけでなく代案を示す

南 ゆかり

フリーエディター・ライター。フリーエディター・ライター。Domani「EXITのお悩み相談」、Oggiインタビュー「この人に今、これが聞きたい!」「お金に困らない女になる!」など連載中。書籍『真夏も雪の日もかき氷おかわり!』『今の私は(後藤真希・著)』も担当。

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