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2024.08.29

【ハロウィン】の由来を詳細解説|仮装するのはなぜ? ジャック・オー・ランタンを飾る理由は?

言葉の意味は?

トリック・オア・トリートに込められた「お菓子をくれなきゃいたずらするぞ!」という意味はあまりに有名で、数多くの人に知られています。トリック・オア・トリートと声をかけられた人は、「ハッピーハロウィン!」と答えてお菓子を渡すのが定番ルールです。現代では仮装した子どもたちが近所の家々を回ることで地域交流を図ったり、学校や子ども会での楽しいイベントになったりしています。

はじまりはなに?

ハロウィンに家々を回ってお菓子をねだるという風習も、もともと古代ケルト民族から来ています。ハロウィンの際、ソウルケーキと呼ばれるケーキを供えて「ソウリング」という死者のための儀式を行っていました。貧しい人や子どもたちが家々を訪ね、その家の死者の霊に祈りを捧げるかわりにソウルケーキを貰う習慣がありました。こうして近所を訪ね回ったことが、トリック・オア・トリートの原型だと言われています。このほかにも諸説ありますが、ハロウィンのお菓子には、霊を弔うという意味があったのです。

ハロウィンのお菓子の定番

ハロウィンで配るお菓子に決まりはありませんが、多くの子どもが喜ぶ甘いクッキーやチョコレート、キャンディーが定番となっています。とくに、子どもが外に出てお菓子を持ち歩くため、個包装になっているものや一口サイズでかさばらないものがおすすめです。外を出歩くのではなく、家の中でパーティー形式でハロウィンを楽しむのであれば、ケーキやドーナツなども人気があります。

ジャック・オー・ランタンを飾る理由って?

ハロウィンの定番モチーフが「ジャック・オー・ランタン」です。ハロウィン中のお菓子のモチーフやインテリアなどに幅広く使われており、期間中はよく目にしますよね。ジャック・オー・ランタンをハロウィンの間に飾ることには、ある理由があるのです。

ハロウィンのジャック・オー・ランタン

(C)Shutterstock.com

ジャック・オー・ランタンとは?

カボチャをくり抜いて目・鼻・口をかたどり、中にろうそくを灯してランタンにしたものがジャック・オー・ランタンです。もともとは、大きなカブがランタンの材料に使われていました。アメリカにハロウィンが伝わってからはカボチャがランタンに使われるようになり、今の形に落ち着いたのです。ハロウィンが伝わった当時は、アメリカ国内で手に入れやすい野菜がカボチャだったことが理由といわれています。

アイルランドの物語の主人公

ジャック・オー・ランタンに付けられている「ジャック」という名前は、アイルランドの昔話に登場します。生前悪行三昧であったジャックは、自分の魂を奪いに来た悪魔までだまして生きながらえていましたが、寿命がきても、生きている間に行った悪さのせいで天国に行けず、かといって悪魔に魂を持っていかれることすらできないため地獄にも行くことができません。ジャックはカブで作ったランタンを掲げながら、安住の地を探して夜道をふらふらとさまようことになってしまいました。この昔話をきっかけに、ジャックはハロウィンにさまよう悪霊の代表的な存在となったのです。

悪霊を追い払う魔除けとして

ジャック・オー・ランタンにまつわる昔話は恐ろしいものですが、ジャック・オー・ランタンそのものは、悪霊を追い払い、良い精霊を呼び寄せるための魔除けとされています。ハロウィンの日は、カボチャをくり抜いて、家の外や部屋の窓辺に置きましょう。ジャック・オー・ランタンを見た悪霊は怖がって逃げていき、良い精霊はろうそくの明かりに誘われて近付いてくるのです。今は生のカボチャを使ったランタン以外にも、インテリアやろうそく立てなど、さまざまな形でジャック・オー・ランタンが作られています。

和文化研究家  三浦康子先生

和文化研究家

三浦康子

古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などで提案しており、「行事育」提唱者としても注目されている。連載、レギュラー多数。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭もとっている。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)ほか多数。

『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)
『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)

お正月やひな祭り、お花見、お盆、お祭りなど、季節の行事を親子でいっしょに学べる絵本。由来やしきたり、遊び方や箸の持ち方、衣服のたたみ方など、行事を子育てに役立てるためのコツが満載。

ちなみに、ハロウィンの伝統的なゲームは?

ハロウィンに行われている伝統的なゲーム、「アップル・ボビング」や「スナップ・アップル」をご存知でしょうか? 

ハロウィンがリンゴの収穫時期と重なることから、リンゴを使ったゲームが生まれました。 ハロウィンパーティの余興にぴったりなゲームを、それぞれ詳しく見ていきましょう。

「アップル・ボビング」って?

イングランドで生まれた「アップル・ボビング」は、水を入れたタライにリンゴを浮かべて、手を使わずに口でリンゴを取る遊びです。制限時間内で取れた数や、取るまでにかかったタイムで競います。

リンゴを取るためにはコツがいります。タライの底にリンゴを押し付けるようにして取らないとつるつると逃げていってしまうため、タライに大きく顔を入れる必要があるのです。そのため、濡れても良いベランダや庭などに準備するか、大きめなレジャーシートを用意しましょう。リンゴは口でくわえやすいよう、小さめサイズのものを選ぶのがおすすめです。小さめのものが手に入らない場合は、くわえられるぐらいヘタが長めのものを選んだり、リンゴを半分に切って使用すると良いでしょう。

「アップル・ボビング」は元々恋占いだった

好きな人の名前やイニシャルを書いたリンゴを水に浮かべ、何回で取れたかで恋の行方を占うものです。1回で取れた場合は恋が叶う、2回目で取れたら恋がすこしだけ続く、3回なら恋が憎悪に変わる、4回以上やっても取れない場合は見込みがない…といったルールで行われます。恋のお相手がいる人は、占いを試してみても良いですね。

「スナップ・アップル」って?

「スナップ・アップル」は、糸で吊るしたリンゴを口だけで取るゲームです。日本の「パン食い競争」をイメージするとわかりやすいでしょう。元々は吊り下げた角材の端に上に火のついた蝋燭、反対側にリンゴを乗せて回し、蝋燭や落ちるロウをかわしながらリンゴを取るゲームでしたが、危険を伴うため現在では吊るしたリンゴを取るゲームになっています。

写真/Shutterstock.com

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