【目次】
・骨盤とダイエットの関係性とは
・骨盤を整える簡単ストレッチ
・寝ながらできる骨盤を安定させるエクササイズ
・骨盤矯正トレーナー直伝!エクササイズのやり方
・骨盤の歪みを矯正したいなら姿勢習慣も見直そう
骨盤とダイエットの関係性とは
開いた骨盤はダイエットの大敵に
カイロプラクター 姿勢教育指導士、碓田紗由里さんによると、例えば産後などで骨盤が開いて歪み、それを放っておくと体型が戻らない大きな原因になってしまうんだそう。どれだけ体重を落としても、骨盤が開いたままでは元の体型に戻すことはできないのだそうです。
「産後は骨盤の下側が広がり、全体的に四角っぽい形になっています。出産が終わると、骨盤は元の状態に戻ろうとしますが、姿勢習慣が悪かったり、ゆがみによって戻れないことがあります。その場合、何もしなければ勝手に元に戻ることはありません。これを放っておくと、のっぺりとした四角いお尻、くびれのない寸胴なウエストになるなど、産後太りの原因になります。」(碓田さん)
骨盤の歪みをリセットすれば体型が戻り、むくみやぜい肉も自然と取れるそうですが、骨盤の歪みを自力で完全に戻すことはできないそう。
「今は骨盤調整の簡単な体操などもインターネットで見られますが、それは整えた骨盤を維持するためのサポート、と考えてください。残念ながら、ゆがんだ骨盤を自分で戻すことはできません。私自身も自分で自分の骨盤は治せません。なので、専門知識のある施術院などに行き、メンテナンスすることをおすすめします。産後1〜2ヶ月は関節が柔らかく、よい状態に骨盤が戻りやすい時期なので、産後2ヶ月以内に整えるのがベスト。この時期にきちんとケアすることで、妊娠前からのゆがみや腰痛、肩こり、下半身太りなど、過去の体の悩みも解消できます。しかし、それ以降でも問題はありません。あくまでもよい状態に戻りやすいのは2ヶ月以内で、より効果が得られやすい、という意味です」(碓田さん)
まずは専門知識のある施術院でメンテナンスしつつ、日々のケアも行っていくのが大切なのですね。
骨盤の後傾が運動不足につながる
光伸メディカルクリニック院長、中村光伸先生によれば、姿勢が崩れ骨盤が後傾すると、歩くときに脚を強く蹴り出すことができなくなり、歩幅の狭い弱々しい歩き方になってしまうのだそう。そんな生活が続くと、結果的に筋肉の量が落ちて太りやすくなり、体力が落ちて疲労も抜けにくい体になるのだとか。すると動く気力が低下してますます運動不足になってしまう悪循環に陥る恐れがあるそうです。
「まずは、1日の終わりにストレッチを取り入れて、コリやゆがみを翌日に持ち越さないようにしましょう。体がほぐれると血のめぐりがよくなるし、質のよい睡眠を得やすくなります。しっかりと心身の修復が行われ、翌日に疲労が残りにくいというメリットも。朝から元気で活動的に動ける、軽やかな体になれますよ」(中村先生)
骨盤を整える簡単ストレッチ
腸腰筋ストレッチ
碓田さん曰く、腸腰筋のストレッチは骨盤を整えるだけでなく、姿勢改善にも役立つのだとか。
まず片膝立ちをしたら、手を膝の上に置きます。
そのまま上半身をスライドさせるようにして前方に移動させ、後ろの脚の付け根からももの前を伸ばします。呼吸するたびに少しずつ深くストレッチし、15秒ほど伸ばしていきましょう。息を吐きながら最初の状態に戻したら、反対側の脚も同じようにしてストレッチします。
腰回りストレッチ
仰向けに寝た状態で両手両脚をまっすぐ伸ばし、手を頭上で交差させ腰を伸ばします。この状態のまま骨盤を上下に動かしましょう。まずはゆっくりと右足を足元方向に踏み出し、腰の右サイドを伸ばします。これを左右交互に10回ずつ行って。
両腕の力を抜いたら、肩や首がベッドから浮かないようにキープし、そのまま腰をねじってストレッチします。10秒間キープしたら逆側も同様に行いましょう。
寝ながらできる骨盤を安定させるエクササイズ
骨盤底筋トレーニング【あおむけカエルのポーズ】
骨盤底筋とは、骨盤の下側にあり内臓を支えているハンモックのような筋肉のこと。通常は締まった状態で、尿や便、経血を出す時はゆるむという「蛇口」のような役割があります。
骨盤底筋が弱くなってくると、蛇口がつねに開いた状態になるので尿もれしやすかったり、湯船から上がってしばらく経った後に、膣からお湯が出てきたり、膣に空気が入りやすくオナラのような音が出たりします。これらの悩みを解消するには、日頃から骨盤底筋をトレーニングすることが大切です。誰でも簡単にできるトレーニング方法を、骨盤矯正パーソナルトレーナー Naokoさんに教えてもらいました。
あおむけで開いた足を上下させると骨盤底筋に力がかかり、鍛えられます。足を上下させる動きは小さいけれど、効き目は抜群です。
まずはスタンバイ!
床にあおむけで寝て、ひざを左右に倒して股関節を広げます。このとき腰が浮かないようにしましょう。左右のかかとを合わせ、つま先は外に向けます。ひざは脱力させます。手は股関節に置き、軽くつかみます。
この1ポーズでトレーニング!
鼻から息を吸いながら、かかとを床から浮かせます。おしりから頭までは床につけたままで、腰が浮かないように注意。また、途中でひざが閉じないようにしましょう。口をすぼめた状態でゆっくり吐きながら床に下ろします。左右のかかとをしっかり押し合うようにして上げ下げを1分間繰り返します。
骨盤底筋を鍛えるエクササイズ
碓田さんによれば、骨盤を安定させるために、骨盤底筋を鍛えるエクササイズが重要だと言います。骨盤底筋を鍛えることで骨盤が安定し、尿もれ改善や予防にも効果的なんだそう。
まずは膝を立てて仰向けになり、両手を体の横に置いて脚を組みましょう。
そのままお尻→骨盤→腰→背中の順に持ち上げていき、膝と腰、肩が一直線になるようにします。腰は反らないように注意し、上げ切ったところで息を止め深い深呼吸を1回しましょう。このとき膣をぎゅっと締めるイメージで力を入れて。息を吐きながらお尻を床に下ろし、これを全部で10回程度、反対側の脚でも行いましょう。
脚を組んだ状態ではやりづらい、という場合は太ももの間にボールやタオル、枕など挟んで行いましょう。挟んだ部分にぎゅっと力を入れながら持ち上げてみて。
骨盤矯正トレーナー直伝!エクササイズのやり方
骨盤矯正パーソナルトレーナー Naokoさんによる簡単エクササイズをご紹介!
ぽっこりおなかを解消するエクササイズ1「股関節ほぐし」
下腹やせと股関節は縁遠いイメージですが、ぽっこりおなかは「骨盤のゆるみ」によって起こりやすく、ゆるみを整えるために必要なのが股関節の柔軟性です。また、股関節が硬くなると怠ける筋肉が出てきて、そのひとつが下腹。股関節をほぐすことで骨盤のゆるみが整ってインナーマッスルが引き締まり、下腹の筋肉もしっかり働くのでぽっこりおなかを解消できます。
STEP1. 股関節から脚を上げる
腰に手をあて、両脚を軽く閉じた状態で背筋をまっすぐ伸ばして立ちます。ひざを曲げ、股関節からゆっくり片脚を上げます(ひざがグラつかないところまで上げます)。つま先を上に向けるのがポイント。
STEP2. 股関節から脚をゆっくり大きくまわす
背筋をしっかり伸ばしたまま、股関節から脚をゆっくり大きくまわします。つま先はつねに上向きの状態をキープ。軸足の小指に力を入れ、足裏で地面をつかむイメージで立つと安定しやすくなります。上半身が前に倒れると効果がないので要注意。グラつきやすい人は1回まわしたら足を床につけてもOK。3〜5周まわしたら反対の脚も同様に行います。
ぽっこりおなかを解消するエクササイズ2「骨盤引き締め」
骨盤のゆるみをダイレクトに整える方法が「骨盤引き締め」です。背骨の腰あたりから始まり、骨盤内を通って太ももの骨まで伸びているインナーマッスルを鍛えると骨盤のゆるみが整って引き締まりますし、内臓が正しい位置に戻るのでぽっこりおなかを解消できます。
STEP1. 脚を大きく前後に開いて立つ
直立の状態から右足を大きく前に出し、右足と左足が一直線状に並ぶようにします。左足のかかとが浮く程度の幅にします。両手を上げ、左手の手首を右手でつかみます。
STEP2. 左足を横にスライドし、左の脇腹を伸ばす
左足を肩幅程度で真横にスライドしたら、右手で左腕をひっぱるようにして左の脇腹を伸ばします。脇腹を伸ばすときは、口をすぼめた状態でゆっくり息を吐きながら行います。からだの重心はつねに真ん中をキープし、前に倒れないようにします。また、あごは軽く引いた状態で行いますが頭が下がらないように注意。この状態で3〜5回深呼吸をしたら元の位置に戻り、足の前後を変えて反対側も同様に行います。
股関節ほぐしと骨盤引き締めは、無理のない範囲であれば1日何回でも、毎日でも行ってOKです。続けることで早くぽっこりおなかを解消できます。
エネルギーを燃やしながら骨盤のゆがみも整う「脚のプロペラ運動」
開脚した脚をプロペラのように動かす運動は、内ももの筋肉という大きな筋肉が動くことでエネルギー消費量がアップします。脚を大きく動かすことで硬くなりがちな股関節まわりがほぐれて骨盤のゆがみ調整もできます。すると、骨盤のやせコア(深層にあるインナーマッスル)が刺激され、筋肉がバランスよく使えるようになってやせやすくなります。
STEP1. 仰向けで脚を大きく開いて上げる
床に仰向けになって寝転び、両脚を大きく開いて真上に上げます。肩や背中、腰は床にぴったりつけます。ひじを90度で曲げ、手を頭のほうへ向けます。
STEP2. 上げた脚をプロペラのようにゆっくり回転させる
おなかの奥からゆっくり息を吐きながら左右の脚を大きく円を描くように回転させます。内ももの筋肉を使い、股関節からしっかりまわします。脚をまわすとき、腰が床から浮かないように注意。深呼吸を続けながら1分間で2〜3回転するスピードでゆっくりと行います。
内臓脂肪を燃焼する「リズム呼吸法」
Naokoさんのメソッドでは、呼吸法も大切にしています。息を吸って吐くときには、胸とおなかの間にある横隔膜が上下していて、上下がしっかり動くとインナーマッスルを刺激できるのでやせやすくなります。リズム呼吸法は、横隔膜をしっかり動かす呼吸をリズミカルに行うことで内臓脂肪の燃焼スピードを上げます。腸の刺激にもなるのでお通じもよくなります。
STEP. 【息を鼻から吸い、口から吐くときにお腹を凹ませる】を早いスピードで繰り返す
床に仰向けに寝転び、両手は横に置いてひじを曲げて手を上に向けます。息を鼻から吸い込み、口をすぼめた状態で息を吐きおなかを一気に凹ませます。次に吸うときは、おなか元の位置に戻します。吸って吐くをフッフッフッとできるだけ早く行い、おなかの上下も早く行います。肩が上がったり、お尻が浮かないように注意しましょう。呼吸10回を1セットとし、3〜10セット行います。
脚のプロペラ運動とリズム呼吸法はどちらを先に行っても問題ありません。無理のない範囲であれば1日何回でも、毎日でも行ってOKです。続けることで体重を早く落とすことができます。
骨盤の歪みを矯正したいなら姿勢習慣も見直そう
座っているときの姿勢に注意して
姿勢が崩れるのは主に座っているとき。骨盤の歪みにつながる悪姿勢をご紹介します。
猫背
仙骨座り
椅子に浅く腰をかけ、背もたれに寄りかかった座り方。のっぺりとしたお尻の筋肉が引き伸ばされ、垂れ下がったお尻が定着してしまうことに…。さらに骨盤が後傾することで、腰や背中が丸まってしまい、負担が増えてしまいます。結果的に頭痛、肩こり、腰痛の原因に。血液循環も滞るので、冷え性など日常生活にも悪影響が出る可能性も…。
横座り
横座りをする人は、大体いつも同じ方向に脚を流すクセがあるはず。片側に体重がかかることで、体の左右バランスが崩れてしまい歪みの原因になってしまいます。
割り座
正座を崩した割り座は骨盤が開いてしまう座り方。脚が内股になりO脚やX脚の原因になります。
立っているときの姿勢も大事ですが、座っているときの姿勢も意識して整えていきましょう。
メイン・アイキャッチ画像:(C)ShutterStock.com
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