【足下をすくわれる】って表現は間違っている!? これこそ〝足下〟をすくわれた気分!
勝負事などの際、相手にふとした隙を突かれて失敗するなどしたとき、〝ライバルに足下をすくわれた〟という表現を使ったこと、もしくは聞いたことはありませんか?
しかし、この【足下をすくわれる】という慣用句、実は正しい表現ではないんです!
平成28年に発表されたとある調査では【足下をすくわれる】を誤用している人が64.4パーセントと、半数以上の人が本来の言い方ではない方を使っているという結果が出ています。
では、正しい言い方とはいったい?
大ヒント!【足下をすくわれる】のある一文字を外します。
わかりましたでしょうか?
正解は…
【足を】すくわれる
でした!
【足を掬われる:あしをすくわれる】
→足を掬う[補説]【足を掬う:あしをすくう】
相手のすきをついて失敗させる。
「ライバルの―・う」
〔補説〕
文化庁が発表した「国語に関する世論調査」で、「足をすくわれる」と「足下をすくわれる」について、どちらの言い方を使うか尋ねたところ、次のような結果が出た。
[平成19年度調査]
・足をすくわれる(本来の言い方とされる)16.7パーセント
・足下をすくわれる(本来の言い方ではない)74.1パーセント
[平成28年度調査]
・足をすくわれる(本来の言い方とされる)26.3パーセント
・足下をすくわれる(本来の言い方ではない)64.4パーセント
~【足を○○】という慣用句はほかにもいろいろ!~
その1:足を限りに
【足を限りに:あしをかぎりに】
足の続く限り。歩ける限り。
その2:足を空に
【足を空に:あしをそらに】
足が地につかないほどあわて急ぐさま。
その3:足を出す
【足を出す:あしをだす】
予算または収入を超える金額を使う。赤字にする。
「―・さずに切り盛りする」
その4:足を付ける
【足を付ける:あしをつける】
手がかりやきっかけを作る。
その5:足を抜く
【足を抜く:あしをぬく】
好ましくない関係を打ち切る。不本意な環境から抜け出す。
(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
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