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赤ちゃんの衣類に柔軟剤は使えるのか
赤ちゃんの肌は大人に比べて敏感なため、直接触れる衣類のケアは慎重に行うことが大切です。洗剤の成分も気になるところですが、肌触りを良くするために柔軟剤を使っても大丈夫なのでしょうか?
柔軟剤はいつから使っていいの?
柔軟剤は衣類の肌触りを柔らかくしたり、心地よい香りを付けてくれたりします。市場に出回っているものは、アレルギー検査を経て販売されているため、一般的に安心して使えるものがほとんどです。また基本的には「いつから」という対象年齢の決まりはありません。
ただし検査はメーカー独自の評価で行われる場合もあるため、必ずしもすべての人にとって安全なわけではないのです。ものによっては、肌トラブルやアレルギーを引き起こす可能性があることを、理解しておきましょう。
敏感な赤ちゃんの肌に合うよう、衣類やガーゼ類は、新生児時期から生後2カ月くらいまで大人の衣類とは別にして洗濯するのが一般的です。別で洗う場合も一緒に洗濯する場合も、余分な成分が繊維に残らないようすすぎを徹底するのが重要です。きちんとすすぐことで、肌へのリスクを減らします。
赤ちゃん専用もあり
食器洗いやシャンプーなどに「赤ちゃん専用」があるように、柔軟剤にも赤ちゃんのことを考えて作られたアイテムがいくつか販売されています。購入するときに、パッケージに「ベビー用」や「赤ちゃん専用」と表示されているかをチェックしてみましょう。
大人用の柔軟剤は、良い香りを付けふんわりと仕上げると共に、長時間良い香りを持続させたり、汗に反応して香りを放出させたりと多機能なものが増えています。しかしその分、添加物や香料など、弱い肌には負担が掛かる成分が配合されている場合もあります。
赤ちゃん用の柔軟剤はそういった成分が含まれておらず、シンプルな処方で作られているのが一般的です。肌トラブルやアレルギーを引き起こすのが心配な場合は、赤ちゃん用のものを使用するのがおすすめです。
柔軟剤のメリットとデメリットを比較
そもそも、衣類の汚れや臭いを取るための洗濯洗剤に加えて、柔軟剤も使う必要はあるのでしょうか?柔軟剤を洗濯で使用するメリットとデメリットを比較してみましょう。
【メリット】
柔軟剤を洗濯に使用する一番のメリットは肌触りを良くすることです。洗剤だけで洗うと衣類やタオルの表面がごわつきやすく、肌に触れると固かったり、ときには痛かったりします。柔らかな感触になることで、肌への物理的な刺激を軽減してくれます。
さらに、繊維の表面に柔軟剤の成分が層を作り、静電気を防ぐ役割もあります。その結果、衣類やタオルを室内に畳んで置いてもホコリが付きにくくなり、赤ちゃんがホコリを吸うリスクを減らしてくれるという面もあります。
また赤ちゃんは大人よりも汗をかきやすく、関節や首回りに赤い湿疹が出ることがよくあります。柔軟剤の中には衣類の吸水性をアップさせるものもあり、こうした商品で洗濯することで衣類が肌から汗をよく吸い上げ、肌トラブルを防いでくれます。
【デメリット】
衣類を柔らかくする主成分は通常の洗剤よりも刺激が強く、柔軟剤を使用すると肌にとって刺激となる成分が繊維に残り、赤ちゃんの肌には負担になってしまうことも。近年人気の、良い香りを持続させる柔軟剤には香料が多く配合されているものもあり、赤ちゃんに使用するには刺激が強いことも考えられます。
また、柔軟剤の成分は、人によって過敏に反応してしまう症例もあるようです。成分により刺激を受けると喉が痛くなったり、鼻水が止まらなくなったりします。ひどい場合は、頭痛や吐き気に悩まされるケースもあるとされます。
加えて、「良い香りを衣類にもっと付けたい」「よりふんわりと仕上げたい」と、柔軟剤の規定量を守らずに使用すると、繊維に成分が過剰に残ることで本来良くなるはずの吸水力も落ちてしまいます。
使うときに注意したい成分2つ
赤ちゃんに使うものなので、含まれている成分を気にする人は多いのではないでしょうか。赤ちゃん用衣類に柔軟剤を使うときに気を付けたい成分をご紹介します。
1:合成界面活性剤
衣類の肌触りを柔らかくしたり、油分と水分をまぜて乳化させる働きがある「界面活性剤」は、天然由来のものと、合成のものがあります。合成界面活性剤は天然のものより洗浄力が強く、市販の洗剤・柔軟剤の多くに含まれている成分ですが、それほど汚れていない赤ちゃんの衣服には必要ないといわれています。
また合成界面活性剤が衣服に付着していると、皮ふへの負担になり肌あれやアレルギーの原因になりかねません。デリケートな赤ちゃんの皮ふのためには、合成界面活性剤ではなく天然由来の柔軟成分を配合しているものを選ぶと安心です。
2:合成香料
柔軟剤は良い香りを演出したり、効果を長続きさせたりするため複数の「合成香料」を使用していることが多いです。結果、肌トラブルやアレルギーを引き起こす原因になると考えられます。
合成香料入りのものを使用すると、赤ちゃんの肌に負担を掛けてしまう可能性があります。また大人にとって良い香りでも、嗅覚が敏感な赤ちゃんにとって強い香りは大きな刺激となります。香りの少ないタイプか、天然の香料を使用している柔軟剤を選びましょう。
柔軟剤選びのポイント
赤ちゃんには肌に優しく、柔らかな質感の衣類やタオルを使ってあげたいもの。肌への触感をなめらかにするために使う柔軟剤は、どのような点に着目して選ぶと良いのでしょうか?
・成分表示をチェックする
体内に直接入れる食べものの品質をチェックするのと同じように、柔軟剤もどのような成分で作られているか、細かく見てから選びましょう。手間ではありますが、大切な赤ちゃんの健康を守るためには重要な作業です。
柔軟剤は洗った衣類が乾燥した後も、繊維の表面に残りやすいといわれています。そのため前述通り、肌にあまり良くないとされる合成界面活性剤や合成香料が入っているものは避け、天然由来の成分を配合している柔軟剤を選びましょう。また「ノンシリコン」処方のものは肌への刺激が少ないと言われています。また、肌への負担が少ない植物性のものや、うるおい成分のセラミドなどが含まれているものを選ぶのも良いでしょう。
・メーカー、ブランドで選ぶ
赤ちゃん用品を販売しているメーカーやブランドからも、赤ちゃん専用の柔軟剤も発売されています。赤ちゃんのことを知り尽くした製造元であればより安心して選べるでしょう。
赤ちゃんへの使用を考慮してアレルギーテストを実施しており、データが公表されているのも安心できるポイントです。ブランドの商品は少し値が張るものもありますが、大切な赤ちゃんのことを考えて選んであげたいものです。