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LIFESTYLE 子育ての悩み

2021.04.11

これが10歳の壁!? 子どもが以前より約束を守らなくなってきたのはなぜ?

 

小学校低学年の時は親との約束を守っていたのに、小学3〜4年生あたりから約束を破る回数が増えてきた!? そう感じるのにはどのような理由があるのでしょうか。スクールカウンセラーとしても活躍している、臨床心理士・吉田美智子さんにお話をお聞きしました。

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「ギャングエイジ」って知っていますか?

「約束を守れなくなるには、子どもの人間関係の広がりに要因があります。幼少期は親との約束が何より大事でした。お母さんに褒められようと、その約束を一生懸命に守っていましたよね。それが小学校に入学すると、同じ問題でも親と先生で答えが違うことに直面します。それでも低学年頃は親を優先しているのですが、気の合う仲間ができる中学年頃になると、先生やお友達の影響が増えてきます。

ましてや10歳は【ギャングエイジ(仲間が1番大切な時期)】となり、親の影響力は今までよりも減ってしまうのです。仲間の約束は大事だけど、親との約束は自分の中で重要度が下がってしまう。よって、今までできていた約束が、いつしか守れなくなってしまうのです。しかしこれは成長過程のひとつで、親が大切じゃなくなったわけではないのでご安心を」(吉田さん)。

自分の子どもの頃を思い返すと、ちょっとわかる気がしませんか? 親が心配して言ってくれていた約束事よりも、友達との楽しい約束の方が断然優先してましたよね。

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約束に「つまずきポイント」はありませんか?

「みなさんはお子さんとの約束をどう決めていますか? 親が決めた約束事を、子どもに守らせるというパターンが多いのではないでしょうか。実はここに親と子の温度差があるんです」(吉田さん)

ゲーム編

「例えば【ゲームの時間】について。 〝1日1時間〟などご家庭でのルールがありますよね。そのルールは親が適切・妥当と考えたものです。しかし子供にしてみると『親が勝手に決めただけ』と思っていることもしばしば。親は勉強に食事、お風呂に…と生活のリズムを考えてこれだけの自由時間をと思っているのですが、子供は『親に一方的にコントロールされている納得していない約束』と認識されていて、守ろうとする意欲がないことも。

この親子の温度差は、約束を盾に上から目線で注意しても、子どもは反発するだけです。子どもによっては、ゲームだけが1日のうちで楽しい時間・自分らしくいられる時間という場合もあります。こういう子は『親は自分を認めてくれない』という錯覚を起こしてしまうことも。

ゲームの時間を守らせることよりも、この【つまずきポイント】を解消するのが大切です。 子どもの言い分を聞き、しかし生活リズムを崩さない時間設定を一緒に考えるのがベストではないでしょうか。例えば一律〝1日1時間〟ではなく、習い事や塾のある日は〝やらない〟。その代わり何もない日は〝2時間OK〟など、ゲーム時間の根拠がはっきりするといいかもしれません」(吉田さん)

勉強編

「例えば【宿題】。10歳で自発的に宿題ができないのであれば、いくら約束をしてもできるようにはなりません。まずは宿題ができない要因を親が把握します。寝る時間が遅く日中に集中力がかけている? 習い事や塾が大変で宿題が後回し? 先に遊びに出かけてしまい宿題の存在を忘れてる?など原因の特定をします。原因がわかれば必要な手助けができますよね。寝る時間を早めるために晩御飯を30分早くする。思い切って習い事をひとつやめてみる。宿題の存在を忘れないようおやつの前に宿題をやらせるなど。10歳にもなると親は自分でやって欲しいと思いがちですが、【つまずきポイント】はまだまだ存在するためサポートは必要です」(吉田さん)

「お友達はこうなんだって!」にはどうする?

「またゲームでも勉強でも、『お友達はこうなんだって』と、親との約束よりもお友達や先生の話を交渉材料に出してきます。たまに親も『えっ!?そうなの?』なんて動揺する交渉もあるかと思います。そんな時は頭ごなしに『NO』と伝えるのではなく、『ちょっと考えさせて』とお互い冷静になる時間を設けましょう。10歳ともなると、100%正しい答えを即答できる神様的な親よりも、自分のことを一緒に悩んだり考えてくれる方が100倍嬉しかったりします。しかし『○○くんは1日3時間ゲームしてる』や『◯○ちゃんはこれ持ってるから買って』的な交渉は、我が家ルールに乗っ取り『NO』とはっきり伝えましょう」(吉田さん)

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約束を守らないということは「親離れ」が始まっているってこと?

親との約束よりも先生やお友達を優先し始めるということは、「親離れ」が始まっているのでしょうか?

「約束を守らなくなってくると、『親離れが始まったのかな』と思いがちですが、これには慎重な対応が必要です。小中学生の間に見せる【子どもの親離れ】は部分的・衝動的である場合がほとんどです。例えば、自分で出来ると自信のあるものはひとりでやりたがり、親の手出しや口出しを嫌がります。しかし同等レベルのことがひとりでできるのかというと、出来なかったり、出来るけど自信がないため嫌がるなどの態度を見せると思います。

〝親の子離れ〟もまだ先と心得てください。10歳くらいになると、家では幼く甘えん坊だったりわがままを言ったりしても、学校や集団生活の中ではそれぞれの役割を果たして頑張っているものです。その頑張りは家での甘えが【エネルギー源】となっているので、そこをカットしてしまうと外で頑張れない子になってしまいます。家が厳しく甘えられない子は、学校で先生に甘えるか、それもできない場合は不適応(問題行動を起こす、学校で頑張れない)を生じさせます」(吉田さん)

10歳前後は自分を取り巻く社会の輪が一回り大きくなったり、その輪の中の人たちとの時間も大切にしたいと思う時期。親としてはちょっと寂しくもありますが、成長の証としてフレキシブルに対応していきたいですね。

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構成・文/福島孝代

写真/(C)Shutterstock.com

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臨床心理士

吉田美智子

東京・青山のカウンセリングルーム「はこにわサロン東京」主宰。自分らく生きる、働く、子育てするを応援中。オンラインや電話でのご相談も受け付けております。
HP
Twitter: @hakoniwasalon

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