【目次】
・「お見えになる」の意味とは?
・「お見えになる」の使い方は? 例文でチェック
・「お見えになる」の類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
・「お見えになる」の英語表現とは?
・最後に
「お見えになる」の意味とは?
■「お見えになる」の意味
「お見えになる」は、目上の方が「来る」ことを指す尊敬語です。普段ビジネスシーンで使われている方も多いでしょう。特に企業の受付や秘書、来客対応などの業務では、間違えてはいけない敬語の一つです。

(C)Shutterstock.com
尊敬語なので、自分や立場が下の人には使いません。「お見えになる」を使うのは、「自分以外」「目上」というポイントを押さえておくといいでしょう。
■「お見えになる」は二重敬語?
敬語を使う上で気を付けたいのが、敬語が重なる二重敬語です。この「お見えになる」が二重敬語かどうか、気になる方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、「お見えになる」は尊敬語が「お見え」だけなので、二重敬語にはあたりません。ただしここで注意したいのが、「お見えになる」とよく似た「お見えになられる」という言葉。オフィスなどの会話で耳にしたこともあるかと思われます。
先ほど解説したように「お見えになる」は二重敬語ではありませんが、実はこちらの「お見えになられる」は、「お見え」と「なられる」という敬語が重なる二重敬語です。敬意を払ってより丁寧に言ったつもりでも、敬語を重ねると二重敬語で誤用になりますので、注意しましょう。
「お見えになる」の使い方は? 例文でチェック
正しく使えないと恥ずかしい敬語「お見えになる」。いまさら聞けない「お見えになる」の具体的な使い方を、実際に例文でチェックしてみましょう。

(C)Shutterstock.com
1:「社長がお見えになりました」
社長が来たことを相手(周囲)に知らせるフレーズです。シンプルに「社長がお見えです」でも大丈夫です。その場に応じて使い分けるといいでしょう。
2:「今日は大切なお客様がお見えになる予定です」
お客様が来られる予定であることを「お見えになる」を使って表しています。
3:「会長がお見えになるまでに準備を整えましょう」
「お見えになる」というフレーズを使うのは、相手が目上の方の場合です。この場合は「会長」という役職の高い方の到着までに、必要な準備を整えるという配慮をしています。
「お見えになる」の類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
「お見えになる」の言い換え表現についてもチェックして、慣れてきたら相手や場面によって使い分けられるといいですね。

(C)Shutterstock.com
1:「お越しになる」
「お越しになる」は「お見えになる」とほとんど同じ意味で使うことができるフレーズです。違いは、「お越しになる」のほうは「わざわざ」というニュアンスが含まれている点です。
また、「お越しになられる」は「お見えになられる」同様、二重敬語になり誤用です。丁寧さを心がけるあまり、知らず知らずのうちに二重敬語になってしまう癖のある方は、意識して直すようにしましょう。
2:「いらっしゃる」
「いらっしゃる」も「お見えになる」と同じで、「来る」の尊敬語です。
比較してみるとわかりやすいのですが、「〇〇様がお見えになる」と「〇〇様がいらっしゃる」とでは、「〇〇様がお見えになる」のほうがより丁寧な印象を受けますよね。身近な上司なら「いらっしゃる」でも問題ありませんが、より上の立場の上司や、お客様に対しては「いらっしゃる」より「お見えになる」を使ったほうが無難でしょう。
3:「おいでになる」
「おいでになる」も上の「お越しになる」「いらっしゃる」と同じで、「来る」の尊敬語です。「おいでになる」は「来る」の他に、「行く」と「居る」という意味も持っています。例えば「〇〇様はすでに来客室においでです」なら、「もう来客室にいてる(居てる)」という意味で、この場合は「来る」「行く」ではなく、「居る」という意味を表しています。
「お見えになる」の英語表現とは?
「お見えになる」の英語表現にはどのようなものがあるか、チェックしておきましょう。英語には日本語のような敬語がありません。「お見えになる」という単語を記憶の中から探す必要はなく、中学校で習ったような簡単な単語で表すことができます。

(C)Shutterstock.com
・「The guests will be here soon.」
(お客様がお見えになる)
・「I look forward to seeing you.」
(あなたがお見えになるのをお待ちしています)
最後に
目上の方の「来る」という行為に対して使われる、「お見えになる」という言葉。上下関係のあるビジネスの場においては必須ワードで、使い方を間違えることのできない基本の敬語です。また、二重敬語にもしてしまいやすいので、間違いのないように注意しましょう。
「お見えになる」と同じ意味を持つ「お越しになる」「いらっしゃる」「おいでになる」などを、その場に応じて上手く使い分けることができると、一目置かれること間違いなしです。
トップ画像・アイキャッチ/(C)Shutterstock.com
こちらの記事もたくさん読まれています
目上の人には使ってはいけない!?「ご了承ください」の正しい意味や敬語表現・類語をご紹介
「ご連絡させていただきます」の正しい使い方とは?例文や敬語表現をご紹介