「お越しになる」
「お越しになる」は「お見えになる」とほとんど同じ意味で使うことができるフレーズです。
なお、「お越しになられる」は「お見えになられる」同様、二重敬語となり誤用です。丁寧さを心がけるあまり、知らず知らずのうちに二重敬語になってしまう癖のある方は、意識して直しましょう。
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「いらっしゃる」
「いらっしゃる」も「お見えになる」と同じで、「来る」の尊敬語です。
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「おいでになる」
「おいでになる」も「お越しになる」「いらっしゃる」と同じく、「来る」の尊敬語です。

「お見えになる」の英語表現とは?
「お見えになる」の英語表現にはどのようなものがあるかもチェックしておきましょう。
英語には「丁寧な表現」はあるものの、日本語のような敬語が明確にはありません。「お見えになる」というニュアンスは、中学校で習ったような簡単な単語で表すことができます。
例文
・The guests will be here soon.
(お客様がお見えになる)
・I look forward to seeing you.
(あなたがお見えになるのを心待ちにしています)
よくある質問
ここでは、「お見えになる」に関してよく寄せられる疑問点について解説します。適切な敬語を使うことは、ビジネスコミュニケーションにおいて非常に重要です。ぜひ、日頃の言葉使いの参考にしてください。
Q. 「お見えになられました」は敬語として正しいですか?
先述の「お見えになられる」と同様、「お見えになられました」も二重敬語(敬語の重複)にあたるため、文法的には誤りです。「お見えになる」自体が「来る」の尊敬語であり、これにさらに尊敬語の「〜られる」を重ねているためNGとなります。正しい表現は「お見えになりました」です。
Q. 「ご挨拶にお見えになりました」の使い方は?
このフレーズは、目上の方や来客が、何らかの目的(この場合は「挨拶」)を持って来社・来訪されたことを伝える状況で使われます。「先ほど、取引先の〇〇様がご挨拶にお見えになりました」などと用いられるのが一般的でしょう。
Q. 名古屋弁で「お見えになる」の意味は?
名古屋弁(東海地方)においても、「お見えになる」は「(目上の方や来客が)来る」という意味で使われます。地域特有の尊敬表現「~みえる」が多用される背景から、特に自然と用いられる傾向にあります。
Q. 「お見えになる」と「来られる」の違いは?
「お見えになる」は「来る」の最高敬語(尊敬語の中でも特に敬意が高い表現)の一つです。主にお客様・役員・社長など、非常に高い敬意を払うべき相手に対して使用します。
一方「来られる」は「来る」の尊敬語。「いらっしゃる」よりも少し丁寧さは減りますが、一般的な尊敬表現として広く使われています。目上の人やお客様にも使えるものの、「お見えになる」ほど最高の敬意を表す言葉ではありません。
使い分けとしては、改まった場や、より丁寧さが必要な場面では「お見えになる」を、日常的なビジネスシーンで一般的な目上の方に対しては「来られる」「いらっしゃる」を用いるのが適切です。
最後に
- 「お見えになる」は「来る」の尊敬語で、目上の方やお客様に使う正しい敬語
- ビジネスシーンでは、来客への敬意を示し、プロフェッショナルな印象を与える言葉
- 「お越しになる」「いらっしゃる」「おいでになる」は類語であり、状況によって使い分けると洗練された印象に
「来る」という行為に対して使われる、「お見えになる」という敬語。上下関係のあるビジネスの場においては必須ワードですので、使い方を間違わないよう気をつけたいところです。また、二重敬語にならないように注意しておきましょう。
一段上のビジネスパーソンを目指すなら、「お見えになる」と同じ意味を持つ「お越しになる」「いらっしゃる」「おいでになる」などの類語を、その場に応じてうまく使い分けてみてくださいね。
TOP画像/(c) Adobe Stock
Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。https://domani.shogakukan.co.jp/
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