小学校低学年で習う漢字の組み合わせの意味が、中国語と日本語でこんなにも違うとは…
中国語で「彼、彼女」は「他」ということを前回ご紹介いたしました。
「私」「私たち」は「我 (Wǒ)」「我們 (Wǒ men)」。
「あなた」「あなたたち」は「你 (Nǐ)」「你們 (Nǐ men)」。
そして「彼、彼女」「彼ら、彼女ら」は「他 (Tā)」「他們 (Tā men)」。動物も発音は同じで漢字のみ「它 (Tā)」「它們 (Tā men)」となります。
語学の基本ともいえる人称代名詞はこれでマスター!
でももうひとつ覚えておきたいのが、これらすべての人を含めた「みんな」という言葉。
みなさんは、中国語で「みんな」をどのようにいうか聞いたことありますか?
正解は…
「大家 (Dà jiā)」。
この漢字の組み合わせ、日本語だと想像するのは、大きい家、または、大家さん、そんななころでしょうか。
ちなみに、中国語でよく聞く「こんにちは」という意の「你好」も、ある一定の人数、たとえば日本語でも「みなさん、こんにちは」というようなシーンでの「こんにちは」のときには「大家好 (Dà jiā hǎo)」となります。テレビ番組やコンサートの冒頭の挨拶では、必ずといっていいほど「大家好 (Dà jiā hǎo)」が聞こえてきます。
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余談ですが、私が台湾の航空会社に勤めていたときも、CAの先輩に会えば「學姐好 (Xué jiě hǎo)」、教官に会えば「教官好 (Jiào guān hǎo)」、機長に会えば「機長好 (Jī zhǎng hǎo)」、そして総裁に会うようなことがあれば「總裁好 (Zǒng cái hǎo)」と、相手によって主語を変えて挨拶をしていました。
そして、ときに「この人誰だったっけ!」なんていう失礼極まりないシチュエーションに出くわしてしまったときには、ひとまず笑顔で「您好!!」(「您」は「你」の敬語表現)。それでその場を切り抜けていました。
そんなわけで、その人がどのようなポジションの人なのか、また自分にとっての誰に当たるかということを把握しているということは、台湾の企業に勤める上で非常に重要だったと感じています。
話が逸れてしまいましたが、そんなどんな立場の人もひっくるめた「みんな」という言葉、それが「大家 (Dà jiā)」というわけなのです。
【続】
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美容ライター
有田 千幸
外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。