「温厚」・「温厚篤実」の意味・例文・英語
「温厚」・「温厚篤実」は、「情に厚く、誠実なさま」を表し、日頃からよく使う言葉のため「もう知っている!」という人も少なくないでしょう。ここでは、言葉の意味と例文、また英語表現をご紹介します。
■「情に厚く、誠実なさま」を意味する
「温厚」・「温厚篤実」は、「情に厚く、誠実なさま」を意味します。「温厚」は「穏やかでまじめなさま」を表し、「篤」は真心がこもっている様子、「実」は誠実を意味します。「温厚篤実」は言葉の意味をそのまま並べると、「穏やかで真面目、真心がこもった誠実な人」となり、「これ以上の性格はないのでは」というほどの人柄を表しているのです。「温厚篤実は人ですね」は、最高の褒め言葉に違いありません。
■「温厚」・「温厚篤実」の例文
「温厚」・「温厚篤実」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。
【例文】
・中学校の校長先生は、温厚篤実な人柄で評判でした。
・私は、できる上司よりも温厚篤実な上司のほうが好きだ。
・私の夢は、温厚な人と結婚することです。
・祖父の温厚で柔和な笑顔にいつも癒されていました。
■「温厚」・「温厚篤実」の英語表現
「温厚」・「温厚篤実」の英語訳には、「mild」「sincere」「gentle」などが挙げられます。 「mild」は、「温厚な」「優しい」という意味。人の性格を表すときにも使いますが、その対象は「物」や「環境」なども含まれ幅広いのが特徴でしょう。
たとえば「a mild skin cream」は、「肌に優しいスキンクリーム」という意味です。 「sincere」は、「うそのない」「正直な」「誠実な」という意味。「gentle」は「優しい」「穏和な」「穏やかな」「上品な」という意味で、「gentle」もまた対象は人だけでなく「天候」や「環境」なども含まれます。
【例文】
・He is a mild person.
彼は温厚な人だ。
・That place is a mild climate.
あの場所は穏やかな気候です。
・That old man is a sincere man.
あの老紳士は誠実な人柄だ。
・Mr. Yamamoto, for whom I have a sincere regard.
私の敬愛する山本君です。
・I like a gentle rain.
私は、優しい雨が好きだ。
・He speaks in a gentle voice.
彼は優しい声で話した。
「温厚」・「温厚篤実」の類語3選
「温厚」・「温厚篤実」の類語には、「柔和」「温順」「温柔敦厚」の3つが挙げられます。普段使っている言葉もありますが、「温柔敦厚」は「初めて聞いた」という人も少なくないでしょう。言葉の引き出しを増やすためにぜひ参考にしてください。
1.「柔和」
「温厚」・「温厚篤実」の類語に「柔和」があります。「柔和」は「にゅうわ」と読み、「優しく穏やかなさま」を表す言葉です。人の性格や態度が優しい様子を指しています。
「柔和」の対象は人で、「天候」などには使えません。ただし、人を模したものには使うことができます。たとえば人を描いた絵や模した仏像などです。 いくつか例文を挙げましょう。
【例文】
・彼の両親は柔和な性格で、私にも優しくしてくれる。
・我が社の社長は、柔和な物腰ながら決断力に優れている。
・あのお寺には、柔和な顔つきの仏像が鎮座している。
2.「温順」
「温順」も「温厚」・「温厚篤実」の類語です。「温順」は「おんじゅん」と読み、「おとなしく素直なこと」を意味します。人だけでなく動物などにも使える言葉です。温順を使った言葉に「柔和温順」「温順篤実」があります。いずれも「穏やかでおとなしい」「人柄が誠実だ」といった意味です。
次に、「温柔」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。
【例文】
・我が家の犬は温順な性格で番犬の役割をなさない。
・私の父は温順な人柄で、多くの人に好かれている。