【目次】
そもそも「天然な人」とは?
何気なく使いがちな「天然」という言葉ですが、まずはその意味を改めてチェック。
【天然】
1. 人為が加わっていないこと。自然のままであること。また、そのさま。
2. うまれつき。天性。
(小学館刊・デジタル大辞泉)
【臨床心理士に聞く】天然な人の特徴とは?
「天然」という言葉を人に対して用いる場合、辞書の意味だけでは少々どのような意図で使われているのかがわかりにくいところ。ということで、臨床心理士の吉田美智子さんに「天然」と思われる人の特徴について教えていただきました。吉田さんは、「天然」と思われがちな人について次のように言います。
「人は成長するに従って、TPOにあった態度を取るとか、場の空気を読んで行動するなど、社会に適応する言動を取るようになるものです。『天然』と思われる人は、そのような年齢相応の社会性を感じさせない自然さ、場合によっては幼さを感じさせる人を指すと思われます」(吉田さん)
さらに吉田さんによると、「天然」と言われがちな人にはおもに次のような特徴が挙げられるそう。
・マイペース
・思ったままに反応する・表現する (裏がない)
・他人の目、思惑、評価に気づかない/気にならない
・万能感 (不安や心配と無縁)
・遠慮しない
・葛藤しない/悩まない
「天然とされる人としてまず考えられるのが、(1) 子どもの頃のままの絶対的安心感、信頼感、万能感を失わずに大人になった人。主観的な視点に基づく思考・言動をし、客観的な視点が欠如しているとも言えます。でも突き抜けて子どものままなので、憎めないと思われがち。または、(2) 一度は色々と悩んで格闘した後に、自分の生き方として「天然」を選んだ人。突き抜けた強さがある人と言えます。
前者は幸運な人のように感じます。もともとの性格に加えて、環境に恵まれていたと思われるからです。後者は、『天然』のよさ、強さを認め、努力で獲得していった人。芸術家・表現者などに多いのではないでしょうか」(吉田さん)
【アンケート】あなたの周りで天然だと思う人はいる?
みなさんの周りには「天然だなぁ」と感じる人はいますか? ワーママ100人にアンケートを取ったところ、「はい」と回答したのは24.2%で、およそ4人に1人という結果に。
※アンケートは30~45歳の日本全国の有職既婚女性を対象にDomani編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数110名(未回答含む)。
【アンケート】どんな人を「天然な人」と感じる?
続いてワーママのみなさんに、どのような人に対して「天然」と感じるかについて聞きました。回答の中から代表的なものをご紹介します。
・独特な回答をする
「質問したときに自分の思ってた答えとは違う答えが返ってくる」(30代・兵庫県・子ども1人)
「的外れな回答をする」(30代・京都府・子ども2人)
・予想外の行動で周囲を和ませる
「面白い発想や行動を無意識にしていて、周りを和ませる」(30代・岐阜県・子ども1人)
「時々、突拍子もないことを言い出す。 自分が何かやらかしていることに気づいていない。 周りを和ませる」(40代・宮崎県・子ども2人)
・なかなか思いつかない発想をする
「奇想天外な発想で新たな気づきを与えてくれる」(30代・新潟県・子ども2人)
「他人が思いつかないような言動をする人」(40代・愛知県・子ども2人)
・空気が読めない
「空気が読めないが、悪気はないので憎めない」(40代・東京都・子ども2人)
・うっかりしていることがある
「仕事などは真面目でできるのに、それ以外の面で、うっかりミスが起こったり、突拍子のない発言をしたりする」(30代・広島県・子ども3人)
アンケートの結果、思いもよらない言葉や行動、発想など、こちらの予想を裏切る言動をする人に対して「天然」と感じる人が多いよう。上記以外にも「周りに染まっているようで自分のペースをうまく崩さない」人や「周りを気にしない」人、また、天然な人は「本人は (天然であると) わかっていない」のではないかという回答もありました。
【アンケート】天然な人にどんなふうに接する?
それでは、そんな予想外な言動を取りがちな「天然な人」に対して、みなさんどんなふうに接しているのでしょうか。回答の中から代表的なものをピックアップしました。
・普通に関わる
「普通に関わる。特に線引きする必要はないと思う」(30代・神奈川県・子ども2人)
「特別対応を変える必要はないと思う」(30代・香川県・子ども2人)
「普通に接していれば大丈夫」(40代・栃木県・子ども2人)
・そういう人だと思って割り切る
「そういう人だと受け入れる」(30代・兵庫県・子ども1人)
「人はみんな自分とは違う考えを持っているものだと言い聞かせる」(40代・神奈川
「それをその人の個性とし、そういう人だと常に思うこと」(30代・広島県・子ども3人)
・イライラせず大らかに接する
「イライラしないように余裕を持つ」(40代・埼玉県・子ども3人)
「悪気はないのであまり変な発言に対して怒らない方がいい」(40代・静岡県・子ども4人)
「大らかな気持ちで接する」(30代・静岡県・子ども2人)
・受け流す/真に受け過ぎない
「意味がわからな過ぎるときは話を流す」(30代・東京都・子ども1人)
「また言ってるな~というくらいで深く考えないこと」(40代・愛知県・子ども2人)
・深く関わらない
「深入りしない」(30代・神奈川県・子ども3人)
「距離を保つ」(30代・埼玉県・子ども3人)
・合わせる
「相手に合わせる」(40代・東京都・子ども2人)
「基本感性で生きている人だと思うので、こちらも良い意味で一歩引くことが大切になると考えます。我を出すと衝突の原因になりそうです」(30代・東京都・子ども3人)
アンケートの結果によると、特に気にせず普通に接する人や、そういう人だと受け入れて関わる人が多いようです。また、イライラしないよう大らかに対応する、相手に合わせたり一歩引いて接するという回答をした人も多くいました。上記以外には「言いたいことははっきりと言う」、「 (付き合いを) 楽しむ」、「気になることがあってもスルーする」という人も。
【臨床心理士に聞く】天然な人と上手に関わるには?
最後に吉田さんに、天然な人と上手に関わりたいと思ったときどのように接したらよいか聞きました。
「『天然な人』とうまくやりたいとしたら、自分の方が上手に合わせるのがよいと思います。普通の言い方では伝わらないことも多く、察して動くのは困難なので、言葉ではっきり伝えましょう。自分側が合わせてばかりだと損する気持ちになるかもしれませんが、場を明るくする、ストレートなコミュニケーションの恩恵を周囲も受けられる、空気を読みすぎて不自由になりがちな自分を顧みることができるなど、天然な人がいてくれることで得られるメリットもあるはず。せっかくなので、多様性のもたらすギフトを享受しましょう」(吉田さん)

イラスト/Shutterstock.com
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