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LIFESTYLE 夫婦

2021.08.08

「ママ自身が幸せかどうか」がいちばん大事【モデル牧野紗弥の夫婦生活ホントのところ45】

モデルであり3児の母でもある牧野紗弥の人気連載。夫婦別姓やフェミニズムを考えるうえで、発見したり戸惑ったことを、正直につづります。今回は、上野千鶴子さんとお話して気づかされたこと。そこから、自分自身の幸せについても考えます。

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フェミニズムは「強がる」ためにあるのではない

前回に触れた朝日新聞デジタルのオンラインイベント「think gender」では、社会学者の上野千鶴子さん(認定NPO法人 ウィメンズ アクション ネットワーク理事長)とお話をさせて頂きました。

上野さんといえば、2019年度の東京大学入学式での祝辞が大きな話題となりました。祝辞は東京大学のWebサイトで全文掲載されているので、ぜひ読んでみてください。その中で私が感銘を受けたのは、終盤に出てくる部分。上野さんご自身が、女性学をつくり、教える立場になった経緯に続いて、現在のフェミニズムを「強がる」ためにだけ使わないで欲しいと訴えています。

「フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではありません。フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です」

強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きる。これは、上野さんとの対談でも一貫して感じたことです。

「お母さんの人生、悪くないな」と思ってもらえたら

でも、実際はどうでしょう。支え合って生きる土台をつくるのに、日常では多大な時間と労力を使わなくてはなりません。弱さを認め、モヤモヤを解決しようとして、夫の理解を得ることには根気も必要。そもそも、多くの場合女性側からそれを働きかけないといけないし、子育てをしながら夫に伝え続ける負担も大きい。

具体的な解決法は、まだ見つかっていません。けれど、繰り返し上野さんがおっしゃっていたことは、相手ではなく自分の側の心のあり方でした。

「まずは親が、お母さんが、幸せかどうかということが大切よ」と。そして、「子どもに同じような思いをさせたくないと、お母さんが自覚してください」とも。

子どもたちは思った以上に親の姿を見ています。母として伸び伸び生きている姿を見せて、子どもたちに「お母さんの人生も悪くない。あんなふうになれたらいいな」と思ってもらうことで、これからの子どもたちの負担を断ち切ることにつながる。上野さんからはそう教えていただきました。

▲ママの姿を見て、娘はなんて思っているのかな(笑)。最近はストレートに気持ちをぶつけてくれることが増えて、すごく誇らしいよ!

「母親の期待に応える」=「いい子」じゃない

納得する話が続く一方で、受験に絡めたお話では、ドキっとさせられることもありました。

「親というものは残酷なもので、子どもに対して“条件付きの愛”を持っている人が多い。あなたが私の期待に応えている間はいい子だけれど、そうじゃないあなたは私の子ではない」というのです。

もし頑張って受験した小学校で、そこから先はエスカレーター式に上がりたくないと言ったら? きっと私は子どもの意見を聞きたいと思いつつも、すぐには答えは出せないでしょう。また、子どもの成績が心配で塾に行かせたいけど、その気にならないとしたら? なんとかして行かせる方法を考えるかもしれません。

でも、いずれの場合も、子どもが自分自身で道を選ぼうとしている証拠です。その選択肢を、「私が意図しないこと」だという理由で「NO」を突きつけてしまうのは、上野さんの言う「条件付きの愛」になるのかもしれません。

その時々で親子で話し合いをするのは労力も必要だし、相当の覚悟が必要だったりもします。上野さんいわく、「子どもに選択肢を教えるのが親の役割、レールを引いて導くことではない」。そして、「私たちが持ち合わせている教育理念そのものは20年前の産物で、それこそがバイアスでもある」。「それを頭に入れておいてくださいね」と話していました。

母親自身が自立して幸せに生きる姿、そして子どもの生き方を尊重する姿勢。それが次世代を生きる子どもの後押しになる。今はそう信じています。

▲「女の子だから」「男の子だから」ではなく「自分なら」で考えてほしい。そして、自分の幸せを大切に、可能性をどんどん広げてほしい!

モデル牧野紗弥の夫婦生活ホントのところバックナンバー

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モデル

牧野紗弥

愛知県出身。小学館『Domani』を始め、数々のファッション誌で人気モデルとして抜群のセンスを発揮しながら、多方面で活躍中。キャンプやスキー、シュノーケリングなど、季節に合わせたイベントを企画し、3人の子供とアクティブに楽しむ一面も。今年は登山に挑戦する予定。自身の育児の経験や周囲の女性との交流の中で、どうしても女性の負担が大きくなってしまう状況について考えを深めつつ、家庭におけるジェンダー意識の改革のため、身を持って夫婦の在り方を模索中。

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