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2022.11.26

今さら聞けない!【サスティナブル】ってどんな意味?

サスティナブル(sustainable)とは、「持続可能な」という意味の英語です。国連が2015年に提唱した目標「SDGs(Sustainable Development Goals)」により、頻繁に用いられるようになりました。具体的に何を指すのか、どのような取り組みが行われているのか解説します。

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「サスティナブル」とは何ですか?簡単にわかりやすく解説

サスティナブルとは、持続可能なという意味の言葉です。今、世界的にサスティナブルな社会づくりが注目を集めています。

草むらの上のガラスの地球儀

サスティナブルな社会とは、次の世代にも引き継げる社会です。地球環境を破壊せず、有限の資源を使い切らず、美しく平和な状態で世界を維持していくことを指します。

■サスティナビリティとは持続可能性のこと

サスティナビリティ(sustainability)は持続可能性という意味を指します。サスティナブルは形容詞なので「サスティナブルな◯◯」のように名詞を修飾するときに用いられますが、サスティナビリティは名詞なので「~なサスティナビリティ」のように文章の最後に来ることが多いです。

〝SDGs〟とは国連の持続可能な開発目標のこと

SDGsとは、国連が2015年に提唱したより良い世界をつくるための持続可能な開発目標のことです。17の具体的な目標で構成され、2016年から2030年の15年間で到達することを目指しています。この17の目標が目指すところは、次の7つに分類することが可能です。

小さな植物の芽が出ている様子

– 持続可能な開発目標 7つの分類 –

・貧困や飢餓のない生活を目指す
・水と衛生状態をサスティナブルな方法で提供する
・持続可能な産業モデルを構築する
・性別や人種による差別をなくす
・海洋資源を持続可能な方法で開発する
・陸地を持続可能な方法で管理する
・持続可能なエネルギーを確保する

 

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

■貧困や飢餓のない生活を目指す

SDGsの1番目の目標として、地球上のすべての場所で貧困を終わらせることが挙げられています。この貧困はあらゆる形の貧困を指すため、絶対的な貧困だけでなく相対的な貧困も含まれていると考えられるでしょう。

例えば周囲の同年齢の子どもが所有しているものを所有できないこと、国や地域によってはスマホなどを持っていないことも貧困に該当するかもしれません。

また、SDGsの2番目の目標には飢餓のない世界を目指すことも記載されています。そのためには、持続可能な方法で農業を行い食糧を安定的に確保すること、個人個人の栄養状態を改善することが必要になるでしょう。

十分な食糧を確保することで、3番目の目標であるすべての人の健康的な生活や福祉の推進も実現に近づきます。

■水と衛生状態をサスティナブルな方法で提供する

食糧を育てるためにも、そして人と動物が生きていくためにも水は不可欠です。衛生的な環境が維持されていること、また、安心して飲める水があることは、生活に不可欠なことといえるでしょう。

SDGsの6番目には水と衛生についての目標が記され、9番目には水道などのインフラを整備することが目標として掲げられています。

■持続可能な産業モデルを構築する

食糧や水だけで人は生きていくのではありません。仕事を求めるすべての人に仕事があり、消費と生産がスムーズに進むことが生活には不可欠です。

SDGsの8番目には持続的かつ持続可能な経済と雇用についての目標が掲げられ、11番目には居住地の安全性、12番目には消費と生産のパターンの確保についての目標が記載されています。

■性別や人種による差別をなくす

すべての人が同じ権利を持って生活するためにも、性別や人種による差別は許されることではありません。SDGsの5番目には性別による平等、特に女性と女児の権利を守ることについての目標が記載されています。

また、差別を失くすためにも公平に質の高い教育を受けられることや、必要に応じて司法を利用できることが求められるでしょう。SDGsの4番目には教育の機会の平等、16番目には司法の平等、そしてそれらを達成したときに実現できる国家間の平等については10番目に記載されています。

■海洋資源を持続可能な方法で開発する

地球の多くの場所を覆う海は、十分に開発されているとはいえません。今後、地球で人と動物が生活していくためにも、海洋と海洋資源の開発は避けては通れない分野といえるでしょう。

SDGsの14番目には海洋資源をサスティナブルな方法で開発すること、17番目にはサスティナブルな開発において世界が協力することについて触れられています。

■陸地を持続可能な方法で管理する

海だけでなく、陸地もまだまだ開発し切れていません。私たち人間が生活する場に対する理解を深めるためにも、陸地や陸上の生態系について研究・管理することが必要といえるでしょう。

SDGsの15番目は、陸上生態系の保護や森林の管理、砂漠化への対処などが記載されている項目です。また、13番目では気候変動に着目し、近年急激に進んでいる温暖化に立ち向かう必要性について記載されています。

■持続可能なエネルギーを確保する

人々が安全かつ快適に生活し、なおかつ海洋や陸地を開発するためには、多大なエネルギーが必要となります。しかし、石油や石炭などの化石燃料は十分な量があるとは言えず、また、持続可能なエネルギーではないためいつかは枯渇する恐れがあるでしょう。

SDGsの7番目では持続可能なエネルギーを確保することについて記載されています。例えば風力や地熱、太陽光などのエネルギーであれば、化石燃料とは異なり二酸化炭素が排出されず、地球をクリーンに保つことができるでしょう。

また、持続可能であるため、利用量が多いからといって将来のエネルギーを奪うことにはなりません。

サスティナブルな取り組みを行う団体

社会や地球を持続可能なものとするためには、将来を見据えた活動が必要となります。例えば化石燃料のように持続可能でないエネルギーを大量に使うならば、将来の人類が使用できるはずのエネルギーを奪ってしまうことになりかねません。

6人の人が手のひらを上むきに重ねて苗木を包んでいる様子

社会や環境のサスティナビリティを維持する取り組みを行う団体も増えてきました。特に次の3つの業界、企業では、サスティナブルな取り組みが積極的に実施されています。

・アパレル、ファッション業界
・建築業界
・サスティナブル経営を行う企業

 

■アパレル、ファッション業界

従来からアパレル業界やファッション業界は、環境負荷の高さを指摘されていました。例えばコットンの洋服をつくるには、綿を何度も洗うことや染色することなどの汚水を排出する工程が不可欠です。また、化学繊維の洋服をつくる際にも、数えきれないほどの有限資源を利用する工程や、汚水や二酸化炭素、有害物質などを生み出す工程が含まれています。

しかし、近年のファッション業界ではサスティナブルな取り組みやサスティナブルなファッションが注目されるようになってきました。製造までにかかるエネルギー量を抑えたり、高品質の製品を生み出すことで消費サイクルを長くしたりする試みが実施されています。

また、再利用しやすい流通・回収の仕組みを構築することなども、ファッション業界全体で取り組むようになってきました。

実際のところ、長持ちする洋服や再利用システムなどはファッション業界の利益を減らす行為です。しかし、地球の将来を真剣に考えるならば「利益が減るから」という理由でサスティナブルな活動を避けることは、未来志向とはいえません。

アパレル、ファッション業界のサスティナブルな取り組みに応えるためにも、消費者一人ひとりが長く着られる洋服を選び、まだ着られるものはリサイクルする、家族でシェアするなどを実践していくことができるでしょう。また、購入するときは「本当に必要なのか」と自問自答し、所有するだけの服を減らすことも大切です。

■建築業界

エネルギー効率が良い住宅に暮らすことで、エネルギー消費を抑え、二酸化炭素の排出を減らすことが可能です。建築業界ではエネルギー効率に優れた住宅の開発に取り組み、建物を通して環境負荷を減らすことを目指しています。

政府も建築業界の取り組みを後押ししてきました。例えば省エネ効果のある住宅を購入する消費者に補助金を支給し、サスティナブルな住宅の普及をサポートしています。また、開発に尽力する住宅メーカーなどが適切な評価を受けられるように、省エネ性能に優れ、なおかつ環境負荷を低減する建物に対して「サスティナブル建築賞」を授与してきました。

■サスティナブル経営を行う企業

サスティナブル経営とは、元々、消費者から信頼を得ることで継続的な利益を得、企業としても存続し続けることを指す言葉です。

しかし、近年では、リサイクルに取り組むなど環境問題についての意識が高い企業、あるいは企業活動にサスティナビリティの概念を取り入れた企業を「サスティナブル経営を行う企業」と呼ぶようになってきました。

個人ができるサスティナブルな取り組み

企業だけでなく個人も、美しい世界を守るためにサスティナブルな取り組みを実施できます。例えばサスティナブルな取り組みを行う企業を積極的に利用し、企業活動を後押しすることも個人ができるサスティナブルな取り組みといえるでしょう。

リサイクルや植樹、太陽光発電など、街中のサスティナブルな活動をイラストにしたもの

また、ゴミが出ないように長持ちするものを選ぶこと、使えなくなったときは修理や修繕をして再度利用すること、使わなくなったときはリサイクルすることなども個人ができる取り組みです。

一つひとつのものを大切にすることが、地球を大切にし、未来の子どもたちに美しい環境を用意することにつながるのです。

■サスティナブルフードを選ぶ

サスティナブルフードとは、持続可能な食べ物のことです。これは持続可能ではない食べ物を避け、将来の生態系を守ることを指します。

食べ物の中には、将来的に食べられないだろうと考えられているものも少なくありません。例えばマグロやウナギなどは絶滅の恐れがあるため、乱獲は避けることが好ましいでしょう。

また、フードロスをなくすことも、個人ができるサスティナブルな取り組みです。購入するときには食べ切れるものだけを選び、賞味期限をチェックして期限内に計画的に食べます。

保存の仕方を工夫することでも、フードロスの削減を目指せるでしょう。食べ物それぞれの適した保存を学び、適切な状態で管理して安全性に問題がないタイミングで食べ切ります。
食品を販売するショップでフードロスが出ないように購入することも、個人でできるサスティナブルな取り組みです。

例えば賞味期限のあるものであれば、期限が迫っているものから購入することで、廃棄処分となる食品を減らせます。賞味期限内に食べ切ることができないときは小さいサイズを選んだり、購入しないという選択をしたりすることができるでしょう。

多様なものをバランスよく食べることが健康のためには大切ですが、多様な食品を購入してフードロスが増えるのではサスティナブルな行動とはいえません。自分の健康だけでなく地球の健康も重視するためにも、食べ物を購入するときは計画的かつ無駄の内容に意識していきましょう。

■リサイクルを習慣化する

使えなくなったものを捨てることは、サスティナブルな行為とはいえません。廃棄することで二酸化炭素が排出されたり利用できる土地が減ったりすることもあるので、使えなくなったものや使わなくなったものはリサイクルする習慣を身につけましょう。

状態が良いものであればフリーマーケットなどで販売することもできます。新たな所有者が買い取ることで、物が再利用されるでしょう。

また、状態が良くないものであれば、修理・修繕して自分で使うことも検討できます。例えば袖が短くなった洋服であれば、袖を継ぎ足したり半袖として着たりすることで、新しい魅力が生まれるでしょう。

できることからサスティナブル活動を始めよう

植物の芽を両手で土ごと持っている様子

サスティナブルな取り組みは、いずれも難しいものではありません。ものを大切に長く使おう、食べ物は食べ切ろうという意識さえあれば、誰もが簡単に始めることができます。

サスティナブル活動に取り組むことで、未来の人類に美しい環境を引き継ぐことができるでしょう。子どもたちの子どもたちが幸せな生活を享受するためにも、何ができるのか、どのようなものを選べば良いのか、今一度考えてみてはいかがでしょうか。

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