猫に癒される
近年、猫の飼育数は犬を超えました。2019年に発表された全国犬猫飼育実態調査によると、犬の飼育頭数は約879万7,000頭、猫は約977万8,000頭です。2015年から2019年の伸び率で、犬は約93%に減少したのに対して、猫は約105%増加。数値からも猫が飼いたいという人が増えているのがわかります。
なぜ猫には癒し効果があるのでしょうか?
1.可愛さで癒される
2.幸せホルモンの分泌により癒される
3.「ゴロゴロ音」に癒される
4.猫の自由な性格に癒される
5.そばにいてくれることに癒される
6.お世話をすることで逆に癒される
それぞれの理由をチェックしていきましょう。
1.可愛さで癒される
猫に癒し効果がある1つ目の理由は、可愛さで癒されるためです。可愛いものを見るだけで脳を休めたり緊張をほぐしたりする効果があり、癒しを感じられるといわれています。
猫に可愛さを感じるポイントは以下のとおりです。
・目が大きいこと
・しなやかな動きをしていること
・リラックスをしているしぐさ
・ふわふわした毛並み
猫にはたくさんの可愛いポイントがあるため、猫を見ていると癒されて心が落ち着きます。
2.幸せホルモンの分泌により癒される
猫に癒し効果がある2つ目の理由は、幸せホルモンの分泌により癒されるためです。猫のふわふわとした柔らかい毛並みを撫でていると、脳内にホルモンの一種であるオキシトシンが分泌されます。オキシトシンとは、別名幸せホルモンとも呼ばれているものです。
柔らかいものや人肌に近い温かさのものに反応して分泌されやすいため、柔らかな毛並みで温かさを持つ猫は癒しを得やすいといえるでしょう。
3.「ゴロゴロ音」に癒される
猫に癒し効果がある3つ目の理由は、特有の「ゴロゴロ音」に癒されるためです。猫を撫でたときに、喉を鳴らして気持ちよさそうなゴロゴロという音を聞かせてくれることがあります。
ゴロゴロ音の周波数は約25~150ヘルツです。低周波である25ヘルツくらいの音は副交感神経を優位にする効果があります。その結果、心身がリラックスして筋肉の柔軟性がアップし、免疫力が上がるなどのよい影響があるようです。
この周波数には骨折したときの回復を早める効果があるといわれており、先進医療として骨折治療にも活用されています。
4.猫の自由な性格に癒される
猫に癒し効果がある4つ目の理由は、猫の自由な性格に癒されるためです。対象者のストレス軽減を目的としたアニマルセラピーでは、猫や犬が医療や福祉の分野で活躍しています。
セラピードッグとして訓練を受けている犬と比べて、猫は芸を見せることもなく自然体のままで対象者の膝の上にのってただ撫でられています。自由気ままな性格や、撫でられるとただ気持ちよさそうにするだけということが、むしろ日常で感じている重荷を忘れられ、癒されるようです。
5.そばにいてくれることに癒される
5つ目の理由は、そばにいてくれることに癒されるためです。ふわふわとした毛並みと温かさなどで癒される猫ですが、近くにいるだけで安心感がもたらされ、幸福な気持ちを感じられるようです。
自由な性格の猫は媚びることもなく、自分のしたいように行動します。うるさい子どもが来れば隠れますし、慣れた飼い主には近寄ってきます。その猫がただそばにいてくれるだけでも飼い主は嬉しいものなのです。
6.お世話をすることで逆に癒される
猫に癒し効果がある最後の理由は、お世話をすることで逆に癒されるためです。相手に何かをしてもらうのではなく、逆に自分が相手のお世話をしたり何かを与えたりすることで癒されることがあります。
この現象は「逆セラピー」といわれているものです。猫などの自分よりも小さなものをお世話することによって自分にできることや必要とされていることが感じられ、生活に張り合いが出ます。
猫に癒してもらう2つの方法
猫に癒してもらう方法には、以下の2つがあります。
1.ペットなどとして実際に猫を触る方法
2.猫の動画や画像を見る方法
猫に癒し効果がある6つの理由でご紹介したとおり、癒し効果がある理由は実際に触ったり、そばにいるケースが多いのですが、一方で猫の動画や画像を見ているだけでも癒し効果を得ることはできます。
1.実際に猫を触る
猫に癒してもらう1つ目の方法は、実際に猫を触ることです。近くにいる状態であれば、猫のふわふわとした毛や自由な性格などで直接癒してもらえるでしょう。
ペットとして飼いたくても、マンションの規約などで猫を飼うことができない方におすすめなのは、介護施設や病院、学校などを対象としたボランティア活動の一つとしてのアニマルセラピーや、猫カフェなどが挙げられます。動物の温もりや優しさを感じ、リラックスできるなどの効果が期待できます。
2.猫の動画や画像を見る
猫に癒してもらう2つ目の方法は、猫の動画や画像を見ることです。実際に猫が近くにいなくても行える方法のため、ペットが飼えない人や近くに猫カフェがない人、今すぐに癒されたい人におすすめします。
猫の動画や画像を見るだけでも癒されるのは、猫の可愛い見た目や自由なしぐさなどが癒しに効果的であるためです。インターネットで猫の画像を検索したり、動画サイトで動いている状態の猫を見たり、猫の写真をスマホの待ち受けにしたりとさまざまな方法が考えられるでしょう。
猫を飼うなら知っておきたい2つのコツ
猫を飼うなら知っておきたいコツは、以下のとおりです。
1.猫も飼い主も癒されるためのコツ
2.猫に嫌がられないためのコツ
猫に一方的に癒してもらうだけではなく、猫にもリラックスしてもらって相互に癒し合うことをおすすめします。また、せっかくペットとして飼ったのに猫に嫌がられてしまわないように、NGな接し方を理解しておきましょう。
1.猫も飼い主も癒されるためのコツ
猫も飼い主も癒されるためには、ハンドケアがおすすめです。ハンドケアとは手で触れることによって他者の心や体を癒してあげる方法で、誰でも簡単に試せます。猫が近寄ってきたときや日向ぼっこなどでまどろんでいる状態が実施しやすいでしょう。
手の柔らかさや温かさを感じると猫が安心するうえ、暖をとることにも繋がります。優しく撫でてあげるだけでも、猫はリラックスしてストレスを軽減することができます。撫でるだけで体液循環が改善する効果もあり、内臓の働きが活発になります。
額から頭頂部や首、背筋のあたりまでの範囲、耳の周辺は、とくに猫がリラックスするツボがあるため、毛並みに沿うように優しく撫でてあげましょう。
2.猫に嫌がられないためのコツ
猫に嫌がられないためには、以下のようなコツがあります。
・猫の顔をじっと見つめないこと
・しつこく構いすぎないこと
・アロマセラピーをしないこと
・優しくささやくような声を出すこと
・大きな音を出さないこと
・猫の好きな場所を変えてしまわないこと
これらのような猫が嫌がることをしないように注意して、猫から好かれる飼い主になりましょう。
疲れたら猫に癒してもらおう!
猫に癒し効果があることは、ゴロゴロ音や幸せホルモンの分泌などたくさんの理由があり、科学的にも証明されているものです。猫は多くの人から癒しを求められており、実際にアニマルセラピーとして医療現場や高齢者施設などで活躍しています。
ペットとして飼えない場合でも、画像や動画を見るだけで癒してもらえることも嬉しいポイントです。心身のストレスを感じたら、猫に癒してもらいましょう。