話題のハンモックヨガとは
ハンモックヨガは、天井から布をつるし空中で行うヨガで、身体のメンテナンスに興味を持つ人を中心に話題を集めています。
誕生してからまだ新しいエクササイズなので、詳しいやり方を知らない人もいるでしょう。まずは、ハンモックヨガの歴史や特徴を紹介します。

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ニューヨーク発祥のヨガ
ヨガの歴史は古いですが、ハンモックヨガは比較的新しく、1990年代にニューヨークで考案されました。伝統的なヨガとは異なる新しいヨガとして世界中に広まり、日本にも専用スタジオが普及してきています。
ハンモックヨガは、天井からつるしたヨガハンモックに身体を包んだり、腕や脚を引っ掛けたりしながらヨガのポーズをとります。一見難しそうですが、身体が硬い人でも行いやすく、ヨガ初心者でも挑戦しやすいといえるエクササイズです。
ハンモックヨガでは、通常のヨガにはない独特の浮遊感を味わえます。空中でポーズをとることから「エアリアルヨガ」や「フローティングヨガ」とも呼ばれています。
ハンモックヨガで期待できる効果
ハンモックヨガをするとさまざまなメリットがあり、通常のヨガにはない魅力もあります。どんな効果が期待できるのか見ていきましょう。

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柔軟性の向上
ハンモックヨガは、地上のヨガよりも身体が伸びやすく、身体が硬い人や初心者でもさまざまなポーズに挑戦できるため、身体の柔軟性が高まります。地上でヨガをする場合は自分の身体しか支えるものがありませんが、ハンモックヨガならぶら下がったり脚をからめたりしながら、伸びにくい部分を無理なく伸ばせるのです。
また、日常生活で身体を支える役割を持つ、脊柱や腰部などにかかる負担を和らげることにもつながります。ハンモックに包まれた状態で、リラックスしながら行えるところも柔軟性を向上しやすいポイントです。
血行促進
ハンモックヨガは宙づりの状態になるので、体重だけでなく重力も使いながら全身の血行を促進できます。地上では難しい逆立ちのポーズでも、ハンモックの力を借りれば簡単でしょう。
ハンモックに腰かけた状態で身体を倒して逆さになるので、自力で倒立したことがない人でも挑戦できます。頭部の血流がよくなれば、ストレスの緩和や集中力のアップなどの効果が期待できるところも魅力です。
血行が悪いと、冷えやむくみなどさまざまな不調が出やすくなってしまいます。栄養や酸素は血液に乗って全身に運ばれるので、血行が促進されることで得られるメリットは大きいでしょう。
身体の歪みの改善
ハンモックヨガは、骨盤や背骨の歪みを整える効果も期待できます。つるされた状態で逆さまになってポーズをとると、重力による負荷がなくなり、普段はほぐすことが難しい関節や筋肉にアプローチできるのです。
また、逆さまになるポーズは、垂れ下がった内臓の位置を正常な位置に戻しやすくするとも考えられています。身体の歪みを整え、ぽっこりと出た下腹部や腰痛の緩和を目指しましょう。
心身ともにすっきりする
ハンモックヨガは空中でゆらゆらと身体を揺らすので、楽しさを感じながら挑戦できるところが魅力です。地上のヨガにはない開放感やストレス解消効果が期待できます。
大人になると、公園のブランコで遊ぶ機会は減ってしまいますが、ハンモックヨガであれば童心にかえって楽しめるでしょう。ハラハラしながらバランスをとったり、難しいポーズができた達成感を得たりするうちに、心身がすっきりとしてきます。エクササイズとしてだけでなく、気分転換やリフレッシュにもピッタリです。
ハンモックヨガの代表的なポーズ
通常のヨガをした経験があっても、ハンモックヨガとなるとどんなポーズをするのか想像できない人は多いでしょう。ハンモックヨガの代表的なポーズを紹介します。

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スパイダーマン
スパイダーマンは、ハンモックヨガならではのポーズの一つです。腰かけた状態で脚を広げ、ハンモックに引っ掛けながら後ろに倒れて逆さまになります。下半身をハンモックにからめているので、通常の倒立をするときのようなバランス感覚が必要ありません。地上で逆立ちができるようになるまでには時間がかかりますが、時間をかけずに効果的なポーズをとれるのです。
「血流を頭まで届ける効果」や、垂れ下がった「内臓の位置を正常に戻す効果」が期待できます。背骨や腰にかかっていた負担が和らぎ、肩こりや腰痛の緩和に役立つところもポイントです。
ウィッシュボーン
スパイダーマンの姿勢から床に手を付けて、背筋を伸ばしながら腕を前方に伸ばし、上体を反らします。下半身が浮かんでいる状態で背中を反らしていくので、通常はストレッチできない部分までしっかりと伸ばせるポーズです。首の背面・肩甲骨・背中などに刺激を与え、内臓の働きを高めたり「肩こり」を解消したりする効果が期待できます。
縮こまっている背中や内臓が、しっかりと伸びていることを感じながら行いましょう。猫背が気になっている人や、デスクワークなどで身体がこりがちな人におすすめです。
ウンブ
ハンモックヨガは柔軟性を高め筋力を鍛えるだけでなく、心を穏やかにすることもできます。ウンブはハンモックにくるまれた状態で両ひざを曲げて座り、瞑想をするポーズです。“ウンブ”は子宮の意味を持ち、赤ちゃんがお母さんの胎内にいるときのように、リラックスした気持ちをもたらしてくれます。
優しい揺れや静けさを感じながら、自身の内面と向き合いましょう。ストレスがたまっている人や、非日常の中で癒やされたい人におすすめです。
ハンモックヨガを行うときの注意点
ハンモックヨガに期待できる効果を知って、すぐにでも挑戦したいと感じる人もいるでしょう。通常のヨガにはない動きが多いので、始める前に注意点を知っておくことが大事です。どんな点に注意すればよいのか見ていきましょう。

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動きやすい服装を着用する
ハンモックヨガをするときの服装は、通常のヨガをするときと同じもので構いません。ゆったりとした服装だとポーズの邪魔になるため、「フィット感」のあるTシャツにヨガパンツといった服装がよいでしょう。ヨガウェアがない場合、ストレッチ性が高く動きやすいフィットネスウェアがあれば十分です。
ハンモックを利用して宙づりになるので、アクセサリーを着けているとからまってしまいます。アクセサリーは全て外し、髪の毛が長い人はヘアゴムですっきりとまとめましょう。
レッスン直前の食事は控える
ハンモックヨガは逆さまになる動きをするので、レッスン直前に飲食をすることは避けましょう。食べすぎると気分が悪くなってしまうことがあるので、軽食で済ませるのが安心です。
できれば、レッスンが始まる「2時間ほど前」までには食事を終えておきます。また、飲酒した状態で、レッスンを受けることはできません。昼食や夕食の時間に近い時間帯にレッスンを受ける場合は、終了後に飲食をするようにスケジュールを調整しましょう。
体調に不安があるときはNG
ハンモックヨガは、日常生活ではしない動きを取り入れたヨガです。体調が思わしくないときに挑戦するのはやめましょう。頭痛や倦怠感があるときに無理にレッスンを受けても、思ったような効果を得られません。十分に体調が回復してから、レッスンに臨みましょう。
また、血圧や心臓に関する病気がある人は、レッスンを受けられません。持病がある場合は、レッスンを受ける前にかかりつけ医に相談しましょう。
乗り物酔いをする人や三半規管が弱い人は、ヨガの途中で気分が悪くなってしまうことがあります。レッスン中に痛みや異変を感じたときは、すぐにインストラクターに申し出て休憩することが大事です。妊娠中も体調が変化しやすいので、レッスンに参加できないと定めている教室が少なくありません。
決して無理をすることなく、身体のコンディションを整えて挑戦するようにしましょう。
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