ストレッチの効果的な行い方
デスクワーカーに向けたコリ解消プログラムに定評のある、ストレッチトレーナー・菅原みどりさんに教えてもらいました。
足首の曲げ伸ばしでアキレス腱をストレッチ
「リモートワーク続きで、“なんとなく不調”だと感じる方が増えているような気がします。コンディションの調整が少しづつ難しくなってきている今こそ、ストレッチで体と心のゆるみ時間をもつことが大切になってきます。そこでストレッチがより効果的になるポイントをいくつかお伝えします」(菅原さん)
・1日1分でもいいので毎日続ける
「体を動かさなければ運動量の低下でさらに筋肉が縮みますし、関節の可動域も小さくなってしまいます。1日のうち、たとえ1分でもいいので“ストレッチで筋肉を伸ばして関節を動かす習慣”をもつことが大切です」
・リラックスして行う
「ストレッチを行うとき“たくさん伸ばそう!”と、つい力んでしまうこともあると思います。力みは筋肉の収縮を招くので逆効果。できるだけリラックスして、体もゆるませながら行うことでより効果が上がります」
・水を飲む
ストレッチをする前後と最中には、水を飲んで老廃物の排出を促しましょう。そもそも人の体は60%くらいが水分だと言われています。体内の水分を循環させるという意味でも大切です。
「ふだんから力みがちな方は、体の筋肉も硬くなりがちです。怒ると筋肉も硬くなります。また、ストレスも人の体を硬くさせる要因といわれています。毎日少しのストレッチ習慣をもつことで、体と心をゆるめてリセットさせる。ごく当たり前のことだからこそ、今改めておすすめしたいですね」(菅原さん)
足首を柔らかくするおすすめストレッチ【3選】
座りながらできる!足首の20秒ストレッチ
空調が効いた室内でのデスクワークは、どうしても足が冷えてしまいがち。1日の仕事が終わったら、むくんでゾウ足になっていたりすることも。
「夏のデスクワークは、足首のストレッチを取り入れると快適さが違ってきます。手軽なのに効果は絶大。習慣にすることでむくみ対策もかねられます」(ストレッチトレーナー菅原みどりさん)
①イスにやや浅めに腰をかけて、かかとを突き出しながら足を前に伸ばします。ふくらはぎが気持ちよく伸びるのを感じながら、自然な呼吸で10秒キープ
②次に、つま先を床につけて足を前に伸ばします。足の前側が気持ちよく伸びるのを感じながら、自然な呼吸で10秒キープ。じんわり血流がめぐってきます
「足首を曲げたり伸ばしたりすることでふくらはぎの筋肉が動かされて、脚の血行やリンパの流れが促進されます。アキレス腱がしっかり伸びていることも意識しながら行いましょう。気持ちよく行える範囲で、1と2をくり返し行ってもよいでしょう」(菅原さん)
朝の目覚めもよくなる寝たままストレッチ
布団の中でできる朝のお目覚めストレッチ
①足首を手前に倒し、ふくらはぎの伸びを感じながら5秒キープ。
②足首を反対側に倒し、足の甲を伸ばして5秒キープ。
③1と2を交互に3回繰り返す。
⑷足首を外側、内側と交互に倒す。
⑸4を10回繰り返す。
1日を終える前の足首ストレッチ
美容へのこだわりはもはや専門家なみ!というほどの有村実樹さん。1日を終える前のストレッチは?
「ひざの裏にある筋肉を伸ばすことは、腰痛予防や代謝UP、姿勢の改善にもつながると聞いて、毎日寝る前にストレッチしています」
「ただしゃがむだけでも効果抜群。かかとを浮かせず、足はハの字に開かず平行にして、アキレス腱とすねの筋肉を伸ばします」
「脚の裏全体のストレッチ。タオルを使うと体が硬くても無理なく実践。左右合わせて10分くらい」
時間がないときは、乗るだけでOKなストレッチングボードに
足首ストレッチにおすすめの器具
より簡単に効率よく足首やふくらはぎの筋肉をほぐすためには、道具を取り入れるのが有効です。
時短にも!ストレッチの効果も高めてくれる
ストレッチボード
上に乗っているだけで、ふくらはぎに刺激を与えられるアイテムがストレッチボードです。足の先を上部へ向けるために、軽い傾斜が設けられています。
かかとが下へ向くように乗れば、ふくらはぎの筋肉が自然に伸ばされるため、むくみの解消や疲労回復に効果的です。全身を使ったストレッチを面倒に感じる、運動嫌いの人にも向いています。
ストレッチボードはさまざまな商品が販売されているので、素材やデザインにこだわって選ぶのがおすすめです。傾斜角度を調節できるものなら、場所に合わせて使いやすい角度に調節できます。
ストレッチポール
ストレッチポールは、長い丸太のような形をした円柱状の器具です。立てたストレッチポールの上から手を置き、体を支えたままつま先とかかとを上下させれば、ふくらはぎを効率よくほぐせます。
長座の姿勢を保ったまま足首の下にストレッチポールを入れ、足先を内側と外側に動かすことで、座った状態でのストレッチも可能です。
ストレッチポールは、ふくらはぎの筋肉をほぐす以外にも、さまざまなストレッチや運動に活用できます。形状・長さ・デザインの違いにより、多彩な種類の商品が販売されているため、使い勝手のよい商品を選ぶのがおすすめです。
タオルを使うのもおすすめ
わざわざ器具を準備するのが面倒なら、タオルを使ったストレッチもおすすめです。自宅にあるフェイスタオルで簡単に実践できます。
仰向けの状態に寝たら、タオルの両端を持ったまま、タオルの真ん中部分を片方の足裏に引っ掛けます。脚を伸ばしたままゆっくりと持ち上げ、足裏を天井に向けたまま約20秒間キープし、もう片方も同じように行えば1セット完了です。
1日2~3セットを目安に実践すれば、より高い効果を期待できます。ふくらはぎだけでなく、ふともも裏や足首のストレッチにもなります。
足首ストレッチの効果を高めるマッサージ
リンパマッサージで代謝アップを促す
足には、マッサージ効果がある四つのポイントがあります。足の甲・足裏・足首・足の内側ラインです。これらをマッサージすることで、ふくらはぎの血液とリンパの循環が良くなり、代謝がアップします。
まずは、足の甲の指から伸びている筋の間を、それぞれ足首に向かって押しましょう。続けて、足裏の指の付け根もプッシュします。その後、足首から膝下まで、ふくらはぎの内側を親指で下から上に押していきます。内側のくるぶしから指4本分上にある「三陰交」と呼ばれる場所は、5秒間押し続けましょう。
ふくらはぎの外側も、同様に足首から膝下まで押していきます。外側の膝下から指4本分下にある「足三里」と呼ばれる場所は、5秒間押し続けましょう。