「胡蝶の夢」ってどういう意味?語源や使い方、関連語を解説 | Domani 「胡蝶の夢」とは夢と現実の区別がつかないこと|言葉の由来や使い方、関連語を解説

Domani

働く40代は、明日も楽しい!

 

LIFESTYLE雑学

2021.11.24

「胡蝶の夢」ってどういう意味?語源や使い方、関連語を解説

「胡蝶の夢」とは夢と現実の境があいまいで、区別できないことのたとえです。人生のはかなさをたとえる言葉でもあります。言葉がもつイメージが美しいため、さり気なく使いたい表現の一つです。今回は、胡蝶の夢の由来や使い方、関連語を詳しく解説します。

Tags:

「胡蝶の夢」とは夢と現実の区別がつかないことのたとえ

【胡蝶の夢:こちょうのゆめ】《荘子が夢の中で胡蝶になり、自分が胡蝶か、胡蝶が自分か区別がつかなくなったという「荘子」斉物論の故事に基づく》自分と物との区別のつかない物我一体の境地、または現実と夢とが区別できないことのたとえ。

胡蝶の夢

「胡蝶の夢」は「こちょうのゆめ」と読み、自分と物の区別がつかない境地、また夢と現実の区別がつかないことをたとえる言葉です。「胡蝶の夢」の由来は、中国の戦国時代の思想家である荘子が見た夢にあるとされています。また、夢と現実の区別がつかないことから転じて、人生のはかなさのたとえとしても使われる言葉です。

「胡蝶」と聞くと、社会現象にもなった大ヒットコミック『鬼滅の刃』の登場人物を連想する方も多いと思われます。ここからは、「胡蝶の夢」の由来と意味の補足について、それぞれ詳しく解説します。

荘子が見た夢が由来の故事成語

「胡蝶」とは蝶の別名で、由来は荘子が見た蝶が美しく飛び回る夢にあります。逸話を簡単にご紹介します。

中国の思想家である荘子は、あるとき自分が蝶になった夢を見ました。花から花へ飛び回るのがとても楽しく、飛んでいる間は自分が人間の荘子であることは忘れています。しかし夢から覚めてみると、自分はもう蝶ではありませんでした。

そこで荘子は、「はてさて、夢で荘子である自分が蝶になっていたのか、それとも本当の自分は実は蝶で、夢の中で荘子になっているのか?荘子と蝶はもちろん別の存在ではあるが、お互いに変化できるものなのだなぁ。」と考え込んだといいます。

人生のはかなさのたとえとしても使われる

荘子の思想を踏まえると、蝶の夢は「自分と自分以外のものをはっきりと区別することはできない。この世はすべて一体である」という教えを伝えるエピソードです。しかし、自分とそれ以外の間に区別はないという思想を、一般の人々が理解するにはやや難解です。

そのため、荘子の夢の「蝶として飛び回っていた自分が、夢から覚めると人間の荘子であった」という点がフォーカスされ、「美しく楽しいできごとは実ははかない」「人生もまた夢のようにはかない」という意味としても使われるようになりました。

「胡蝶の夢」の使い方

「胡蝶の夢」は、次のような状況での使い方が一般的です。

1.現実と夢の区別がつかない
2.物事が移ろい変化する
3.人生のはかなさを伝える

胡蝶の夢

荘子が夢から覚めた際に感じたような、現実との区別が曖昧な状況で使えるほか、物事の移ろいや人生のはかなさのたとえとして使いましょう。美しい響きをもつ言葉であるため、表現に奥行きがでるはずです。いくつか例文をご紹介しますので、使い方を確認してみてください。

「胡蝶の夢」を使った例文5つ

胡蝶の夢は、「胡蝶の夢のよう」「まるで胡蝶の夢」という使い方をすることがほとんどです。

【現実と夢の区別がつかないこと】
・確かに宿題を終えたつもりでいたが、どうやら夢の中の出来事だったようだ。まるで【胡蝶の夢】だ。
・いつから寝ていたのだろう。妙にはっきりとした夢を見ていて、夢の中では夢とは思っていなかった。【胡蝶の夢】のようだったな。

【物事が移ろい変化すること】
・一斉を風靡したタレントだったのに、たった一つのスキャンダルによって、【胡蝶の夢】のように世間からはすっかり忘れ去られてしまった。

【人生のはかなさを表現する】
・人生はまるで【胡蝶の夢】のよう、あんなにも充実した時を過ごしたのに、今はあとかたもなく、何もない日々だ。
・人生はしょせん【胡蝶の夢】、どんなに成功して巨額のお金を手に入れても、そのことに意味はあるのだろうか。

「胡蝶の夢」の関連語

「胡蝶の夢」に関連する語句としては、類語である「荘周之夢(そうしゅうのゆめ)」、「邯鄲の夢(かんたんのゆめ)」などが挙げられます。

胡蝶の夢

「荘周之夢(そうしゅうのゆめ)」の「荘周」とは、胡蝶の夢を見た荘子の別名で、現実と夢の区別がつかないさま、人生のはかなさなど「胡蝶の夢」と同じ意味をもつ言葉です。「邯鄲の夢(かんたんのゆめ)」は、唐の時代の古典作品である「枕中記」の中の故事が由来とされる、こちらも「胡蝶の夢」と同様に人生のはかなさを伝える故事成語です。

また、「胡蝶の夢」のキーワードは、「人生」と「夢」です。ここからは、「胡蝶の夢」の二つのキーワードが入った四字熟語をいくつかご紹介します。

「胡蝶の夢」のキーワード「人生」に関する四字熟語

「胡蝶の夢」は、人生のはかなさのたとえとしても使われます。胡蝶の夢と同様に人生に関する四字熟語には、「佳人薄命」や「盛者必衰」があります。

「佳人薄命(かじんはくめい)」は、美人は幸せな人生を送れないこと、また短命であることを意味する言葉です。「佳人」は美人、また「薄命」は幸運に恵まれないことをあらわします。

「盛者必衰(じょうしゃひっすい)」は、勢いが盛んなものは必ず衰えること、この世の無情さをあらわす四字熟語です。歌謡曲の歌詞に使われるなど、広く親しまれている言葉の一つといえるでしょう。

「佳人薄命」も「盛者必衰」も、胡蝶の夢に通じる「人生のはかなさ、物事の移ろい」の意味をもつ四字熟語です。

【佳人薄命:かじんはくめい】
《蘇軾「薄命佳人詩」から》美人は、病弱で早死にしたり、運命にもてあそばれて、不幸になったりすることが多いということ。美人薄命。

【盛者必衰:じょうしゃひっすい】
無常なこの世では、栄花を極めている者も必ず衰えるときがあるということ。「娑羅双樹の花の色、―のことはりを表す」〈平家・一〉

「胡蝶の夢」のキーワード「夢」が入った四字熟語

胡蝶の夢のキーワードである夢の文字が入った四字熟語には、既にご紹介した「荘周之夢」や「邯鄲の夢」をはじめとして、人生のはかなさをあらわす語句が多いことが特徴です。そこで今回は、それ以外の意味をもつ「聖人無夢」と「昼想夜夢」をご紹介します。

「聖人無夢」は、「せいじんむむ」または「せいじんにゆめなし」と読み、徳を積んだ聖人は心を乱すことや悩みがないため、夢を見ないことのたとえです。夢か現か区別がつかないという意味をもち、幻想的なイメージの「胡蝶の夢」と比べると、かなり現実的な言葉という印象を受けます。

「昼想夜夢」は、「ちゅうそうやむ」と読む四字熟語で、昼間に考えていたことを夜も夢に見るという意味の言葉です。恋愛ににまつわる四字熟語としても知られています。

【聖人に夢なし:せいじんにゆめなし】
《「荘子」大宗師から》聖人は悟りの境地にあり、雑念に煩わされないから、安眠することができて夢など見ない。

人生は「胡蝶の夢」、毎日を大切に過ごそう

胡蝶の夢は、夢と現実の区別がつかないさま、また人生のはかなさをあらわす言葉です。日常の会話やビジネスシーンで活用するというよりは、人生について思いを馳せる際にふと思い出す言葉なのかもしれません。

胡蝶の夢

人生は胡蝶の夢のようにはかなく移ろいゆくものです。だからこそ、今この瞬間を大切に過ごしていきたいものですね。

あわせて読みたい

「栄枯盛衰」と「盛者必衰」はどう違う?正しい使い方や類語などを理解しよう
良質な眠りを誘う【ロフト】のおすすめ快眠グッズ9選

(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
写真・イラスト/(C)Shutterstock.com

Domaniオンラインサロンへのご入会はこちら

Read Moreおすすめの関連記事