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2023.10.01

「長い物には巻かれろ」とはどういう意味? 使い方や類義語について紹介

 

「長い物には巻かれろ」とは、権力のある者には逆らわない方がよいという意味です。実際に言われたことがあるという方も多いかもしれません。本記事では、「長い物には巻かれろ」の意味や類義語について紹介します。

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「長い物には巻かれろ」とはどういう意味?

上司など、目上の人から何か納得できないことを言われたとき、自分の意見を主張するべきかどうか、悩んでしまったという経験はありませんか? 部下や同僚、家族ならともかく、なかなか自分の気持ちを言い出しにくい相手となると、困ってしまいますよね。

結局何も言えず、相手の言う通りにしてしまうという方も多いかもしれません。「長い物には巻かれろ」とは、そのような状態を肯定する言葉であるといえるでしょう。本記事では、「長い物には巻かれろ」の意味や使い方、長い物に巻かれる人の特徴などについて紹介します。

握手する手のイラスト

「長い物には巻かれろ」とは、勢力や権力のある者には逆らわない方が得であるという意味です。たとえ相手の意見に間違いがあったとしても、その通りに指摘すると、あらぬトラブルにつながってしまうかもしれません。それが原因で嫌われてしまう、なんて可能性も。

そのような状況は自分自身にとって何の得もないため、自分より力の強い者や目上の者には逆らわない方が得策であるということを意味する表現です。ただ、トラブルを避けるあまり、何も言わずに相手の指示に従い続けると、言いなりになってしまったり、相手に振り回されてしまったりするかもしれません。

図書館で開かれた本

そのため、自分や周囲に差し障るようなことであれば、相手に関わらず自分の意見を主張することも大切であるといえるでしょう。明治時代から大正時代にかけて活躍した文豪・夏目漱石は、『吾輩は猫である』の中で、「長い物には巻かれろ」の精神で、強い西洋人の言いなりになっている日本人を強く批判しています。

漱石が生きた時代は、西洋諸国に負けないように、政治から文化にいたるまで、日本が見よう見まねで洋風要素を取り入れていた時期にあたります。漱石は、何でもかんでも西洋人の真似をして振り回される日本人に対して、もどかしさを感じていたのかもしれません。

「長い物には巻かれろ」の使い方

目上の者や権力のある者には、とりあえず従っておく方がよいという意味を持つ「長い物には巻かれろ」。「長い物には巻かれろと言うし、会社のシステムに文句を言うのはやめた方がいいのではないか」「長いものに巻かれるタイプの人は、大成できないように思う」などのように使うことができます。

「長い物には巻かれろ」の「長い物」の意味は漠然としていますが、社会的に強い地位にいる者のことを指していると考えることができるでしょう。

長い物に巻かれる人の特徴は?

では、長い物に巻かれる人には、どのような特徴があるのでしょうか? ここでは、長い物に巻かれる人の特徴や心理について紹介します。

会話をする男女のイラスト

1:協調性がある

まず、長い物に巻かれるタイプの人は、たとえ相手の意見が間違っていたとしても、その場で強く否定するようなことはしないでしょう。相手に関わらず、自分の意見をしっかり主張できる人は尊敬されがちですが、一方で長いものに巻かれる生き方は八方美人だといわれてしまうことも。

しかし、長い物に巻かれるタイプの人は、自分の意見を言わないというより、相手の気分を害すような物言いをしないといった方が正しいかもしれません。自分の意見が正論だったとしても、言い方によっては相手を不快な気分にさせてしまいます。その相手が、上司や目上の人であればなおさらです。

そのような状況をなるべく避けようとする傾向にあるため、協調性が高いといえるのではないでしょうか。

2:自分に自信がない

先述の通り、長い物に巻かれるタイプの人は、相手を不快にさせたり、対人関係をこじらせたりしない協調性の高さを持っているといえます。しかし、権力のある人など、相手によっては自分の意見を主張できなくなってしまうという点は、自信のなさの表れであるとも考えられます。

自分の考えややり方が正しいという絶対的な自信を持っている人であれば、相手が目上の人であっても自己主張することができるでしょう。一方で、長い物に巻かれる人は、自分の意見が否定されたり、対人関係がこじれたりすることを恐れるあまり、なかなか自己主張することができません。

仮に自分の意見を否定されたとして、それに反論できる勇気や自信がないため、とりあえず目上の人の言うことには従っておいた方がよいという考えに帰結するのかもしれません。

「長い物には巻かれろ」の類義語にあたる表現

では、「長い物には巻かれろ」と似た意味を持つ表現には、どのようなものがあるのでしょうか? ここでは、「長い物には巻かれろ」の類義語にあたる表現について紹介します。

1:付和雷同

「付和雷同(ふわらいどう)」とは、「主義主張を持たず、安易に他人の説に同調すること」という意味です。「付和」には、その人に合わせる・同調するという意味が含まれます。「雷同」は、雷の音に共振するように、他人の意見に同調するという意味です。

「雷」が使われる四字熟語はほかにもあり、「風靡雷同(ふうびらいどう)」や「盲従雷同(もうじゅうらいどう)」などが挙げられます。いずれも、相手の意見に簡単に同調するという意味です。

自分の意見を言わないという点で「長い物には巻かれろ」と共通していますが、「付和雷同」は深い考えもなく同調するというネガティブな意味が含まれるため、完全な同義語とはいえないでしょう。

2:寄らば大樹の陰

「寄らば大樹の陰」とは、「頼るならば、勢力のある人の方がよい」という意味です。周囲の人と考え方が食い違ったとき、何となく不安になったり孤独感を感じたりしてしまうことがありますね。これは、マイナーな世界に生きるより、大勢の人が支持する風潮に身を任せた方が安全であるということを伝えていることわざです。

江戸時代初期から明治時代においては、「立ち寄らば大木の陰」として広く知られていたそうです。当時は、子供が商人や職人の家で一定期間働く「丁稚(でっち)奉公」などが、一般的な風習として定着していました。その際、大きな屋敷や大店に行った方が安全だといわれたため、このような表現が生まれたと考えられています。

最後に

今回は、「長い物には巻かれろ」の意味や使い方、長い物に巻かれる人の特徴について紹介しました。長い物に巻かれる生き方は、得することもあれば損することもあるでしょう。時と場合によっては、自分の意見をしっかり伝えることも必要ではないでしょうか。

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