「啓蟄」←この漢字読めますか?季節の移り変わりを示す言葉を詳しく解説 | Domani ちゃんと読める?「啓蟄」は土から虫が出てくる春の訪れを指す|意味を詳しく解説

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2021.11.21

「啓蟄」←この漢字読めますか?季節の移り変わりを示す言葉を詳しく解説

「啓蟄」とは、寒さが緩み冬ごもりをしていた虫が穴から出てくる、春の訪れを指す言葉です。具体的には3月6日頃をいいます。天気予報や俳句で使われるため、一度は聞いたことがあるかもしれません。今回は啓蟄の意味、啓蟄の季節の旬の食べ物や風物詩をご紹介します。

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「啓蟄」とは土から虫が出てくる春の訪れを意味する言葉

苦労せずに読める人の方が少ないと思われる「啓蟄」。あまりなじみがない漢字が並んでいます。特に二文字目の「蟄」は、「蟹(かに)」と似ていますが、蟹(かに)ではありません。

啓蟄

さて、なんと読むのでしょうか?

正解は……【けいちつ】でした!

【啓蟄:けいちつ】
二十四節気の一。冬ごもりの虫が地中からはい出るころ。太陽暦で3月6日ごろ。《季 春》「―を啣へて雀飛びにけり/茅舎」

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

「啓蟄」は、寒さが一段落し春の陽気が感じられるようになり、土の中にいる虫たちが動き出す季節のことです。

季節を6つに分けて名前をつけた「二十四節気(にじゅうしせっき)」の一つで、それをさらに3つに分割したものを「七十二候(しちじゅうにこう)」と呼びます。ここからは、「啓蟄」の詳しい意味と「二十四節気」および「七十二候」について解説します。

「啓蟄」は1年を24分割した「二十四節気」の一つ

「啓蟄」とは1年を24分割した「二十四節気」の一つで、春の3番目の節気です。「二十四節気」は、月の満ち欠けを基準としていた旧暦の時代、実際の季節と暦に生じる差を埋めるために用いられた季節の目安のこと。古代中国で、農業の収穫や種まきの時期をわかりやすくするために使われていたとされています。「にじゅうしせっき」と読み、「節気」と同じ意味で使われます。

よく耳にする「立春」は啓蟄の2つ前の節気にあたり、暦上では立春が春の始まりとされています。一方、「啓蟄」の「啓」は開く、「蟄」は寒い季節に虫が籠もるという意味であり、土の中の虫が動き出す様子をあらわします。「啓蟄」は暦上の春の訪れである立春よりも、春の訪れを肌で感じられるタイミングといえるかもしれません。

「啓蟄」は毎年同じ日付になるわけではありません。「二十四節気」は太陽の動きによって決まり、太陽がその通り道である「黄道」の、どの位置にあるかで計算されるからです。ただし、3月5日〜6日となることがほとんどです。

また、「啓蟄」は期間を表すこともあります。その場合は3月5日から春分の3月20日〜21日までの前日までの15日間があてはまります。

「二十四節気」をさらに3分割したのが「七十二侯」

「七十二候」は、半月ごとにわけた「二十四節気」をさらに約5日刻みにしたものです。季節に応じた動植物の動きの変化や、気象の移り変わりを知らせてくれます。

「二十四節気」と同様、古代中国で生まれたものですが、古代のものがそのまま使われてきた「二十四節気」とは違い何度も変更されてきました。日本でも、気候や風土にあわせて見直され、現在主に使われているのは明治時代に変更されたものです。

「七十二候」の初候である「蟄中啓戸(すごもりのむしとをひらく)」は3月5日前後で、言葉のとおり土の中の虫が戸を開いて顔を出し始める季節。次候は3月10日頃の「桃始笑(ももはじめてさく)」であり、桃の花が咲き始める頃です。
末候である「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」は3月15日頃。菜虫とは菜を食べる青虫のことです。青虫が羽化し蝶になるタイミングです。

「七十二候」は虫や花の変化を細かく描写した言葉で、美しい季節の移ろいを感じさせてくれます

啓蟄の季節の花・旬の食べ物

啓蟄の季節の花や旬の食べ物としては次のものが挙げられます。

啓蟄

1.【季節の花】桃
2.【季節の花】スミレ
3.【旬の食べ物】山菜、ハマグリなど

ここからは、春の訪れを体感する「啓蟄」を象徴する花や食べ物について、それぞれ詳しく解説していきます。聞き慣れない「啓蟄」という言葉も、季節の花や旬の食べ物を知ることで、より身近に感じられるはずです。

1.【季節の花】桃

先ほどもお伝えしたように、「二十四節気」の一つである「啓蟄」をさらに3つにわけた「七十二候」の次候は、3月10日頃の「桃始笑(ももはじめてさく)」です。ということは、この時期は桃が咲く時期ということです。

固い桃の蕾が少しずつほころび開花を始めるこの時期を「桃始笑」と書くのは、昔は花が咲くことを「笑う」と表現していたことが関係しています。「桃始笑」より少し前の3月3日は、桃の花を飾ってお祝いをする桃の節句です。

2.【季節の花】スミレ

「啓蟄」の季節は頭上に咲き始める桃に目を奪われがちですが、足元には可憐なスミレの花が咲き始めます。スミレもまた、春の訪れを教えてくれる花の一つです。スミレというと深い紫色の小さな花のイメージがありますが、実は日本だけでも250種類ほどもあり、ピンク色や黄色のスミレも存在します。

可憐な姿をもつスミレですが、野山だけでなくアスファルトの裂け目やガードレールの下など、どんな場所でも成長できる力強さも魅力です。

3.【旬の食べ物】山菜、ハマグリなど

ワラビやゼンマイなどの山菜類も、早春に芽吹くものが多く、「啓蟄」の時期が食べ頃にあたります。煮物などの料理で食べることの多いワラビは、葉っぱが広がる前の新芽の状態を摘み取ります。ゼンマイはくるくると巻いた葉っぱが特徴的です。食べるのは丸まった若い葉の部分のみで、完全に開いた葉はかたくて食べることができません。

ハマグリも「啓蟄」の時期の旬の食べ物です。ひな祭りの定番料理として知られています。お吸い物や網焼き、和え物として食べると美味しいですね。

啓蟄の季節の風物詩

啓蟄

啓蟄の季節ならではの風物詩には、次のようなものがあります。

1.植物「まこも」を編んだむしろを木から外す「菰(こも)はずし」
2.立春後の初めての雷「虫出しの雷」

初めて聞く言葉ばかりという人もいるかもしれません。いずれも虫に関連し、春の訪れを感じさせるものです。ここからは、「啓蟄」の季節の風物詩について解説します。

植物「まこも」を編んだむしろを木から外す「菰はずし」

「菰はずし」は、害虫の駆除を目的に松の木に巻きつけた菰を外す作業です。菰とは植物のマコモを粗く編んで作るむしろのこと。立冬の時期に松の木の地上2メートル付近の高さに巻き付けます。江戸時代から、害虫であるマツカレハが巻きつけたの中を好んで越冬するとされたことから、春先に菰をはずして焼くことで害虫駆除をおこなってきました。

しかし近年、菰に集まっているのはマツカレハではなく、その天敵である虫であることが判明。逆効果であるとして辞めたところもあります。現在でも続けているところは、季節の風物詩としておこなっているようです。

立春後の初めての雷「虫出しの雷」

「虫出しの雷」は、二十四節気の一つである立春以降の、初めての雷のことです。読み方は、「むしだしのかみなり」または「むしだしのらい」です。

「啓蟄」の季節には天候が不安定になり、雷が鳴ることがあります。啓蟄がもつ「土の中から出てくる」という意味合いに、この季節の雷に驚いて虫が出てくる様子をかけ、「虫出しの雷」と名付けられたとされています。

「啓蟄」を使いこなして春の訪れを表現しよう

啓蟄

「啓蟄」は春の訪れを表現する言葉で、寒さが和らぎ土の中にいた虫たちが動き出す様子をあらわします。同じ二十四節気の一つである立春などと比べ、あまり耳慣れない言葉かもしれません。

しかし、その意味を知ると、自然とともにあった古来の暮らしを感じる趣のある表現として、きっと使ってみたくなるはずです。啓蟄を使いこなして、待ちわびた春の訪れを表現してみましょう。

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写真/(C) shutterstock.com

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