「剣呑」の対義語
剣呑の対義語には、「安全」「安心」「平穏」「静穏」「静謐」「安泰」「安寧」などがあります。以下、剣呑の対義語の例とそれぞれの意味です。
安全……危険がなく安心なこと。
安心……気になることがなく、心が落ち着いていること。
平穏……平時と変わらず、穏やかであること。
静穏……穏やかで何事もおこらず静かなこと。
静謐……穏やかで静かなこと。
安泰……無事でやすらかな状態のこと。
安寧……無事でやすらかな状態のこと。とくに、世の中が穏やかで安定していること。
安穏……心静かに落ち着いている状態のこと。
それぞれの意味を理解して、ボキャブラリーを増やしましょう。
「剣呑」の使い方や例文
「剣呑な目つき」や「剣呑な表情」、「剣呑な雰囲気」のように、剣呑を使う場合には多くのケースで「剣呑な~」というように使用します。それ以外にも、「剣呑剣呑」と重ねて使ったり、「剣呑性」と使うこともあります。さらに、派生した言葉として「剣吞がる」「剣呑さ」もあります。
ここでは、「剣呑な表情」「剣呑な雰囲気」などの「剣呑な~」という使い方と、「剣呑剣呑」と同じ言葉を2回使うケースについて見ていきましょう。
「剣呑な表情」「剣呑な雰囲気」
まずは「剣呑な~」という使い方から確認していきます。「剣呑な」から始まる言葉には、「剣呑な思い」「剣呑な声」などの数多くの表現があります。以下、「剣呑な~」を使った例文です。
・クライアントとなかなか条件が折り合わず、ずっと【剣吞な】交渉を続けている。
・今日は上司がピリピリしており、みんな【剣呑な】雰囲気を感じながら仕事を続けていた。
「剣呑剣呑」
「剣呑」は、同じ言葉を2回続けて使うこともできます。「剣呑剣呑」というように重ねて使用することで、意味を更に強調しているのです。
このように使う場合は、「くわばらくわばら」や「危ない危ない」と同じ意味で使われています。つまり、危険を感じて災難を避けるために近づかないでおこうという言葉です。また、危険度や恐怖心を強く表現するために使われるケースもあります。
「剣呑」を正しく理解するための2つのポイント
「剣呑」を正しく理解して使えるようになるために、気を付けておきたい2つのポイントがあります。そのポイントは以下のとおりです。
1.明らかに危険な時には使わない
2.使いすぎると臆病な印象になる
間違えて使ってしまうと自分が感じている気持ちをうまく相手に伝えられない可能性があります。さらに、イメージダウンになってしまう恐れもあるため、上手に使えるポイントを押さえていきましょう。
明らかに危険な時には使わない
「剣呑」を使う際の1つ目のポイントは、明らかに危険な時には使わないことです。例えば、今まさに台風が直撃しており、停電したり川の堤防の決壊によって大洪水が起こってしまったりした場合には使えません。
台風が近づいてきて風が強くなり出したときや、近くの川が氾濫危険水位に近づいているような状況であれば、「剣呑だ」と表現することができます。
使いすぎると臆病な印象になる
「剣呑」とは不安に思っているさまや、危険を感じているさまを表現する言葉です。そのため、あまりに何度も使いすぎていると、大したことがないものにもびくびくしているような印象を持たれる可能性があります。
「危険かもしれないからやらないでおこう」というような、臆病でネガティブな考え方をしていそうだというイメージになってしまいかねません。使う際には、使いすぎにならないように気を付けましょう。
意味を理解して正しく使えるようになろう
「剣呑」とは、危険を感じたり不安を覚えたりするさまを指して使われる言葉です。実際に危険だと判断できる場合には使わないことや、使いすぎると臆病そうな印象になることなど、言葉を使う際に注意したいポイントもあります。これらのポイントや言葉の意味や語源、類語などをしっかりとチェックして、正しく使えるようになりましょう。
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