シンプリストとは?
インテリアに関連する雑誌やブログなどを見ていると、「シンプリスト」というワードをよく見かけます。言葉から「シンプルな暮らし=シンプリスト」とイメージされがちですが、それではあまりにも抽象的です。
まずは、シンプリストの特徴や定義について理解しておきましょう。また、シンプリストと混同されがちな「ミニマリスト」についても説明します。シンプリストとミニマリストとの違いを明確にし、区別できるようにしましょう。

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シンプルに快適な生活を送る人たち
シンプリストの語源である「シンプル」には、「単純・簡単」「素朴・純粋」と二つの意味合いがあります。このことから分かるように、シンプリストとはシンプルで飾り気のない暮らしを送っている人をさす言葉です。しかし、持ち物が少なければシンプリストというわけではありません。
シンプリストは、ありふれた情報や物事、窮屈した生活を嫌う傾向にあります。シンプルなインテリアやライフスタイルを好み、物事を単純かつ簡素に捉えることで、複雑な悩みを持たずに快適な生活を送っているのです。持ち物はある程度制限していますが、極端に少ないわけではありません。シンプリストと呼ばれる人たちは、必要な物を必要なだけ持ちます。
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ミニマリストとの違い
シンプリストとミニマリスト、どちらもゴールはシンプルな暮らしです。しかし、実施する目的に大きな違いがあります。
ミニマリストは「生活に最低限必要な物だけをそろえて生活する人」のことです。物を増やさないことに徹しているので、お気に入りの物に囲まれた生活を目的とするシンプリストとは根本的に異なります。
何かを購入するとき、シンプリストは「自分が気に入るかどうか」で選ぶ一方、ミニマリストは「生活に必要かどうか」で選びます。二つの生活スタイルを混同してしまうと、生活に取り入れるときに困惑することも考えられるので、違いを明確にしておきましょう。
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シンプリストの考え方で、3つの大切なこと
シンプリストと呼ばれる人たちは、どのような考えを持ち、実践しているのでしょうか。シンプリストの考え方の特徴を表した、三つのポイントについて解説します。

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自分が好きな物を大切にする
高価な物でも、心惹かれる物でなければ次第に使わなくなります。シンプリストは「心惹かれる、お気に入りの物を大切にする」ことがポイントです。デザインやカラー、テイストなど自分好みの物を大切にすることで、心ときめく物に囲まれた生活を送ることができます。
自分好みではない物が増えることを防げるため、結果的にシンプルな暮らしを実現しやすくなります。好みの物だけに絞ることで、自然に統一感も出て、すっきりとした印象になるでしょう。まずは、自分が好きな物をはっきりさせるため、好みを整理してみるのもおすすめです。
捨てるのではなくお気に入りを大切にする
シンプリストの目的は、物を減らすことではありません。お気に入りの物に囲まれた暮らしを送ることを目的としています。そのため、無理に必要最低限の物だけに絞って生活する必要はありません。持ち物を捨て、物を少なくするのではなく、お気に入りの物を大切にします。
自分の心が惹かれる、お気に入りの物に囲まれて過ごす時間の喜びを感じながら、それらの物を大切に、捨てずに長く使うのがシンプリストです。断捨離するときは、物を減らすことを目的とするのではなく、お気に入りかどうかを基準に分別しましょう。
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思い出や人とのつながりも大切にする
大切にしなければならないのは、形ある「物」だけではありません。人の暮らしを豊かにするために欠かせない「思い出」や「人間関係」を大切にすることも、シンプリストの特徴の一つです。
思い出を大切にすることは、自分の人生を肯定することにもつながります。過去を振り返り、自分のこだわりや好きな物を確認すれば、「これから何を大切にして生きるべきか」がより明確になるのです。物を減らしたい気持ちも分かりますが、思い出まで捨ててしまえば、心が貧しくなる恐れもあります。思い出は粗末に扱わず、大事に保管しましょう。
また、シンプリストは人とのつながりを大切にし、感謝の気持ちを大切にします。家族や友人など周りにいる人には感謝の気持ちを忘れてしまいがちですが、感謝の気持ちを忘れずに接することで、相手とよい関係性を築けるのです。
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シンプリストの部屋作りを知ろう
シンプリストの考え方を把握したところで、実践へと移ってみましょう。シンプリストの部屋作りでは、ポイントを踏まえながら行うことが大切です。
センスのよさに自信がない人も、ポイントを押さえることで、憧れのスタイルを形にできます。

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部屋の物に統一感を持たせる
シンプリストの特徴は、デザインやカラーが統一していることです。家具やカーテン、小物など、全体的に統一感がある部屋は、シンプルだけれど飾らないおしゃれな空間となります。
自分の好きな物やお気に入りの物で、トーンやカラーを同じ系統にまとめることで簡単にシンプリストの部屋が作れます。カラーは自分の好みで選ぶのもよいですし、モノクロや柔らかな雰囲気の物でまとめるのもおすすめです。飽きのこない、お気に入りの部屋に仕上がるでしょう。
アイテムは最低限に
シンプリストを実践する上で、ミニマリストの「最低限必要な物しか持たない」という考え方を取り入れるのもおすすめです。物が少なければ、シンプルライフを実現しやすくなります。
例えば、インテリア用品や小物は、たくさん並べすぎてしまうと圧迫感が生まれ、窮屈な印象を与えます。お気に入りの小物を一定の間隔をあけて並べることがポイントです。
物を多く置かないことを基本とし、「本当に必要な、お気に入りの物」だけを飾るようにしましょう。
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すっきりと整えられた収納を目指す
お気に入りの物に囲まれた生活は幸せですが、それらがゴチャゴチャと片付いていない状態では「好きな物を大切にしている」とはいえません。すっきりと収納され、片付いている状態をキープするのがシンプリストの部屋作りにおける基本です。
隙間をうまく活用し収納できれば、好きな物まで捨てる必要はありません。また無理に隠すよりも、あえて「見せる収納」をした方がよい場合もあります。例えば、収納ケースやボックスを同じカラー・型・大きさに統一すると一体感が生まれ、シンプルながらにおしゃれです。
さらに、見せる収納には不要な物が目に見えて分かるようになる、といったメリットもあります。使っているかどうか確認しながら収納するので、本当に必要な物は何か、判断しやすくなります。
子どもがいる場合の部屋の整え方
子どもがいる場合、物が多くなったりすぐに散らかったり、思い通りにいかないことが多々あるでしょう。
「子どもが小さいうちはシンプリストを取り入れるのは難しいだろう…」と諦めていませんか?子どもがいてもシンプリストのスタイルは取り入れられます。ポイントを押さえて、実践してみましょう。

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物の置きっぱなしをなくす
物が置きっぱなしになっていると、乱雑な印象を与えかねません。特に、文房具やレジ袋など、生活感のある物が置かれていると、周りがシンプルでもしっくりこないものです。物は置きっぱなしにせず、しっかり収納するようにしましょう。
また、小さいお子さんがいる家庭では、人形やブロック、絵本などが散乱することが多々あるはずです。その場合、思い切り遊べるスペースを確保するのがおすすめです。一定の場所で遊ぶようになるので、物が散乱するのを防げます。
全ての部屋をシンプルに、と頑張りすぎると、ついイライラしやすくなります。「あの部屋なら少しくらい片付いていなくても仕方がない」と割り切るのも大切です。
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片付けやすい収納を考えてみる
子どもは片付けに時間がかかると、面倒に感じてしまい、片付けなくなります。子どもにとって片付けしやすい収納であることが重要です。
例えば、収納スペースを作るときは「子どもの届く範囲内に置く」「使う場所と収納スペースを近づける」「出し入れしやすくする」「物の定位置をはっきりする」、この4ポイントを踏まえるとよいでしょう。
また収納ケースやボックスを用いる場合は、何が入っているのかを示すためにラベリングしておくと分かりやすくなります。まだ文字が読めない年齢の子どもには、絵で示してあげましょう。
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